STEINS;GATE Cp.9

Cp.9 無限連鎖のアポトーシス

ルカ子が男だった世界線。IBN5100は、そこでもオカリンの手をすり抜けていく。
ならば――と、まゆりを殺した「敵」、桐生萌郁を訪ねる。
萌郁が送ったDメールは、萌郁自身のケータイから送られていたからだ。
しかし、萌郁のアパートでは、萌郁が自殺していた。彼女の死は「世界から承認」されていたのだ。

タイムリープした先にいた萌郁は、ラウンダーの上司――FBから見捨てられ、廃人のようだった。
オカリンは、萌郁の送ったDメールが「ケータイの機種変更について」ではなく「IBN5100の在り処について」であることに気づく。
そして、そのDメールを打ち消すには、FBからの指示でないと難しいと思われた。
オカリンは、敵ではありながらも「FBと直接会う」という共通の目的の前に、萌郁と協力することにする。

IBN5100の受け渡しの足取りを追った結果、FBの正体がミスターブラウンであることを突き止める。
ブラウンは「役目を終えたラウンダーは始末される」と言いながらも萌郁を殺さず、自殺する。
しかし、世界から承認された萌郁の死は、ブラウンの娘・綯によって遂行される。

この世界線において、成長した天王寺綯はラウンダーに入り、15年後、オカリンを殺す。
それは鈴羽が言っていた通りの、世界に承認されたオカリンの死でもある。
そして、5000回以上のタイムリープを経て2010年に戻り、萌郁を殺すのだ。

このアトラクタフィールドにいる限り、結末は収束する。
一度歪めた因果のせいで、様々な人間の人生が狂い、悲しみは連鎖していく。
オカリンは、自分が変えた過去をすべて元に戻すことを誓い、萌郁のDメールを打ち消すのだった。

「メーターの数値が1%を超えたとき、君はβ世界線にたどり着いたことになる」
「1%を突破さえできたら……椎名まゆりは、助けられるっていうこと」


しかし、その先に待っているのは――



勘のいい(あるいはマメな)諸氏なら、3章(あるいは6章)で気づくことができる「結末」が、ここで明らかになる。
ジョン・タイターは、メールで「ダイバージェンスが1を超えると、ディストピアの誕生を防ぐことが出来、世界は救われる」と言っていた。
プロローグの「ラジ館で牧瀬紅莉栖が殺された」世界線は、ダイバージェンス1.130426%の、β世界線だった。
オカリンは、そこを目指していたのだ。

今まで「まゆりの命」と天秤にかけたのは、「鈴羽との想い出」「フェイリスパパの命」「ルカ子の性別」だった。
そして、これから「まゆりの命」と「紅莉栖の命」を天秤にかけなければいけなくなる。
まゆりの死という状況が物語の「転」に当たるかと思いきや、その先にもう一つ転落が待っているのだ。
このすばらしい構成が、この作品が神ゲーな所以の半分くらいを占めている。

そして、この推理可能なギミックは、萌郁のDメールにも言えること。
たしかに、そのDメールを送って以降、萌郁が登場する機会は数えるほどしかない。
が、そのシーンのすべてにおいて、萌郁はあの紫色のケータイを持っているのだ。

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この章のサスペンス具合は、まゆりの死を回避しようとする6章と並ぶほど。
そしてこのお話は、綯ルートと言っていいほど、彼女の存在感が大きい。
バタフライ効果のすさまじさと、軽い気持ちで行った過去改変の重さを再び見せつけられるのだから。
天真爛漫なロリっ娘だったはずの綯ちゃんの豹変っぷりったら、もう……。
ただ、欲を言うなら、一枚絵はオカリンに切りかかるシーンじゃなくて、萌郁を刺すシーンに欲しかったかなーって。

あとは、IBN5100が回収されるタイミングが都合よすぎるかなーと思わないでもない。
だって、8月1日くらいに手に入れたのに、2週間近くコインロッカーに置きっぱだったんでしょう?
普通ならそんな危ないことしないよね。管理会社に回収されちゃうかもだし。
それとも、これもシュタインズゲートの選択なのか。
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