あきゆめくくる 柚月ルート

あきくる、メインヒロインの二人目は、エロス担当な天然ピンク・小高柚月嬢を攻略。
天然エロスのくせに「保持者は去勢すべき」というセンセーショナルな信念を持っているという、ヤマアラシのジレンマみたいなヒロインである。

CVは、杏子御津。
東雲希(はつゆきさくら)、青海衣更(恋と選挙とチョコレート)、九鬼紋白(真剣で私に恋しなさい!)等々でお世話になっている声優さん。
この人の声は久々に聞いたけど、舌っ足らずなとろけるボイスはやっぱりかわいい。

柚月ルートでスポットが当たるのは、去勢ではなく、WSPさんの正体について。

---

もし、WSPさん達を人間の姿に戻して、救うことができたなら、人を殺した、という罪の意識を自覚できるかもしれないって。
これだけの人を救えたという実感があれば、これだけの人を殺したんだってことを実感できるかも。
実感したいから、私を取り戻したいから……。
「だから、私はWSPさん達を救いたいの……」


「保持者」としての能力を用いた歌声で、200人以上が死ぬ事件を起こしてしまった――
その罪悪感から、柚月は去勢を考え、ワスプを救いたいと願うようになる。

ラブコメをはじめたのは「ワスプに楽しい雰囲気を伝えることで、新しい可能性を与えるため」。
そして、ラブコメもといエロコメを経て、ワスプに変化が見られる。
ループから抜け出し、意思疎通ができるようになるのだ。

しかし、その結果、ワスプの正体も明らかになる。
なんと、彼らは人間の可能性の残骸を乗っ取った宇宙人だったのだ(!!)。

彼らは(地球上の生物と同じように)生殖を行いたいという意志を持つ。
その過程では、もちろん他者を攻撃する可能性もある。
ならば、人間の歴史にあったように、侵略者は排除するしかないのだろうか?

「ちゃんと考えようよ、ちはやくん。……私達が始めたラブコメなの。私達のラブコメでこうなったんだよ」
「だから、最後までちゃんとラブコメをしようよ。みんなを殺して終わりなんてラブコメは聞いたことないよ。そんな尖ったラブコメは土織さんだって否定すると思うの」
「ラブコメを続けるべきだと思うの! それにラブコメって葛藤だと思う!」
「わっ、私だって……パンツをはかない時は悩んだの。ちはやくんを好きになる時だって悩んだの。去勢のことだって。……おもしろく葛藤しようっていうのがラブコメだと思うの」


そうして、彼らは自身の意思と覚悟を持って、ラブコメを続けることを選択する。
幸せになってはいけなかったかもしれない自分たちが、幸せになる覚悟を決めたように。

「私が私だ……」


---

しかしまぁ、歩ルートほどではなかったにせよ、ゆずたんの織り成すラブコメもすさまじかったなぁ。
露出狂となって野外オナニーにふけってしまうくだりでのテキストには、感動すら覚えるほどだったよ。

ところで、ループしなくなったのはワスプさんだけなんですね?
歩ルートとは違い、街全体の量子的可能性は死んだまま。

とは言え、歩ルートでの出来事だったはずの腕もぎりが今回も発生していたし、ここって並行世界っぽい?
なんだか土織さん(別人格)が言ってた、世界シミュレーション説が現実味を帯びてきますね?
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あきゆめくくる

あきゆめくくる 歩ルート

あきくる、メインヒロインの一人目は、幼馴染な伊橋歩ちゃんを攻略。
「~~だわ」な口癖は、はるくるの静夏にそっくり。
こういう子、好きなの?

CVは、有栖川みや美。
狭霧紫穂(なつくもゆるる)、風戸依瑠(この大空に、翼をひろげて)等々、結構お世話になっている声優さん。
だけれど、今回のみや美さんは、あまり好きじゃないほうのみや美さんだった。
なつくるの紫穂のときはめっちゃお気に入りだったんだけどな。
ジブリール4の葵ちゃんのときみたいな、ちょっと無理しておしとやかさを演じようとしているところが気になったかも。

---

「――わたし達は蕾の状態で刈り取られたんだわ」


保持者と非保持者との「闘争」を指揮してきたリーダーだった彼女のお話は、彼女の犯した罪に科された「呪い」について。

「保持者」に限らず、特出した才能を持つ人が「為すべきを成した」結果に後悔する話は、ままある。
(キラ☆キラのきらりも、そのことに悩んでいたと思う)
歩の場合、他人の感情を把握し導くことに長けていたから、必然的にリーダーになった。
その結果、知っている人、知らない人、大勢が死ぬことになる。

「どうして? どうして、わたしは生きているかしら? みんなを死地に向かわせておいてわたしが生きてるなんて……」
「……そんなの絶対に間違っているわよね?」
「わたしのせいでこれ以上、誰かが死ぬなんて……。そんなのもう耐えられない。どうしてこんなことに……。わっ、わたしは……もう限界だわ」


歩の「呪い」は、帰還兵のPTSDと言われるものと同じだ。
主人公が偏執していた「膝から流れる鮮血」の描写は、彼女の心の傷そのもの。
そのPTSDをサトリに利用され、歩は過去を変えたいと願う。
闘争が終わった日に自殺するために、過去に戻りたいと願うのだ。

「わっ、わたしは! わたしはただ、ただ咲きたかっただけだわ! 蕾のままで終わりたくなかっただけだわ! その結果が……。ちはちはの言う通りなら、わたしはやっぱり死ぬべきだわ」


そうして、歩は過去へと戻る。
しかしそれはサトリの作った「運命改変装置」によるものではなく、主人公の能力によるもの。

主人公は「脳が機能を停止しても意識を保つことのできる」不死身の肉体の持ち主。
彼の意識=心は、彼の肉体の外にあるのだ。
彼は肉体の一部を物理的に世界と同化させる(ことを観測する)ことで、精神的にも世界と同化できるようになった。
だから宇宙のどこかを飛んでいる過去も観測できるし、その観測結果によって世界を変えることだってできる。
(この要素は、たぶんなつくるとリンクしている。光人間的な意味で)

そして、主人公は闘争が終わる日の歩に――一緒に死のう、そう誘う歩に言うのだ。

「僕らは後悔する。だけど後悔して生きて行かないか?」
「いいか、よく聞けよ。どんなにつらくても僕らには――ラブコメがある」


このゲームをやってない人にはまるで意味不明なセリフだろう。
これほどまでに頭が悪そうなセリフで、しかしあれほど感動的なシーンが存在できるこの世界の可能性に、私は震えた。
そう、愛とは育むものであり、恋に努力してこそラブコメが成立するのだ。

「僕らがちゃんと生きていくにはラブコメが必要なんだ。好きであることに努力できたら、きっと乗り越えられる」


このセリフの正しさは、これまでの歩ちゃんが証明している。
主人公に女の子として意識してもらいたいがためだけに、マンコを見せることを決意してノーパン登校を決行した歩ちゃんが!
なのに主人公には見せられないまま、なぜかさおりんにびしょ濡れマンコを見られてしまった歩ちゃんが!
そして、まんチラどころかぱいチラまですることになってしまった歩ちゃんが!
嗚呼――過去にこれほど身体を張ったギャルゲーヒロインがいただろうか?

そして、ループから抜け出したルルランで、今の歩ちゃんなら、笑顔で言えるはずなのだ。

「ホント、ラブコメって地獄だわ」


---

歩ちゃんが繰り広げてきた闘争のエピソードに興味があったけれど、そこは期待外れ。
けれど、歩ちゃんの感情がさらけ出される「いつ転向した?」からのくだりは神がかっている。
そして、個別ルート冒頭のノーパンエピソードはマジでヤバスギですね!?

なぜループから脱出できたのかは、次回以降にわかるはず。たぶん。
次回、柚月ルート。
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あきゆめくくる

あきゆめくくる みはやルート

2016年12月枠その1は、「あきゆめくくる」をチョイス。
☆4「はるまで、くるる。」、☆3「なつくもゆるる」をリリースしている、すみっこソフト四季シリーズ第三弾です。

すみっこソフトは、毎回SF色の強いストーリーを採用してくる。
そっち方面にあまり強くない私は、特に難解だった前作・なつくるの感想に「SF要素がないキャラゲーだったとしても、評価は変わらなかった」とか書いた気がする。
そんな今作こそ、満を持してのラブコメ(量子力学的)なのだから、もうやらないわけがないよね!

……か、勘違いしないでよね? 別に私はすみっこファンなんかじゃないんだから!
このブランドのシナリオライターをちょっといいなって思ってるだけなんだからっ!
ギャグシーンから才能がほとばしってるなって思ってるだけなんだからぁっ!!

---

「あの青いのは、人間の可能性の残骸。
 量子爆弾は可能性を壊す爆弾だわ。
 可能性を殺されたから、この街は同じことを繰り返すことしかできなくなったのよ。つまり、ループしている、ということね」
「それじゃ、僕達もループに巻き込まれることになるのか?」
「違うわ。だって、わたし達は可能性を奪われてはいないのだから。
 まぁ、わたし達は可能性を奪われたわけだけど、そういう次元の話ではないわ」


時は近未来。
遺伝子操作によって人間離れした能力を持つ(持たされた)主人公とヒロインたちは、政府によって閉鎖都市ルルランに隔離されることになった。

ルルランは量子爆弾の誤爆により、可能性が死んだ街。
主人公たちの他には、ワスプと呼ばれる人間の可能性の残骸が、ひたすらに同じ一日をループし続けているのだ。

そんな狂った街で、量子的に可能性を殺された人間を救うために、社会的に可能性を殺された主人公たちはラブコメをはじめるのだった!

---

とりあえずは、サブヒロイン枠な妹様・原島みはや嬢を攻略。
妹スキーな私は、今まで結構な数の妹さんたちと仲良くしてきたと思うけれど、その中でもこの妹はとびきりだ。
とびきり狂ってやがる。
どういう生き方をしてきたら、ここまでブラコンをこじらせてしまうんだろう?

残念ながら、そのあたりの詳しいエピソードが語られることはない。
いろんな状況から浮き彫りにはしてくるのだけれどね。
そして、妹ちゃんとの日常シーンもないので、主人公と妹とが想いを通わせるシーンに、やや説得力が欠けていたような。
とは言え、こんな妹ちゃんに日常的に絡まれていたらとてもマトモなギャルゲーになるとは思えないので、もうどうしようもないですね?

まさに天災。
そんな形容がふさわしい、疾風怒濤な妹ルートでした。

次回、歩ルート。
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あきゆめくくる

Re:LieF ~親愛なるあなたへ~ まとめ

シナリオ

取返しのつかないことは、たしかにある――
フラテルニテ」のレビューに、私はそう書いた。
しかし、どんなことも一つの間違いのせいでいきなり「手遅れ」になってしまうわけではない。
多くの場合、ミスにミスが重なって分水嶺を越えてしまい、取り返しがつかなくなってしまうのだ。

この物語のテーマは、「取り返しのつかないことになる前に、やり直す方法」だ。

結局のところ、これは私が私をどこまで信じているのかという、信頼性の問題なのだ。
私は友達を作るより先に、自分との信頼関係を築けるようにならなければいけない。


人生につまづき、立ち止まってしまった人の抱える問題は、つまりはこれだ。
反省はした。練習もしたし、もう二度と同じ失敗は繰り返さないと誓った。
それでも新しい一歩を踏み出すことができないのは、「自分は変わったと信じている自分自身が信じられないから」だ。

そんな痛がりで臆病な私たちが、自分を信じるために必要なもの。
ユウが女の子のすべてをかけて、主人公にわかってほしかったこと。
日向子は、それをこう言った。

「司くんに必要だったのは、司くんが安心して過ごせる、居場所だったんだ」


それは幻想の箱庭かもしれない。
優しい女の子の腕の中かもしれない。
傷ついた羽を休め、再び間違ってしまうかもしれない私たちを赦してくれる存在。
愚かな私たちがこの世界で自分らしく生きていくのに本当に必要なのは、そういうものなのだ。

「プレッシャーをかけるつもりはない。無理だってしてほしくない。それでももし、選択に勇気が必要だというのなら、ボクらはいくらだって君をサポートしてあげたいんだ」


---

テーマははっきりしているけれど、それを落とし込む世界観の練り込み方にやや不満が残る。
粗探しをするつもりはないけれど、個人的には「人間とAIとの恋について」というような切り口から、「人間とAIとの違い」ひいては「人間とは何か」というようなお話がほしかった。
私としては、アイとユウが、トトみたいな端末で主人公と一緒に生きていくエンディングがよかったかなーって思うのですが!

テキスト

特にプロローグの日向子視点がすばらしい。
あのエピソードだけなら、☆5評価をつけたいくらい。

視点が主人公になってからはやや曇ったものの、それでも地の文は洗練されてると思う。
「銀の弾丸」のセンスは好きです!

トゥルーエンドの過去回想が読みやすかったのも評価できる。
だいたい回想シーンってダレるものだからね。
なのに、響子とアルファのエピソードは、かなり読ませに来ていた。

ギャグシーンはあまりなかったものの、笑わせに来ているシーンで滑っているものがなかったのはGOOD。
日向子ルートのパンツにまつわるエピソードはピカイチ。

グラフィック

2016年のギャルゲーで一番かもしれない美麗さ。
(FLOWERSはまだやってないので!)

女の子の描き方については下のHシーンの項目に譲るとして、背景の書き込みがパないことには触れておきたい。
「高台から街を見渡す」というシーンってけっこうあるけど、その遠景が一枚絵になることってあんまりない。
たぶん、描くのがすごく大変だからだと思う。
けれど、今作では(そのシーンがこの作品において象徴的な部分を占めているせいもあってか)その一枚絵がきちんと存在するのだ。
あとは島の全体像とかね、そういう細かな作業が光るグラフィックになっている。

Hシーン

各ヒロインごと、2H4CGずつ。
アイルートだけは(ヒロインが二人いたせいか)4H8CG。
全100CGというボリュームから比べると、かなり少な目か。

女の子の可愛さはもちろん、特に写実的な塗りがすばらしい。
微妙な陰影を描く女の子のお腹の起伏具合が、なんともそそりますよ!
そうです、私はお腹フェチなんです!
ユウの騎乗位シーンとか、ヤバスギですね!?

ただ、構図がちょっと斬新なものが多かったような……?
特に流花のシーン。巨乳キャラなはずなのに、彼女のおっぱいが強調されたシーンがなかったのはちょっと寂しいかも。

テキストがあっさり気味なのも、ちょっと残念。
女の子がピー音の入るようなセリフを言うこともなく。
「心を通わせた結果としての儀式」としての体裁が強かったような気がします。
なのに、この画力だからねぇ……なんだかとっても悔しい気持ちです。

音楽・ムービー

BGMがとてもよい。
特に、インストものの完成度が高い。

ボーカル曲は私の趣味とはちょっと違ったですかね。
ただ、OPムービーがとてもよかったことは記録しておきます。
こちらも、10月発売枠その1「空のつくりかた」に並んで、ベストOP集に入る出来でした。

システム

システムは必要最小限。
バックログジャンプがないと不満になってきちゃったのは、ちょっと贅沢なんでしょうか?
あと、ロードするとバックログが全部消えるのも、少し残念かも。

総評

「……君は、あの日、小さな弾丸を手に入れて。引き金を引こうと、必死に必死にあがいてた」
「もっともその引き金は、不運な事故で邪魔されたけど」
「でも、だからこそボクは、ボクたちは、君にこう告げるんだ」
「試してみるんだ、もう一度」
「そこにはきっと、新しい世界が待っているはずだから」


私たちが無意識のうちに本当に求めているものを浮き彫りにしてくれる作品。

問題は、私たちの生きているこのクソみたいな世界に、そんな優しい場所がどこにもないことなわけで。
私の味方になってくれる女の子なんていないし、失敗したらそれでおしまい。
そう、だからこそ私はギャルゲーをやるんです!

究極の癒し系ゲーム・レリーフ。
佳作★4つ、批評空間ベースで80点評価です。
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Re:LieF

Re:LieF ~親愛なるあなたへ~ アイルート

4人目のヒロイン、アイちゃんを攻略して、レリーフ終了です。
一応アイルートではあるけれど、ユウとのハーレムエンドと言ってもいいのかも?
ちなみに私はユウちゃん派です!

アイのCVは奥山歩、ユウのCVは涼貴涼。
どちらも同人や抜きゲーに多く出ているマイナーな声優さんかも。
アイちゃんの演技には、ちょっとキレが足りなかったような気も。
ユウちゃんは声に感情の乗らないキャラだったので、よく似合っていたと思います!

---

今まで出てきた謎(無人の第二地区、散らない桜、NPCっぽい街の人たち、等々)は、やはりこの御雲島が「仮想現実」だったせい。
事故に遭い、肉体的にも精神的にも死にかけていた主人公を救うために、この世界は用意されていたのだ。
そして、謎の白い女の子の一人・ユウは、その世界の管理権限を持つAIであり、アイはユウの複製、すなわち妹だった。

ドロップアウトした人たちの社会復帰を目指すための「トライメント計画」だったが、管理者であるユウは、主人公を現実に戻したくないと考えていた。
現実とは理不尽で、不合理で、主人公が生きられる世界ではないと思っていたから。

ももルートでは、その「AIの反乱」をももが止めようとするエンディング。
しかし、主人公の持病と事故の後遺症とのせいか、まだ現実に戻るだけの「一歩」を踏み出すことはできなかった――と、こんなお話のようだ。

流花ルートも、おそらくは似たような感じ。
流花たちは現実には帰ってこられたけれど、昏睡状態の主人公が覚醒するには至らず――といった感じかな。

日向子ルートでは、主人公も戻ってこられたような描写はあった。
ただ、それは「仮面」をかぶったままの主人公のはず。
どちらかと言えば、日向子が救われる、本当の意味での「日向子ルート」だったような気がする。

---

「新田くんは、強いから。困難にだって虚勢を張って、仮面をかぶって、私たちにできないことを成し遂げちゃう」
「でもね、それでは誰も救われないんだ。虚勢を張って、仮面をかぶった新田くんに無理をさせることを、今の私たちは望まない」
「かつてのあなたなら、それを平然と成し遂げた。でも、今は迷いがある。そうだよね?」
「一歩を踏み出す勇気っていうのは、踏み出す先が見えていればこその勇気なんだよ。ただ闇雲に、自分の足元さえ見えないままに踏み出す一歩は、勇気じゃなくて蛮勇だ」
「だから過去を思い出した新田くんがかつては踏み出せた一歩目を躊躇するのは、きっと正しいことなんだと。少なくとも私は、そう思ってる」


アイルートは、記憶を取り戻し「弱い自分」を取り戻した主人公が、本当の意味で自分の一歩を選択する話になる。
ざっくり言ってしまえば、過去に果たせなかった、新しい一歩を踏み出すための「約束」を果たすことが、勇気に変わる――そんなストーリーだ。

もはや母性と呼びたくなるほどの無条件なユウの優しさと、恋に焦がれる女の子しちゃってるアイの純粋さは、さすがギャルゲーって感じですね!
ピアノの演奏シーンもよかったし、ビジュアル面がとっても贅沢。

ただ、どうせ「結ばれない恋」エンドにするのなら、「機械が感情を持つ」ということについてもっと掘り下げちゃって、「人間とAIの切ない恋」っぽさを出してほしかったかなぁって思わなくもない。
だって、人だけがいない街でのユウちゃんとの蜜月が、私にとってのハッピーエンドだったんだよ?
なのに、あれってばなんだかなかったことになっちゃってたっぽかったし?
しれっとアイちゃんと付き合いはじめるし、ユウちゃんとエッチした主人公はどこにいったのさ!
私がユウちゃんなら、そりゃもう世界を滅ぼす勢いですよ?
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Re:LieF

Re:LieF ~親愛なるあなたへ~ 日向子ルート

レリーフ、3ルート目は正統派美少女ヒロイン、箒木日向子嬢を攻略です。
読みは「ははきぎ ひなこ」さんですね!
変わった名前の多い二次元ヒロインの中でも、特に珍しい苗字の女の子かも。

CVは、葵ゆり。
ブランド初作品なせいか、新人声優の起用率が高いのもこのゲームの特徴かも。
ぶりっ子寄りな演技には好き嫌いありそうではあるけれど、私はいいと思いますよ!

---

「自分は何者なのか。何を求めて、何ができるのか」

進学、就職、転職、人生の分岐点を思ったときに誰もが一度は感じるであろう「将来に対するぼんやりとした不安」。
日向子ルートでは、その普遍的な問いかけに、一つの答えを出している。

「個性」と「協調性」を同時に求められるこの矛盾した社会で、私たちは「出る杭となって打たれないような」「やりたいこと」を見つけなければならないと考えてしまう。
あなたに確固たる将来の夢があって、それに向かって着実に歩んでいるのなら、この社会はさほど悪いものではないのだろう。
けれど、「思ってたのとは違う気もするけど、とりあえず今はこんな感じで……」と、妥協点を探って生きている人のほうがよほど多い気がする。
(実際、私の知り合いの正社員に、定年までそこに勤め続ける意志を持っている人間はゼロだった)

日向子も「やりたいこと」の見つけられない人間だった。
人生への目的意識が希薄だから、壁にぶつかったときに壊れてしまったのだ。
その話を聞いた主人公は、日向子に親近感を抱く。

しかし、日向子にはいつしか「将来の夢」ができ、それに向かって歩みはじめる。
そんな彼女を見て、主人公は一人取り残されたように感じ、ひどく焦る。
夢はどうやったら見つけられる?
このままモラトリアムを過ごした後、自分は何者になれるのだろう?
そう弱音を吐露する主人公に、日向子はこう言うのだ。

「私ね、紗希ちゃんと出会って、斉藤さんに出会って、みんなと出会って、変わっていったの」
「それで、やっと居場所を見つけることができた」
「居場所ができたから安心できて、ようやく自分のことを見直せたんだよ」
「だから……今度はわたしが司くんのそんな居場所になってあげたい」


---

主人公は「好きな人を幸せにする」という目的を見つける。
その芯の通った意志と、安心できる居場所があってこそ、目的を達成する手段を知ろうとする余裕ができる――
このシナリオは、そう言っている。

このメッセージ性そのものは、特異なものではないと思う。
実際、職場や仕事内容に不満があっても、「妻子のため」という目的のために手段を犠牲にしている人は数多いのだから。

しかし、弱音を吐いた主人公を抱きしめる日向子ちゃんの包容力こそが、このシナリオのメインだ。
久々に、正しい意味での癒し系ヒロインに出会った気がします!

「司くん、なにがあっても大丈夫だからね」


---

さて、ミリャちゃんとのあれこれについては……ごめんなさい、ちょっとよくわかんなかったです。
この件については、アイルートに持ち越しってことで……。

ただ、ミリャちゃんのパンツをギッたところからの、日向子さんにパンツをもらっちゃうあたりは輝いていた。
え、っていうか、女の子って普通ああいう流れでパンツくれたりするものなのかな? かな??
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Re:LieF

Re:LieF ~親愛なるあなたへ~ 流花ルート

レリーフ、2ルート目は姉御肌な年上キャラ、大舘流花嬢を攻略。
しかしまぁ、モニターの向こうの「お姉さん」や「先輩」も、気付けばみんな私より年下なんだよなぁ……。
あ、私は永遠の17歳だった!(それでも18禁ゲームをやります!)

CVは、藤川なつ。
売り出し中の声優さんなのかな?
個人的には好きでも嫌いでもない声だけど、流花のキャラクターには似合っている。
Hシーンにやや不安を感じるよーな気がしなくもない?

---

流花ルートは、同じ資格試験を目指しているうちに、自然に距離が縮まって恋人関係になっちゃうお話。
その後の「転」の部分は、ももルートよりも物語の核心に迫る内容になっていた。
(適当に選んだ攻略順、合ってたみたい。これがギャルゲーマーとしての私のセンス!)

なぜか欠落していた主人公の記憶だけれど、彼の母親もまた人工知能研究の大御所だったらしい。
そのお母さんとAIが、このトライメント計画に大きく関わっていたようだ。
しかし、そのAIに事故が起きたらしく、(なぜか)記憶を取り戻した主人公は、自らの存在理由をそこに見つけるのだ。

---

ももルートにおいて、ももちゃんが決断した「やるべきこと」も、まさにこれだったわけだね。
伏線として重要だったのは「無人の第二地区」だったという。

どうやら主人公は自分を犠牲にすることで事故による被害を最小限に抑えられたようである。
その結果、主人公は(今度こそ本当に)昏睡状態に陥っていた。

しかし、ももちゃんが同じプロセスを踏んでいたなら……。
醒めない夢と、来ない待ち人。
あのお話は思っていた以上にバッドエンド寄りっぽいですね?
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Re:LieF

Re:LieF ~親愛なるあなたへ~ ももルート

レリーフ、1ルート目は天才系ロリっ娘な、ももちゃんを攻略。
苗字を呼ぶと怒るので、ここでは省いておきますね!
どうやら重度のケルベロサー(ケルベロスが好きな人のこと)らしい。
世の中にはいろんな人がいるものですねえ……。

CVは、綾瀬あかり。
「死に逝く君、館に芽吹く憎悪」のぐう畜夏花ちゃんの声優さんらしい。
つるペタキャラに似合うアニメ声な演技でした。

---

ももちゃんルートは、人工知能の分野で有名な研究者であるらしい彼女の作品「トト」に関するお話。

しかし、なにがなんだかよくわからないうちにお話が終わってしまった。
最初から攻略できる3ヒロインルートが伏線で、ラストのトゥルーでみんな回収してくるパターンっぽい。
今のところの謎は、「主人公の記憶混濁」「というか、もう死んでる?」「街の人たちはNPC?」「感情を持つ人工知能」「つーか、トトが人間になってた!」あたり。

この世界は、死後の世界だとか、昏睡状態の夢とか、そういうアレなのかもしれない。
現実じゃないなら、トトのこととか、アイのいた廃墟のこととか、いろいろ辻褄が合う。
しかし、そうするとヒロイン含めたほかの登場人物たちの生死もアヤシクなってきてしまうのだけど……。

今のところ一番納得できるのは、トライメント計画が「事故や自殺未遂の結果、昏睡状態から醒めようとしない人たちの精神を救済するための仮想現実」という説。
ももは、現実では成せなかった「人工知能・トトを完成させる」という生きる目的を見つけた結果、夢から醒めていくという。
しかしそうなると、夢に取り残された主人公にとっては、ほとんどバッドエンドみたいなもののような……。

---

ところで、案の定HCGは非常に良いのですが、テキストがあまりにあっさりじゃないですか?
もっと絵柄みたくドロドロのグチャグチャにやっちゃいましょうよ! ねえ?
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Re:LieF

Re:LieF ~親愛なるあなたへ~ プロローグ

2016年10月枠その2は、「Re:Lief」をプレイ。
(今さらとか言わないで! ここで11月枠をプレイしちゃうと、完全に積みゲーになってたし!)

選んだ理由は、①「OPがすてき」、②「絵柄(特にHCG)が好き」、③「テキストがいいと聞いたから」の3点。

---

社会生活で挫折したりうまく適合できなかったりした人たちに、もう一度学園生活を体験させることで、再び社会へと踏み出すきっかけを提供する公的事業――トライメント計画。
物語の舞台は、外界と隔絶された小島で行われる学園での寮生活である。
世界観のわかりやすい例として、物語の導入は、ヒロインの一人・箒木日向子の主観によってなされる。

高卒で就職したものの、度重なるパワハラにより、心が壊れるほど追い込まれてしまった彼女。
大きなプレゼンでの失敗がトラウマとなり、入学時の自己紹介で気絶してしまうほど心に傷を負っていた彼女が、その痛みを乗り越え、一歩を踏み出すまでが、プロローグとなる。

――と、あらすじだけ書いてしまうと、平凡なストーリーではある。
けれど、その「どこにでもあるお話」に説得力を持たせてオチをつけるテキストには、ただならない力を感じる。

たしかに、ブラック企業が存在する社会が悪いのかもしれないし、それを取り締まりきれない政治が悪いのかもしれない。
それだって間違いではないのだろうけれど、では「なぜそういった環境に身を置き続け、自分自身を守ることができなかったのか」という問いに答えなければ、同じ過ちを繰り返しかねない。

同じような体験を持つ友達と傷を舐めあうわけでもなく、他の成功体験で自信を取り戻して過去の傷を癒すわけでもない。
自分自身と向き合い、なにかを変えていかなければならないのだ。
彼女がそれに気づく「卒業アルバム」のエピソードは、私の心をえぐるようでもあった。

---

……私が恐れているのは何なのだろうと、あれからずっと考えていた。
失敗が怖い?
みんなに白い目で見られるのが怖い?
失敗したって死にはしないと、大舘さんはよく言っていた。
それはそうだ。この学園は、そういった失敗から生徒を守るためのものでもある。
では、何が?
そう自問して、気付く。
私は、「あのときの私」に戻りたくないのだ。
ボタンを掛け違えたまま、がたんごとんと電車に揺られ、罵倒とプレッシャーと残業にまみれたあの日々に。
私にとって、プレゼンの失敗はその象徴だ。
目的を持たない無味乾燥な歯車が、ぽきりと折れたそのきっかけ。
……だから私が立ち向かう先は、「あのときの私」そのものだった。
まるで失敗したらそのまま、またあの日々に戻されてしまうのではないかという、荒唐無稽な恐怖感。
胸の奥から湧き上がるその嫌悪感は、過去の自分に対する今の自分の感情そのものだ。
私はそれを否定せず、受け入れてなお、一歩、前に進まねばならない。


そうして行われる彼女の「二度目の自己紹介」は、控えめに言って、とても心に響くものになっていた。
このシナリオライターは、ちょっとただ者じゃないよ!

「……当時の私は、何も持っていませんでした」
「目的も、矜持も、信念も。何一つ持っていなくて、けれど歯車になるだけの胆力もなくて、だから私は壊れてしまった」
「たぶん、ここに居る人の中には、私と似た経験をした人も、私よりずっと大変な経験をした人もいると思います」
「それを比べることはしませんし、できないでしょう。でも、だからこそ、私はみなさんとお話したいし、みなさんのお話もお聞きしたい」
「自分は何者なのか。何を求めて、何ができるのか。少なくとも私は、それを探すためにここに来ました」
「それを持っている人は、参考までに教えてほしい。同じものを探している人は、一緒に探しにいきましょう」
「私はこの、2度目の学園生活という不思議で特殊で、とても大事なこの機会を決して無駄にはしたくありません」
「このトライメント計画で、一緒のクラスになったというのも何かの縁です。ほんの1年間ではありますが、精一杯頑張りますので、みなさん、どうぞよろしくお願いします」

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Re:LieF

空のつくりかた -under the same sky, over the rainbow- まとめ

※この総評記事は、「和葉」「ハル」ルートのみプレイ後のものとなります。

シナリオ

選ばれし者系・探偵な主人公が、街のボスな吸血鬼やマフィアたちと渡り合いながらヒロインたちの問題を解決していく、サスペンス風味なシナリオ。

このシナリオの問題点は、「伏線の薄さ」にある。
この問題が一番わかりやすいのが、仰々しい副題までついた「空のつくりかた」というタイトルについて。
舞台となっているのは、一年を通して曇り空な、青空の見えない街。
メインシナリオとも言えるハルルートの山場を経て、街には青空が広がるようになる。

しかし、「雲が晴れたときのカタルシス」が、「青空ってきれいだよね~」しかないのだ。
私なら、物語序盤に青空にまつわる昔話などを伏線としておいて、同時にそれを回収するような構成にする。
(たとえば、青空に浮かぶ月に祈りをささげると願いが叶う伝説があるとか、晴れた日にホウキに乗って飛んできた魔女が街を救った伝説があるとか?)

平たく言えば、別に街が雲に覆われている必要なんかなかったし、別にハッピーエンドになったからって青空が広がる必要もなかったのだ。
こういった場当たり的なストーリー構成は随所に見られ、このシナリオの完成度を著しく引き下げているような気がする。

主人公が探偵だと言うのに、謎解きミステリー要素がほとんどないのも残念。
このあたりは、カルタグラシリーズを見習っていただきたい。

テキスト

平凡ではあるけれど、おおむね読みやすい。
各章ごとに「次回予告」が入るのは、新しい試み。
これはとてもよいと思います!

キャラクター・グラフィック

上々。
COSMIC CUTEのゲームは、いつもキャラクターがかわいい。

ただし、オズニアさんとイチャイチャできるサブルートがなかったのは減点ですねえ(真顔)

Hシーン

実用。
一枚絵もエロいし、セリフもエロい。
エッチなセリフが好きな人にはなかなかハマったんじゃないでしょーか!

音楽・システム

OPムービーが、この作品で一番完成度が高い。
これはベストOP集に間違いなく入る出来。
(OP詐欺という噂も……?)

次点が、インターフェースのデザイン。
曇り空が多い暗めの背景に、色鮮やかな虹色の配色は、とてもポップでキャッチーですね!
私はこういうのとても好きです。

BGMも私好みなセンス。
HシーンのBGMがとてもよいとか、なかなか珍しいゲームになっていました。

総評

2016年10月発売枠、その1。
ローファンタジーなシナリオゲー風味のキャラゲー。
可愛いヒロインたちとの日常シーンが好物なひとにはオススメです。
あんまりシナリオを重視すると、ちょっと肩透かしを食うかも。

私の評価は★2つ、普通のギャルゲーでした。
このブランドから次回作が出たときは……しばらく様子を見てからにしようと思います。
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