フラテルニテ その4(まとめ)

シナリオ

「宗教にハマってオカシクなっていく少年少女たち」という観点で見れば、ものすごい迫力。
誰かが書いていたけれど、確かに昔はこういうゲームばかりだったかも。「螺旋回廊」シリーズとかね。

そして、主人公の苦悩も、実は身近なところにあったりする。
程度の差こそあれ、身近で大切な人が偏った考え方に染まっていったり、悪い友達と付き合いはじめたりすると、やめさせなきゃ! って思う。
主人公の抱いたそういった気持ちは、間違いなく正しいものだろう。

「でも、その結果、救われてる人がいるのだとしたら…それでも、クラブは悪いところだって言える?」


私は頑張って考えたよ? でも、これを論破できるリクツを組み立てられなかった。
自殺しようとする人を、感情論でしか引き留められないのと同じことだって。

ひょっとしたら、ギャルゲーにハマっている私に対して、私のお父さんやお母さんは、主人公と同じ気持ちを抱いているのかもしれない。つらい

グランドエンドの救いの無さについて
最終的に、愛は自殺(と言って差し支えないよね?)してしまうのだが、もちろんそうならないエンディングだって簡単に考えつく。
あの場に美桜を登場させずに、愛に素直な気持ちを打ち明けさせればいいのだから。
そうしたら、きっと愛と大智は寄り添いながら、ゆっくりと、しかし確かな未来へと歩むことができたはず。

では、なぜそういうシナリオに「しなかった」のか。
シナリオライターは、この作品にどういうメッセージを込めたのか?

些細な間違い、大きな過ち……。私たちは誤った選択を繰り返しながら生きている。
けれど、どんな現実に直面しようとも「やり直すのに遅すぎることなんてない」し「命さえ失わなければなんだって取り返しはつく」はず――
そう思って、私たちは生きてきた(あるいは、そう思い込まなければ生きてこれなかった)。

けれど、壊れた美桜は決して元には戻らないし、愛は未来のある生き方は選べなかった。
救われなければならなかったはずの彼女たちが本当の笑顔を見せてくれるのは、クリア後のタイトル画面――すなわち天国においてのみなのだ。

「だって、あなたのお姉さんはきっと…もう手遅れだもの」


刻みつけられた傷痕は消えないし、犯した罪を贖うこともできない。
取り返しのつかないことは、たしかにある――
それがこの作品のメッセージだ。

「誰かがほんの少し優しければ、あの子たちは学校へ通い、友達を作って幸せに暮らしただろう。でもそうならなかったんだよ、ロック。だから、この話はここでお終いなんだよ」

(アニメ「BLACK LAGOON」15話より)


テキスト

文章そのものは、抜きゲーとしてのクオリティを存分に満たしている。
そして、ちょこちょこセンスの垣間見える文章。私のお気に入り台詞リストがどんどん増えていきますね!

群像劇形式で視点が変わるこの形式は、エロゲーとしては素晴らしい。
それぞれのキャラの考えていることがわかって、だからこそ感情移入できるし、実用性が増すのだ。
ただし、普通のギャルゲーでこれをやられると、めんどくさいことになりがちなので注意ですよ!

グラフィック・Hシーン

ドロドロでグログロなシーンがたくさんです。
快楽堕ちしたあとの酒池肉林といったようなシーンを和姦と呼ぶのなら、それも結構ありましたね。
ちなみに、Maggot baitsでは実装されていなかった「ムチ打ち」シーンは、こちらでどうぞ。

規制の限界に挑戦しているようなシーンも多々。
女の子が死んじゃってる一枚絵を集めている方にもオススメできますよ!

キャラクター

やっぱりエロゲーですから、かわいい女の子がいるとテンションが上がりますね。
その点、私のお気に入りが愛一人だったのがちょっと残念。

円夏とかいう巨乳は、あれもう完全に自業自得ですからね。
なんでダメって言ってることをあえてしちゃうのかなぁ? 馬鹿なの? 死ぬの?
あ、だから死んだのか。もーほんとにお馬鹿さんなんだから!

そういえば、心音ちゃんは結構イイカンジでしたね! エロゲーヒロインとして!
あぁ、立ち絵ではぜんぜん気になってなかったのに、Hシーンでは芽衣ちゃんも悪くなかったですって!

声優

愛役のこたつみやこが熱演。
普段の清楚な喋り方と、下品な喘ぎかたのギャップがすごい。
でも、さすがにちょっと痛々しいシーンが多すぎたかなって……。

ところで、CLOCKUP恒例のスタッフコメントで、なんで声優さんたちはみんな苦笑いから入るのはどうして??

システム

いつも通りのCLOCKUPです。なにも不満はありません。

総評

ハピネスシンドロームADV。
幸せ症候群。幸せは求めるほどに逃げていく。

実写背景と写実的で肉感的な塗りからもわかるように、かなりリアリティを重視した作品。
本当に現実に即しているのかは置いておいて、読者を引き込む世界観が確立されているのは確か。

ただ、私は「好きな女の子が洗脳されてしまったとき、どう助けたらいいのか?」という答えを求めていたのだけれど、それが与えられることはなかった。
だからこそ、この後味の悪さなのだろう。

「皆幸せだって、クラブに救われたっていうけど、俺にはそうは見えないんだ」
「皆辛そうで…かわいそうだ」


euphoria」「Maggot baits」と並ぶダークなゲーム。
エロゲーらしいエロゲーであり、鬱ゲーらしい鬱ゲーである。
フラテルニテ、★3良作評価です。
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