虚ノ少女 その4(テーマ考察)

わたし、あなたに生まれたかった。
だって、あなたの翅は きっとこの世界を自由に翔べるから
片翅では蝶は翔べない。
だから、もうワタシは空まで届かない。


「殻ノ少女」朽木冬子と、「虚ノ少女」雪子・砂月。
どちらも「本当の自分」を求めているところは変わらない。

雪子と砂月の偏執は、水原透子によく似ている。
「なりたい自分」を外に見て、屈折した憧れが狂気へと至るところとか。

雪子のパラノイアを解放したのは、紫だった。
誰かを取り込んでもその人にはなれない。雪子は雪子でしかないし、それで十分なのだと。
雪子は紫に愛されて、その空虚さを埋めることができた。

紫のセリフは「殻ノ少女」のエピローグの玲人のモノローグとほぼ同じ内容。
玲人はそれを冬子に直接は伝えられなかった。
そういう面では、紫は玲人よりも一段上かもしれないね!

砂月――理子のパラノイアを解放したのは、おそらく皐月と名付けた彼女の娘。
理子にとって、皐月を授かったことが、初めて自分の力で勝ち取った希望だったのだろう。
けれど、それは一人では勝ち得なかったもの。
だから、娘――皐月にそれを与える術を知らず、絶望し、殺してしまいそうになったんじゃないだろうか。

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冬子を含め、彼女たちは寂しがり屋で、愛に飢えていた。
愛されている実感が乏しいから、「本当に愛される自分」を求めていた。
だから、タイトル画面での冬子のモノローグは、こんなに優しいのだろうね。

久しぶりだね。
ずっとあなたに逢いたかった――
また逢えなくなるのは寂しいけど ずっとそばにいるから――
もう、私は寂しくないから……

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ゲーム [★★★★☆]
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