涼宮ハルヒの憂鬱 12~19話

--- 12~19話 エンドレスエイト ---

夏で、夏休みだった。

8月17日から31日までを延々とループし、遊び尽くす話。
ループの原因は、ハルヒが夏休みにやり残したことがあると感じているから。
初回12話が1回目なのかは不明だが、まだそんなにループしていないと思われる。
13話時点でなんと15,498回、そして19話の15,532回目でようやくループを脱出し、9月1日に到達する。
やり残したことは、夏休みの宿題をみんなですることだった。

脚本は同じだが、服装、水着、浴衣は毎回異なり、演出やカット、台詞回しも違う。
毎回違う浴衣を買うのは良いとしても、毎回違う水着なのはどういうことか。
みんなそんなに色んな種類の水着をもっているのか。
ちなみに浴衣は、ハルヒは12話のビビッドなの、みくるは16話のサーモンピンクなの、長門は18話の紺色なのがよく似合っていると思う。

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ハルヒにとってのSOS団は、初めて本当に楽しく過ごせる場所だったのだろう。
だから、たった1度の高1の夏休み、そのSOS団のみんなと悔いの残らないように遊び尽くしたい、そう思う気持ちはよくわかる。
表面上はハルヒが主役で、ハルヒの思惑通りに夏休みを繰り返している。

しかし、エンドレスエイトの本当の主役は長門有希だろう。
595年以上に相当する1万数千回のループすべての記憶を持ち、そして繰り返す。
想像すらできない孤独、きっと常人では耐えられないだろう。
プールの後の喫茶店帰り、キョンに話しかけられた長門の何か期待するような目。
30日の喫茶店、諦観したような哀しげな目。
シュタインズ・ゲート鈴羽エンドのオカリンと同じだ。
キョンも言っていた、いったいどんな気持ちで過ごしてきたのだろう、考えるだけでとても切ない気持ちになる。

そして辿り着くループ脱出の回。
宿題の話を聞いて、無自覚にせよ1万数千回繰り返しても自分がやり残したことに気付けなかったハルヒは、それを見付けたキョンに、本当に色んな気持ちを抱いたに違いない。
したいことが見付かった喜び、明日への期待、自分じゃ見付けられなかった悔しさ、宿題をやっていなかった呆れ、そんななんやかやがごちゃ混ぜになって溢れそうになったのが、キョンをどついているときの泣きそうな顔に現われていると思う。
うん、私も泣きそうだよ。
有希の目も精気を取り戻したように見えるしね!

天体観測の夜、小泉がハルヒに告白するよう提案するシーンは毎回入る。
そして、キョンがしないなら自分が告白しようかという小泉の台詞を聞いたときのキョンの表情は、一度も描かれない。
キョンのハルヒに対する感情が慮れるね。淡いねー甘いねー

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批判の多いエンドレスエイト。
常識的に考えて、8話連続で同じ内容のアニメを放送するのは見てて飽きてしまう。
それにハルヒファンの多くは、2期で涼宮ハルヒの消失のアニメ化を期待していたらしい。
それがこの尺延ばしとも感じられるエンドレスエイトのせいでふいになったのだから、批判の声が上がるのも理解できる。

しかし脚本以外使い回しは一つもなく、手抜きな作品とは一概に言えない。
となると、批判覚悟で8話構成にした意図とはなんだろうか。

まず、1万数千回のループの異常さを視聴者に体感させるため、という可能性がある。
願ったことをなんでも実現させてしまうハルヒですら、そんなに繰り返してすらやり遂げられないこととは何か。
そういった異常さないしはハルヒの能力の限界を、異常な放送で演出している。

次に、その異常なループをたった一人で過ごし続けている長門有希の孤独さを演出するため、とも考えられる。
こちらはキョンのセリフにもあったし、有希がとても寂しそうな、精気を失った目をしている点からも伺い知れる。

あるいは、夏休みを終わらせたくなかったのはハルヒだけじゃなかったのかもしれない。
話数が経るにつれ、ループを発見したときにどんどん嬉しそうになる小泉を見ていると、そう思ってしまう。
たった一度きりの高1の夏休みを、あんな風にもっと楽しみたかったというノスタルジーは私も抱いているし、もしかしたら制作者もそう思っていたのかも。

また、アニメ史上初の試み、単なる話題作り、批判されることでの注目、一種のパブリシティ効果を狙ったものとも考えられる。
即物的すぎるので、あまりこうであって欲しくはないけれど…。

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私が文句を付けるとすれば、有希が言っていたような色んなパターンを混ぜてくれたらよかったのに、という点。
風船配り以外のバイトや、金魚すくいをしなかったパターンなどね。
あとは繰り返しが全て1万5千回付近な設定なところかな。
千回目、5千回目、1万回目、その経過がわかったらもっとよかったと思う。

それでもエンドレスエイトが好きだ。
8話やってくれてよかったと思うし、何周しても8話通しで観てしまう。
私の中では、涼宮ハルヒシリーズの中でも屈指の名エピソードである。
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