ちはやふる 10~12話

第十首 ゆくもかへるもわかれては

瑞沢高校かるた部が、都大会に出る話。新入部員駒野勉回でもある。

はじめたばかりの勉と奏は、やはりなかなか勝つことができない。
しかし奏は初めての白星をあげる。かたや思い通りに取れない勉。
他の部員たちは、勝ち上がるために強い敵を自分らに当てようとしている。
そしてキャプテンの綾瀬千早は、全国大会で綿谷とかいう奴に会うために頑張っている。

「あの。僕、今日もう帰っていいかな?」
「だって、僕がいなくても勝星は足りてるし、一勝もできないし」
「どうせ全国大会に出るための数合わせなんだよ! だれでもよかったんだ! 大江さんじゃなくても! 僕じゃなくても!」
「全国大会出たいんだろ!? 全国大会で会いたいやつがいるんだろ!? そのことばっか考えてるじゃん!」


勉が腐る気持ちはよくわかる。
がんばっても、そもそも期待されていない。目指している人は、自分のことなんてまるで見ていない。
これはやはり嫉妬なんだろうか? それとも失望?
私がこの思考に陥ったら、たぶん二度とはい上がってこられないと思うよ。

千早は勉が自分のことをそんな風に思われていることにショックを隠せず、「ちはや」の札まで取られてしまう。
勉は……千早がそこまで調子を崩していることを聞いて、溜飲を下げたのだろうか……?
本当はかるたがやりたくないわけじゃない、自分のことを見てほしいだけ?
だから千早が自分を気にかけてくれていることが知れて、満足した?
これじゃただの構ってちゃんだけど……。

あるいは、勉は最初から自分でも思ってもいないことを言っていることがわかっていたのかもしれない。
ただ単に勝てない悔しさを八つ当たりしてしまっただけで。
だから、自分のせいでみんなの努力を無駄にしちゃいけないと思い、自分の気持ちに素直になることにしたのかも。

「逃がしませんよ、机くん」
「気がついてましたか? ここにいる人たちの足の甲、みんな皮膚が硬くなってたこになってる。畳の上で何年も正座をしてきた足です」
「私たちがなかなか勝てないの、当然じゃないですか。たこができるまで、がんばりましょうよ!」
「……かなちゃん、さっきの初勝利、おめでとう」


これで勉はかなちゃんルートに入ったのかもしれない。

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さて、問題は太一の千早に対する気持ちなのだけれど……。
新は9話で、千早のアドレスを知っているはずなのに太一経由で誕生日おめでとうを伝えてきた。
そして、新は千早のメールを返さない。
太一曰く「千早は、俺と新のふたりのものだと思っているから」とのこと。

正直に言って、まるで意味不明だ。これが少女漫画か。
抜け駆けみたいなことしたくないってことなんだろうか?

今回のサブタイトルの歌は、これ。

これやこのゆくも帰るもわかれては  知るも知らぬも逢坂の関
  一〇 蝉丸

これがあの、地方へ行く人も都へ帰る人も別れ、知り合いともそうじゃない人とも会えるという逢坂の関なのだなぁ。

出会いがあって別れがある。別れがあるから出会いがある。
これは勉の気持ちのようでもあり、三人の三角関係のようでもあるよなぁ。



第十一首 あまつかぜ

都大会その2、A級2人を擁する北央高校との決勝戦の話。

ようやくチームとしてのかるたの戦い方がわかってきた瑞沢高校。
部長の太一が場を盛り上げ、ちはやがみんなをリードする。

「個人戦のとき、一枚はただの一枚だった。でも今は、チームの一枚を取りに行く!」


今回は西田にもスポットが当たった回だった。
対戦相手は、小学校時代にはまるで相手にならない初心者だったのに、今は格上のA級選手。

「俺、何してたんだろ……」「どうして俺は……」
「あぁ、そうだ……諦めたんだ……」


千早のことを、そしてチームのみんなのことをもっと理解しようとしはじめた太一。
勝つことを諦めた自分を変えようとする西田。
そして、自分のため、新に会うためではなく、チームのみんなのために戦うことを覚えた千早。
この三人の勝利で、瑞沢は全国進出を決めたのだった。

敵の北央は、ちょっと肩すかしだったね。特に千早の対戦相手。
なんかもっと大変な展開になるかと思っていたけども。
でも、勝負シーンはとてもよかったよ!

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今回のサブタイトルの歌は、これ。

天つ風雲のかよひ路吹きとぢよ  をとめの姿しばしとどめむ
  一二 僧正遍昭

時よ止まれ。君は美しい。



第一二首 むらさきのゆきしめのゆき

都大会を終え、全国大会へ向けて揺れ動く気持ちたち。

都大会で勝ち残れなかった北央をはじめとする11校を背負って立つプレッシャー。
そして、かるたなんかにまるで興味を示さない家族や先生たち。

「太一あたし……全国大会、恐いみたい……」


でも実は、家族はちゃんと千早のことを見ていたし、先生だってみんなが頑張っているところを目の当たりにしたら考えを改めてくれた。
太一も部長らしくみんなをまとめてくれているし、他の3人だってきちんと努力している。
そうして、全国への思いは一つになっていくのだった。

今回のサブタイトルの歌は、これ。
意味はきちんとかなちゃんが解説してくれたね。

あかねさす紫野行き標野行き  野守は見ずや君が袖振る
  万葉集 額田王

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