加奈…おかえり!! 夕美エンド

残念なお知らせです。
私、自分を重度の妹フェチだと思っていたのですが、どうやら違うのかもしれません。

衝動的に究極の妹ゲー「加奈」をはじめたところ、なぜか妹・加奈ではなく、幼馴染み・夕美とのエンディングを迎えました。
世界一のお兄ちゃんになろうと思っていたのに! どうしてこうなった!!

加奈を傷つけたくなかった。
でも、夕美も傷つけたくなかったんだ。
そしたら、夕美とセックスしてるとこ加奈には見られるし、加奈といちゃいちゃしてるとこ夕美には見られるし、もう最悪。

でもたぶん一番最悪なのは、八方美人な選択肢しか選べなかった私なんだろうね。

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プレイしたのは「加奈 ~いもうと~」のリメイク版、「加奈…おかえり!!」。
リメイク版は、フルボイス化+原画の描き直しだけで、シナリオは同一の模様。

兄性に目覚め、病弱な妹を守ろうと決意することで人間的に成長していく主人公。
けれど、妹への気持ちは、いつしか異性へのそれと色彩を似せていく。
兄妹愛と異性愛の間で揺れ動くうちに、彼の目からは、妹以外なにも見えなくなってしまう。
そして、その妹が消えた日以来、彼の目はなにも映すことはなくなった。

結局、主人公は最後まで夕美を愛することはない。
付き合っている最中だって、夕美に加奈を重ねて見ているだけだし。

そんな主人公の不純な想いを、夕美も理解している。
理解していて――なお、好きでいることがやめられない。
夕美が傷ついていることを理解しているからこそ、受け容れられない。
加奈への想いが顕在化してしまった今、夕美を受け容れてしまうことは、主人公のトラウマになった小学生時代のラブレター事件と同じか――あるいはそれよりもひどい裏切りに違いないから。

大切にしてきたもの。
なにもかも犠牲にして――好きだと言ってくれた女の子を裏切ってまで、自分のものにしたかった存在。
それは、もはや加奈ではない。抽象的な自分そのもの。
加奈の死を受け容れることは、自分の存在を否定することと同じ。
だから主人公は心を壊してまで、執拗に妹の姿を追い求め続ける。

そんな出口のない袋小路のような、色のない世界にも、まだ残っているものがあることに気づく。
それが、夕美の献身的な愛だった。

ならば、どうしてそれは残ったのか?
夕美は「本能」という言葉で主人公を好きな理由を述べていたけれど、それも小学生時分の「兄」に目覚めた主人公の姿を見ていたから。
言い換えれば、加奈がもたらしたものだとも言える。
だから、主人公は夕美を――加奈の死を受け容れることができたのだろう。

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夕美ルートは、かなりどろどろして、どうにも後味のよろしくないシナリオだった。
狙って作ったのなら、それは大成功です。

後味を悪くしている原因は、夕美の負い目と、主人公の負い目に、釣り合いが取れていないような気がしてしまうからかな。
どう考えても、主人公のほうが夕美にひどい仕打ちをしているように思える。
夕美はいったいどうやって自分の心に整理をつけたのだろう?
あるいは、本当に整理がついているのだろうか?

また、主人公の思いにも、やや疑問符。
夕美を失いたくなかったのではなく、これ以上なにも失いたくなかっただけではないか?
ひいては、加奈を守りたかったのではなく、自分を守りたかっただけではないか?
そんな疑惑までかけてしまう。

「この……いくじなし!」
「加奈ちゃんと一緒に、この世から消えるなんてできっこないんだよ、隆道君はこれからも生きていかなくちゃいけないんだよ?」


十年も想いを持ちつづけるなんて、並大抵の強さじゃない。
夕美は、だから主人公を愛しつづけることができるのかもしれない。
彼女もまた、これからも生きていかなくてはならないのだから。
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ゲーム [★★★☆☆]
加奈 ~いもうと~

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