なつくもゆるる まとめ

シナリオ

萌えゲーアワード2013、シナリオ賞、金賞作品。
「はるくる」と同列の、ひと味違ったループものだった。
練りこまれたSFシナリオと、臨場感あふれる戦闘シーンが特に評価されていたらしい。

たしかに戦闘シーンは悪くない。
そこに限らず、サスペンスシーンは全般的に臨場感にあふれていて、読者を惹きつけるものがあったと思う。

しかし、SF展開はちょっと、どうなんだろう……。
個人的には、マンイーターとクローズド・サークルという姫佳ルートの雰囲気が一番好きだった。
他人を自殺させる「悪魔」のくだりのりねルートも悪くなかった。
そこから先のトンデモ展開には、ちょっとついていけない。
「はるくる」のときもよくわからないリクツが繰り広げられていたけど、とても印象的なヒトコトがあったおかげで、私は救われていた。
だから☆4評価をつけたのだけれど、今作は私のような想像力の足りない人間にはハードルが高すぎたようです。

この「強くてニューゲーム」なループは、たしかに真新しくはあるけれど、せっかく今まで把握していた人間関係を一度壊してしまっているというデメリットもある。
だって、裏山でにゃんにゃんしないで、どうやって紫穂が懐いてくれるの? とかずっと考えてたし。
少しずつ変わっていくならいいけど、あそこまで変えられちゃうと、正直戸惑います。

さて、シナリオのもう一方のテーマに「心と体」というものがある。
私個人は、それらは全くの別物で「肉体というハードに精神というソフトが収まっている」、すなわち「心>体」と考えている。
けれど、このシナリオライターは「体があるから感情が生まれ、心がある」、すなわち「体>心」だと言うのだ。

思ってみれば、紫穂は最初から性欲という肉体に振り回されていたし、姫佳も「言葉より体を信用している」と言っていたし、特にユウリルートでのユウリと主人公の距離感に顕著にあらわれていた。
私たちの現実でもよくあることだけれど、一度身体を重ねてしまうと、いきなり距離感が縮まったり、なんでもなかった存在が途端に愛おしくなってきたりすることはある。

「体とはおもしろいものだな。あはっ。私は体の持つ力に、驚きっぱなしだ。
 お腹が減ると不機嫌になる。お腹がいっぱいだと上機嫌。眠くなると寝る以外の全てがどうでもよくなる。子宮がドキドキするとエッチなことがしたくなる。
 人間の感情はほとんど全部、体からはじまっているんだな。なかなか上手に制御できなくて困ったけど、今はこの体が愛おしいぞ」


エッチからはじまるアイもある。
なるほどなぁ、とても興味深い。

オススメ攻略順はなし。一本道なシナリオなので、自動的に決まります。

テキスト

なかなかに輝いている。
このままSF要素を排除して、ギャグゲーとしてもいけるレベル。
ちょっと一つの話題をこねくり過ぎかなーと思わないこともないけれど、これはこれでいいでしょう。

お気に入りは、りねルート冒頭の、主人公の写真でオナニーしていたことをごまかせなかったりね。
次点で、「ケッ、妹の前でかっこつけようとしやがって! 普段は語尾にチンポーンとつけて、喋るくせにチンポーン」。

ただ、パッチは最新のものを当てているはずなのに、誤字脱字が多いのが気になりました。

キャラクター

クーデレユウリちゃんはかわいい。
目玉が飛び出るほどかわいい子はいないものの、ハズレもいない。
あ、なるほど、私にもロリ入ってるから、ハズレがいないのか。

サブキャラである主人公の親友枠、三田舜がアタリだったか。
ヒロインが全員ロリなのに人妻専という安牌で、友情に篤く、ギャグが面白い。いい親友でした。

グラフィック

これは「はるくる」でもコメントしたけれど、立ち絵のバリエーションの多さが特筆に値する。
基本2種類に、腕のポーズがそれぞれ2種類ずつかな。
それが会話の途中でころころ動くので、まるでアニメーションみたい。
スクリプト組むのがものすごく大変だったろうなぁ、と思ってしまう。

グラフィックのクオリティ自体は普通(にかわいい)。

Hシーン

女の子からの「口説き文句」はとてもいいのに、シーンが全然使えない。
とはいえ、この作品でのHシーンのコンセプトが「女の子の吐息」なので、それが好きな人は、きっと耳が溶けてしまうに違いない。
私は「女の子のエッチな台詞」が好きな人なので、ちょっとハマりませんでした。

声優

全体アタリかな。ナイスキャストだったと思います。
お気に入りの声は、りね役木村あやか。

音楽・ムービー

オープニングムービーは、はるくるのほうが断然よかった。
全体の完成度は決して低くない。
だけど、なんだろう、壮大な物語の始まりを感じさせるなにかがないんだよね。
ただの学園モノなら、これでよかったんだろうけど。

OP曲は、聞いてるとクセになりそうなスルメ要素あり。
そういえば、スルメイカは幼いメスに精子を先渡ししちゃうらしいですね!?
BGMはフツー。

システム

過不足なし。

総評

SFシナリオゲー。
1章のイメージと、ラストのイメージの高低差が激しすぎて、高山病になりそう。
SF好きで、大どんでん返しが好きな人にはハマれるゲームかも。

シナリオ的には、ちょっと意味がわからなかったので☆2。
ただ、キャラ同士の絡みテキストは☆4。
総合的には、良作★3評価です。
個人的には、前作「はるまで、くるる。」のほうが面白かった。
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ゲーム [★★★☆☆]
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