加奈…おかえり!! ノーマルエンド

前回の夕美エンドの記事において、私は加奈に対する主人公の想いの純粋さに疑惑をかけていた。
本当に加奈のことを大切に想っているのか? と。
今回、ノーマルエンドを経て、その疑惑は確信へと変わった。

しかし、それは主人公のせいではなく、曖昧な選択肢しか選ばなかった私のせいだった。
加奈も大事、夕美も大事。でも、一番大事なのは、自分。
そうして、加奈のためではなく、自分のために加奈を大切にしていたから、加奈を失ったとき、自分をも失ってしまったのだろう。
そういう意味では、選択肢式のアドベンチャーゲームとしては、本当によくできていると思う。

ノーマルエンドでは、主人公は加奈の想いに応えるため、加奈を大事にする。
加奈を失っても、加奈を大切にする想いまでは損なわれることはない。
だから迷路に足を取られることもないのだ。
そして最後、加奈は伝えることの許されなかったその想いを、たった一つの言葉に込め、レコーダーへと吹きこむ。

ラストシーンは、正直に言って、感動的だった。
これを「ノーマルエンド」と言うのはもったいないほど、きれいにまとまっていた。
「死にたくない」の慟哭を経てのアレは、ヤバいよ。ヤバすぎだよ。
小学生並みの感想だけど、この一言で伝わるはず。日本語ってすてきだよね。

---

鹿島夕美について。
彼女は、賛否両論あるキャラクター付けがなされていると思う。
というか、否定的意見のほうが多いのではないだろうか?

夕美はたぶん間違いなくナルシストで、すぐ悲劇のヒロインになってしまうタイプの女の子だ。
だから、加奈が死に瀕していても、その事情を自分の価値観でしか測れないし、加奈の死をあまつさえ自分の恋路に利用しようとさえする。
正直、ちょこちょこ顔をのぞかせる夕美の自己中さには、私もイラッとさせられた。

そんな彼女のワガママは、飽くなき生への欲求とも言えるもの。
自分が可愛くて仕方がないから、幸せになりたくて仕方がないのだ。
性欲が強いのも、生のエネルギーの顕れなのだろう。

けれど、夕美は自己中だけど、悪人じゃない。
彼女の欠点は、使いようによっては、明らかな長所となる。
自分が幸せになるために、主人公を幸せにしようとするのだから。
事実、夕美エンドでもノーマルエンドでも、主人公が加奈の死を乗り越えられたのは、夕美の生のエネルギーのおかげだろう。

過程は正しくなくても、最後はハッピーエンド。
そんな、塞翁が馬のようなヒロイン――それが、鹿島夕美なのだ。

こういう女の子、まるで人間っぽくって、私はぜんぜん嫌いじゃないよ!
一緒にいたら、ぐいぐい引っぱってってくれて、気づいたら毎日楽しくなってそうだし!
関連記事
category
ゲーム [★★★☆☆]
加奈 ~いもうと~

Comment

Trackback

http://otabes.blog.fc2.com/tb.php/767-4ebc76c1