d2b vs DEARDROPS - Cross the Future - まとめ

「キラ☆キラ」と「DEARDROPS」のコラボレーションファンディスク、「d2b vs DEARDROPS - Cross the Future -」をプレイ。
シナリオは「DEARDROPS」を書いた那倉怜司、原画は「キラ☆キラ カーテンコール」と「DEARDROPS」を描いた藤丸。
内容は、きらりルート2の第二文芸部と律穂ルートのDEARDROPSが出会ったら、というアフターストーリー。
ちなみにカーテンコール2部とは違う未来のようだ。

バイオリンを弾きにドイツに旅立った翔一と海外で活躍していたきらりが出会い、そのせいで第二文芸部とDEARDROPSが横浜BLITZでライブをすることになる。
その中で、きらりが歌う意味、鹿之助がベースを辞めた理由、律穂が歌う意味、翔一が帰ってきた理由が交錯していく。

キラ☆キラでの音楽とDEARDROPSでの音楽は、だいぶ意味合いが違って描かれているように見える。
キラ☆キラでは、音楽には世界を変える力があると描かれていた。
瀬戸口廉也はきっと本気ではそう思っていなかっただろうけれど、きらりはそう信じている。
――アンタはなんのために歌ってるの?
「この世界から悲しい人をなくすため」
「悲しい思いなんてしなくても、幸せになったっていいじゃない? 神様はとってもイジワルだなって」
「だからね、あたしは決めたの。神様が人間を幸せにする前に、あたしがみんなを幸せにしちゃえばいいんだって」
「あたしの歌でね」


対して、DEARDROPSでは、音楽は自分を変える力だと描かれている。
「あたしが歌う理由……その答えがハッキリわかった気がする」
「それは……歌だけが、あたしをこの世界に繋ぐ唯一のものだって感じているから」
「音楽だけが、あたしとあたし以外の大切なものとを、結びつけてくれる。だから……あたしは歌うんだ」


那倉怜司は本気で音楽を「自分が生きるための武器」だと思っているんだろうと思う。
決して「神に抗うための武器」じゃない。
だから那倉怜司の描くきらりは、世界のためじゃなく鹿之助のために歌う女の子になる。
鹿之助も、自分を犠牲にしてまできらりを幸せにするんじゃなくて、自分が幸せになることできらりも幸せにしようとする。
そして、きらりと律穂はライバルとして互いを認めることができるようになる。

私には、どちらが正しいのかはよくわからない。
私は音楽についてそこまで深く考えたことはなかったし、歌もヘタクソだし。
でも、どちらかと言えば「世界のため」よりも「自分のため」に歌われた歌のほうが好きかもしれない。
  『100万人のために唄われたラブソングなんかに 僕はカンタンに想いを重ねたりはしない』

――だって、不条理じゃない。誰も悪くないのに、どうして不幸が生まれるの? なぜ人が苦しむの?
――そういうことに、怒らなかったの?
「だって、怒ったって仕方ないじゃないか」
「怒っても、怒りをぶつける場所なんてないんだ。威勢良く拳を振り上げたって、それを振り下ろす場所なんてないんだ」
――アンタ、やっぱり楽器を置くべきじゃなかったわね
――アンタには音楽があったのよ。やり場のない怒りなら、そこにぶつければよかったのよ
――そんな人間たちのための音楽が、ロックってものじゃなかったの?
――音楽はいいものも悪いものも受け止めてくれるはず。怒ったっていい、笑ったっていい、人を恨みさえしてもいい、呪ったっていい。なんでも自由に歌えばいい。
――それが音楽ってものでしょ?


---

ちなみにシナリオそのものは一本道、全年齢版だからHシーンも無し、プレイ時間は6時間強。
視点がコロコロ変わって読みづらいし、起きるイベントはベタだし、起伏もあまりないし、ライブシーンもエンディングにしてしまったし、そこまで楽しくはなかったかも。
ただ、上で書いたようなことが考えられて、興味深くはあった。
このシナリオライターは主義主張は立派なんだけど、それを物語に落とし込むのが下手なんだなぁ。
そう言う意味では「DEARDROPS」はすごく惜しいゲームだった。

まぁ全体的に冗長ではあったけれど、オチはキレイにまとめてきたと思う。
DL版なら安いし、プレイする価値はあったかな。ライブシーンが全然無かったのはまじで悔しい★2評価。
シナリオライター的に、カテゴリはDEARDROPS枠に入れておきます。
関連記事
category
ゲーム [★★☆☆☆]
DEARDROPS

Comment

Trackback

http://otabes.blog.fc2.com/tb.php/475-ef46b330