春季限定ポコ・ア・ポコ! 桜ルート

春季限定ポコ・ア・ポコ!、2ルート目は気怠げな雰囲気のマイペースな電波少女、一桜ちゃん。
一は二の前にあるから、一と書いてニノマエと読ませる。
鷹がいないと小鳥が遊べるから、小鳥遊と書いてタカナシと読ませるのと同じノリの名字。

声優は藤咲ウサ。
ほとんど初めてお世話になるひとだね。
大人しい声が結構可愛い。

桜ルートは、一年前に死んだ夏海の双子の姉、春花についてのお話。

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天才バイオリニストとしての桜の始まりは、春花との出会いから。
親に嫌々やらされていたバイオリンを辞めようとしていた幼少期、彼女は春花と出会い、バイオリンを続けることを決めた。
それは、初めて出来た友達を失いたくなかったからであり、春花が彼女を暗闇から引っ張り上げてくれたから。

けれど、桜は春花が死ぬまで、重病を患っていたことを知らなかった。
そのことを春花に教えられていた主人公も、彼女には教えなかった。
春花の死が、彼女のバイオリンの奏でる音の終わり。
「どうして、教えてくれなかったの?」
「私、春花にさよならも言えなかった!」
「彼方なんか友達じゃない!」
「彼方なんか、大嫌い!」


桜は、ずっと春花のために、春花と一緒に演奏するために、春花に世界のてっぺんへ連れて行ってもらうために、バイオリンを弾いていた。
春花がいなくなった今、彼女にはもうバイオリンを続ける意味なんて、なかった。
それは主人公も同じ。
だから、ふたりは天才と言われながらもケースの蓋を閉じた。

今回桜が「春季限定」カルテットを組んだのは、春花への手向けとして。
春花が最後に弾くはずだった場所で、最後に弾くはずだった曲を、その想いを遂げようとしていた。
けれど彼女は、過去に置いてきた音ばかり拾ってくる、そんな自分の弱さを理解していた。
「音楽と向き合うんじゃなくて、音楽に逃げてるんだよ」
「それって弱い。何の価値もない」
「私はもう弾いちゃいけないのかもね」


そして、桜はバイオリンを弾けなくなる。
今の音に、春花がいない現実に、向き合う強さが持てなかったから。
それは主人公も同じ。
ふたりはとてもよく似ていて、だから互いのことがよく分かった。
桜はどうしても先へ進めず、足を止めてしまう。
主人公は、先へ進もうと足掻く。

桜は、友達が欲しくてバイオリンを弾いていた。
春花は大切な、本当に大切な友達だったけれど、だからといって今の友達をないがしろにして良い訳じゃない。
今の自分には、主人公をはじめ、大切な友達がたくさんいる。
その友達が、自分のことを待っていてくれている。
そして、その友達と一緒になら、春花が目指していた場所にも行けるはず。
そのことに気付いた桜は、バイオリンを掴んで走り出した。
「はるかかなた」を目指して。

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音楽に真面目に向き合っている少年少女が綺麗に描かれていたシナリオだった。
主人公と桜が同じ過去と同じ苦悩を共有しているからこそ惹かれ合うという展開は、とてもわかりやすかったし共感しやすかった。
桜の雰囲気がとても良かったのもポイント。
主人公がずっと桜と友達に戻りたがっていた、という展開も良かったよー。

エッチシーンが割と悲しい雰囲気なのも特徴かも。
友達になれる資格がないから、身体で繋がる。
忘れたいことがあるから、快楽に逃げる。
現実にはありがちなセックスだけれど、それを純愛系エロゲーでやってくるのは少し珍しいかも。
普通の純愛系エロゲーでのセックスは、愛を確かめ合うようにあまあまな雰囲気でやるものだからね。

終盤のシリアス展開に突入する前の、桜のバイトやPV勝負なんかの話も、割とテンポ良く進んで楽しかった。
予想以上の良シナリオだったなぁ。
これは夏海ルートも期待できそうだ。
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ゲーム [★★☆☆☆]
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