夏空のペルセウス - The brave under the summer sky. 透香ルート

「夏空のペルセウス」、ラストの4ルート目は、トゥルー扱いのメインヒロイン、沢渡透香を攻略。
3ルートを終わらせるとタイトル画面が変わり、ニューゲームしか選べなくなる。

不治の病に冒されて余命幾ばくもない割に口の減らない、つかみ所のない透香。
そんな彼女の声を当てているのは、市川ひなこ。
これまた新人声優っぽい。噂では本田愛美の別名義だとかなんとか?
一本調子な演技で、私はあまり好きじゃない声だったかも。
もっと愛嬌が欲しかった。

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透香ルートは、好きだけど痛くて触れあえないみたいなハリネズミのジレンマ的話とか、主人公と恋仲になることで自分の死という傷をつけてしまうことで透香が悩んだりする話になるのかと思っていたら、ちょっと違った。

今回の主人公は、自分の持つ力に意味を持たせるため、力を最も必要としているだろう透香の痛みを少しでも減らすべく、恋の忠告を聞かずにお付き合いをはじめる。
しかし、その主人公の気持ちにふさわしい名前に、透香は気づいてしまう。

「言いましたよね、私は"鈍くはない"って」
「私は……たぶん知っていました」
「あなたが私に"同情"しているってこと」


自分に同情してくる人はたくさんいた。そういう人たちと違うなら、大切な人だと思えたかもしれなかった。
けれど、主人公の同情は偽善で、自己満足でしかない。
鈍い私ですら気づいたのだから、聡明な透香が気がつくのも当然のことだよ。
主人公の優しさは透香を傷つけ、透香は主人公を傷つけずにはいられなかった。

「よかったですね、森羅くん」
「私がいて」


主人公は透香に傷つけられた痛みから逃げなかった。
これもちょっと自己満足っぽいけども、その痛みを自分だけのものにしたかったんだろう。
それも、好きな女の子のしてくれたことだから。

その真摯な想いは、透香にも伝わる。
主人公を傷つけたことで、やっぱり透香も傷ついていた。
本当は傷つけたくなかったから。本当は、好きだったから。

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予定調和っぽい和解のくだりはともかく、好きな人を傷つけてしまいたいという仄暗い欲に流される透香はよかったよ。
そして、兄の幸せを願う妹のくだりはもっと。
恋ちゃんはすばらしい妹だよ、マジで。

純愛系ギャルゲーで、個別ルートに入っておきながら攻略ヒロイン以外とエッチしちゃうって、かなりレアな展開。
セックスで力が移るとか、発動するとか、いまいちピンとこなかったけど、エロゲーなんだからこういうものなんだろう。これ以上いい展開は思いつかないし。

けど、恋の言う「透香を救いたいとはどうしても本気で思えない」って、今まで力を利用されてたときはどうだったんだろう。
今まではなあなあでやっててもなんとかなるレベルでしか力を使ってなかったけど、今回はそういうレベルじゃない、ってことだったんだろうか?

オチはやっぱり予定調和。
ペルセウスは勇気で運命を切り拓いた英雄。
そんな夏空の下、勇気を振りしぼって生きる意味を見つけるお話でした。

「私たち、これでよかったんでしょうか?」
  「なあ、透香。透香は今、幸せか?」
「それは難しい質問ですね」
「だって、本当なら今このとき、私はいなくなってたはずなんですよ」
「だけど、私はここにいる。ここにいて、あなたと笑っていられる」
「夢みたいだけど、夢じゃない」
「ああ、そうですね……」
「まるで夢みたいに思える時間を生きている――」
「それが、幸せってことでしょう」
  「さっきの透香の答えは、俺の気持ちでもある。同じだよ、俺も。だから――これでいいんだ」

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ゲーム [★★★☆☆]
夏空のペルセウス

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