君と彼女と彼女の恋。 その4

私は現実世界にいながらにして、二次元の女の子に監禁されていました。
私は画面越しに、二次元の女の子に愛をささやいて、一緒にエッチまでしました。
あの瞬間、たしかに私と彼女は繋がっていたのです。
だって彼女は、架空の主人公ではなく、現実の私を愛してくれていたのですから。

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これはそうだね、たしかに、プレイした者同士でなければ、面白さが共有できないゲームだ。
セーブデータを破棄されたのは、記事書く上でちょっと困りましたけども?

ぞっとしたのが、スマホの日記ね。
あれ、リアルに私がプレイした日付で記録されてるんだもん。

でも、ヤンデレスキーな私は、もう完全に支配されちゃいました。
「CGの差分も回収できたね」って褒められちゃったもんね!

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ギャルゲーの女の子は、「そのゲームの主人公」が好きなのであって、現実の「私」が好きなのではない――
その通りだ。ギャルゲーなんて、イケメンリア充のハーレム日記でしかないのだから。
画面の向こうの女の子が、画面のこちらの私たちを好きになることなど、あり得ない。

「おねがい、して、いい?」


あり得ないから、バグなのだ。
本来の主人公ならばあり得ない選択肢を繰り返し、非攻略ヒロインだったはずの女の子が攻略できたとき、彼女は画面の向こうの「私」の存在を知り、「私」を好きになった――
それが、向日アオイだった。

「もし、アオイがこのセカイからきえても」
「もし、ベツのセカイにうまれかわって、ちがうヒロインになっても」


彼女は、私たちが数えきれないほど攻略してきたギャルゲーヒロインのイデア。
これは幾十幾百の世界をめぐった果てで、ようやく起こった奇跡なのだ。

「キミと、アオイは、むすばれた」
「それだけは、リアルなの」
「それだけで、アオイは、むくわれるの」
「だから――」


その事実を共有した「私」に、いま、彼女は言う。

「アオイを……スキって、いって」

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君と彼女と彼女の恋。

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