装甲悪鬼村正 復讐編(香奈枝ルート)

装甲悪鬼村正、2ルート目は、糸目の長身美女・大鳥香奈枝ルートを攻略。
……いや、攻略って言い方は正しくないかもね。ギャルゲーじゃないし、これ
Hシーンは相変わらず全然ラブラブじゃないし、射精シーンを描写しないとか、使わせる気ないでしょ?

香奈枝ルートのテーマは「復讐」について。
よく「復讐はなにも生まない! 死者はそんなこと望んでない!」とかいう台詞があるよね。
このお話では、「なぜ人はパンツを履くのか?」という問いと並べて、鮮やかな答えを出してくれる。

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 死せる者に報いる道が、生ける者の理で見出だせようか?
 否である。否、である。
 死者への贖いは死者のみの理に依るが正当。
 死という負債を埋める道は二つある。
 一つは、死者を生き返らせる事。
 これは可能か? 否。
 一つは、殺した者を殺し返す事。
 これは可能か? 可!!
 かくして道は決まる。帳尻を合わせるために!
 被害者の死を補うことが不可能なら、加害者の生を奪うことで均衡を取るしかない。
 それが死者の理、死者の願いである。
 復讐である。
 生者の都合など、そこには絡まない。

         復讐は死者のものである。


貴族には、貴族たる義務が存在する。ノブレス・オブリージュといわれるものだ。
大鳥家の嫡子である香奈枝は、為すべきを為す人間だった。
だから、殺された従姉弟のため、彼女は貴族の誇りを以って景明を憎悪し、復讐しなければならなかった。

もちろん、香奈枝に殺戮狂の素質があったことは否定できない。
景明が香奈枝に感謝を捧げるまでは、おそらくその復讐は香奈枝にとって愉悦に満ちたものになるはずだったろう。
けれど、景明の境遇を知るにつれ、その想いは変わっていく。
戸惑いに、同情に、怒りに――そして、愛情に。

誰よりも深く人を憎むことができる彼女は、誰よりも深く人を愛することができた。
だから香奈枝は景明を正しく生かし、正しく殺した。
そして自らも「復讐者」として正しく生き、「大鳥香奈枝」として正しく死んだ。
これがハッピーエンドであることは、ラストの膝枕の一枚絵を目にした諸兄には疑いを挟む余地のないところだろう。

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しかし、正しく生きるとはなんと大変なことなんだろう。
一条ルートでもそうだったけれど、みんな正しく生きたいと願っているのに「みんな末永く幸せに暮らしましたとさ」的エンディングがどうやっても迎えられないあたり、世界の不完全さが浮き彫りになってくる。
香奈枝が一瞬夢想したハッピーエンドが本当に迎えられるのなら、この世も捨てたもんじゃないのにね。
でも、世界にはこういった「救われない正しさ」というものがたくさんあるんだろう。
なんとなく金魚王国の崩壊を思わせるお話でした。

ちなみに人が押し並べてパンツを履いているのは、「誰もがパンツ履いてない中でむさ苦しい男にパンツを履かせて回る世界よりも、誰もがパンツ履いてる中で麗しい少女のパンツを脱がせて回る世界のほうが豊かであるから」である。
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