あの夏で待ってる 9、10話

--- 9話 せんぱい ---

イチカの正体の告白、それを聞いた4人の想いの交錯、そして結ばれるふたり。

貴月イチカの想い。
自分が宇宙人だということを受け入れてはもらえた。
けれど、ここにずっといたら迷惑になる。
だから、自分の気持ちに気付かないふりをする。

霧島海人の想い。
イチカが好きで、でもいつかは遠く離れてしまう葛藤。
それでも先輩が好きなのに、先輩は自分のことを避けるようにして、何をすることもできない。
先輩は自分の気持ちなんてわかってくれない。
そんな燻った想いを前向きにしてくれたのは、檸檬先輩。
  「じゃあ、あなたにイチカの気持ちがわかるの?」
  「そう、動くのよ。止まらずに、前に」


石垣哲朗の想い。
柑菜が好きな気持ちと、柑菜に幸せになってほしい気持ち。
好きだから、自分のそばじゃなくても幸せになって欲しい。
でも、本当に自分はそれでいいのか?という葛藤。
  (ずるくていいよ。好きは、止まらないよ)

北原美桜の想い。
哲朗が柑菜のことを好きだと知っていて、好きだと伝えてしまった。
それだけでもうこの恋は満足、終わりにしよう。
好きな人には、自分のそばじゃなくても幸せになって欲しい。
けれど、そんなささやかな願いすらも届かない。
自分の好きな人は、一緒にいたいひとにその気持ちすら気付いてもらえない。

谷川柑菜の想い。
イチカがいなくなれば…と期待する気持ちと、そんなことを考える自分は最低だと思う気持ち。
そんな葛藤を晴らしてくれたのは、美桜。
けれど、イチカがそばにいないときの海人は初めて会ったときのように、辛いことを抑えつけて無理に笑っていた。
どんなズルをして海人を自分に振り向かせても、イチカに向けるような顔で笑ってはくれない。
自分じゃ海人の想い人にはなれない、そう気付いた柑菜は。

---

柑菜は自分の恋を諦め、海人から逃げ続けるイチカに素直な気持ちをぶつけて、涙を呑んでイチカと海人のキューピッド役になる。

「先輩、気付いてるでしょ?海人君の気持ち」
「宇宙人だからダメっていうんですか?いつまでも一緒にいられないから、海人君の気持ちに応えられないっていうんですか?そういうの言い訳にして、海人君からずっと逃げ続けるつもりですか?」
  「だって、どうしようもないじゃない!私はいつまでもこの星には――」
「どうしようもある!好きだって言えばいい!!」
「なんで言わないの!?好きなひとと結ばれるんだよ?素敵なことじゃない!」
「私がどんなに望んでも手に入らないものが、すぐそこにあるのに…。こじつけばっかで、逃げてばっかで、海人君が今何をしているかも知らないくせに!!」


諦めたのに、それでも海人が好きだと言って泣きじゃくる柑菜に、哲朗はそっと手を差し伸べる。
それを陰で見て、好きな男の子と大切な友達の交わらない想いに、肩を震わせる美桜。
  「頼むよ柑菜。泣くなよ…」

そうして、気付かないフリをしていた自分の気持ちと海人の気持ちに気付かされたイチカは、海人と想いを確かめ合う。
  「私ね、帰らなきゃいけないって思ってた。でも、帰りたくなかった」
  「帰りたくない理由は、あの場所に行きたいからだけじゃなくて…そうじゃ、なくて…」


---

ようやく海人とイチカが結ばれた。
けれど、そんなのは予定調和のようなものだから、結構どうでもいい。
今話はサブキャラの柑菜、哲朗、美桜の描写の完成度が高すぎる。やばい。

特に柑菜。まじで切ない。ちょっとうるうるしてしまったよ。
哲朗はこれからどうするつもりなんだろう。
きっと美桜の言葉通り、「ずるく」なっていくんじゃないかと思うんだけれど。
そして美桜は、黙って見守ることしかできないのかな。
哲朗の静かな想いの深さを知っている美桜は、もう何もしないような気がする。

イチカの宇宙人設定は、時期が来たら離ればなれになる設定でしか使われないのだろうか。
まさかそんなことはないのだろうけれど、もしそうだとしたら本当に留学でよかったよね。

--- 10話 先輩と僕らの。 ---

柑菜の恋のエピローグと、哲朗の想いの矛盾、そして北原美桜という女の子。

哲朗の行動は、一貫性という観点からは矛盾していた。
柑菜が海人を好きなのを知っていてイチカと海人を近づけて、海人がイチカを好きなのを知っていて柑菜と海人を近づけて。
哲朗は、八方美人的にみんなの応援をしたかっただけだと、美桜に言う。
  「だったら、哲朗君の気持ちはどこに行くの?どうして自分に嘘を吐くの?」
  「言いたいこと言えよって、私にそう言ったの哲朗君でしょ?だから勇気を振り絞ったのに」


哲朗は、自分の中での正しいことを見失ってしまっていた。
私が気付くくらいだから、哲朗自身も気付いていたはず。
そして、海人がイチカと結ばれたことを知り、柑菜を泣かせた海人に当たってしまう。
しかし、海人はきちんと自分の気持ちをイチカに告げ、柑菜にも逃げずに伝えようとしていた。
  「…何やってんだ、俺」

言いたいことを言ったみんなを見て、哲朗は自分の間違いに気付く。
そして、哲朗は柑菜を呼び出し、自分の気持ちを正直に告げる。
好きな女の子の願いが叶って欲しかったこと、自分以外と幸せになって欲しくなかったこと、そのせいで好きな女の子を振り回して泣かせてしまったこと。

  「わかってる。カイがイチカ先輩のことを好きでも、お前はカイのことが好きだよな?」
  「そういうお前が好きだった」

  「ほんと、タイミング悪いよな。けど、ようやく言えた」
「なによ、自分だけ言いたいこと言って、満足したような顔して。私は…私は…」
  「我慢すんな。柑菜は柑菜のままでいいんだ」


こうして、叶わないことだと知りながら、哲朗は初めて自分の気持ちを伝えられた。
そんな哲朗に勇気づけられて、柑菜も海人に正直な気持ちを伝えることができた。

恋に破れた柑菜を慰めたのは哲朗。
じゃあ、恋に破れた哲朗を慰めるのは、美桜だった。
  「泣いていいよ?」

---

哲朗も言ってたけど、あれは反則だよ!
あんなことをされたら、堕ちても仕方ないと思う。
まさか美桜があんなにしたたかな女の子だとは思わなかった。
本当にずるかったのは、美桜だったんだなぁ。
彼女には失うものが何もない、それが彼女の強さになっているのかもしれないな。
とにかく、私のなかで美桜の株が急上昇してしまったよ!

今までなんとなく海人とイチカに興味が持てず、さらに付き合い始めたふたりを見るとちょっとイラッとしてしまうのは、ふたりを中心にこれだけみんなが切ない想いを抱いているのに、そのことに全く気付きもしないでふたりの世界に浸って、あまつさえ幸せになっていたりするからだったんだな。
なんだろう、これでイラッとする私は、器が小さいのだろうか。
それとも、ただ幸せを僻んでいるだけ?
そんなことないと思うんだけどなぁ…。

これからの3人はどうなっていくのだろうか。
今までの日常に戻っていったようだけれど、想いを伝えるだけで、本当に満足してしまったのかな?
てゆーか、そういえば檸檬先輩の出番、最近少なすぎじゃないか?
…最終回あたり、檸檬先輩の手で超感動展開になる気がしてやまないな。
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アニメ [★★★☆☆]
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