化物語 11~15話

--- 11~15話 つばさキャット ---

阿良々木暦の命の恩人でもある、羽川翼のもうひとつの人格として再び現われた障り猫の話。
とは言え、春休みのことについてはほとんど語られていないので、暦と翼の間に何があって、それについて暦がどう恩返しをしようとしているのかはさっぱりわからない。

多重人格障害でもある障り猫は、主人たる人格が著しいストレスを感じると、それを発散するように顕現してくる。
それがまた、真っ白い猫のようでなんとも可愛らしい。
忍野は「黒くて悪い、ブラック羽川」などと言っていたが、見た目はまるで天使のようだ。
とか言っていると私まで怒られてしまいそうだから、この辺にしておくけれども。

愛は惜しみなく奪うもの。けれど、それが出来ない者もいる。
翼のストレスは「好きな男の子が他の女の子と付き合っていて、自分の気持ちを我慢してそれを応援する」というもの。
正直、これをブラック羽川から打ち明けられたときの暦のリアクションにはとてもイライラした。
なんでラノベの主人公ってみんなこうなのかな。
この程度のことでイライラしてしまう私が異常なのだろうか。
しかし、人の真剣な恋心を信じたくないというだけの理由で受け止めようともしないのは、あまりに狭量だと思うのだ。
「十数年積み重ねてきた家族の苦しさが、数ヶ月募らせた恋愛の切なさに、劣っちゃいけニャい理由でもあるのかニャ!?」

その障り猫を収める方法のひとつは、翼と恋仲になることでストレスを大元から断つこと。
もうひとつは、それが出来ない限り翼にストレスを与え続ける暦を殺すこと。
あるいは、吸血鬼である忍に障り猫の力を吸収してもらうこと。
結局、忍に助けを求めた暦は、最後の方法で障り猫を封印した。

忍が家出をした理由は、私にはよくわからない。
暦と翼の間柄についてそうであるように、私はまた暦と忍の間に何があったのかは知らないから。
それを踏まえての愚考ではあるけれども、忍はやはり「怪異としての自分」を必要としてもらいたかったのではないだろうか。
暦がいないと存在できない脆い自分、けれどそんな自分でも暦に何かできることがあるはず。
そんな自分の存在意義の再確認のための家出のフリ。
こういうのを、世間ではやっぱり「自分探しの旅」とか言ったりしちゃうのだろうか。
むむむ、結局忍野メメと同じセリフになってしまった。
さすがにここで暦が色んな女の子を取っかえ引っかえしているのに嫉妬して、という理由を挙げるのは、脳みそが蕩けていると叱責を受けても仕方がないだろう。
けれど、その気持ちがどこにもなかったとは言い切れないような気もする。
少なくとも、きっかけくらいにはなっているのではないか。
結局ラストまで一言も喋らないあのツルペタ吸血鬼が、人間と同じような感情を持っているのか疑問ではあるが。

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つばさキャットについては「其ノ貳」だけが、TV版最終回なだけあってかなり毛色の違う回だった。
いわば「ひたぎクラブ其ノ参」でもある、暦とひたぎの初デートの話。
そして、1周目に観たときに一番印象に残っていたのが、この回だった。

低いテンションと毒舌、そしてそれに反比例するような深い愛情。
戦場ヶ原ひたぎには、「死神の接吻は別離の味」の天宮雫と同じ種類の、ギャップ萌えな魅力を感じる。
この回にはそんな彼女の魅力の全てが詰まっていると言っても過言ではないように思う。
これがある限り、化物語でのメインヒロインの座は戦場ヶ原ひたぎで揺るがない。安心していいよ!

「これで全部よ」
「私が持っている物、全部」
「勉強を教えてあげられること、可愛い後輩と、ぶっきらぼうなお父さん、それにこの星空」
「私が持っているのは、このくらいのもの」
「だから、私が現時点で阿良々木君にあげられる物は、この星空が最後」

「キスをしましょう、阿良々木君」


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つばさキャットのBD5,6巻の副音声は、メインが羽川翼、サブのキャラクターが毎回変わる変則的な構成。
その一は千石撫子、その二は戦場ヶ原ひたぎ、その三は八九寺真宵、その四は神原駿河、その五は阿良々木暦。

「記入漏れという言葉が巨乳萌えに聞こえた自分にさすがに引いた!」という掴みから入る、駿河のコメンタリーも悪くなかった。
けれど、やっぱりひたぎのコメンタリーが一番面白いな。
「なにかいいこと、あったらなんなの?」

暦の出てくるその五のコメンタリー、翼のキャラが崩壊していたのにはウケた。
いきなり全部「アララギは~~」って呼び捨てだしね。
そして、暦の「ヘタレ主人公の言い訳」を聞く機会を持てたわけだけれど、これは意外と興味深かった。
いわく、女子の何気ない優しさを好意と勘違いしがちな男子中高生の一人称視点で作られている物語は、その主観であり願望である「アイツ俺のこと好きなんじゃね?」的視点が混ぜられているため、出てくる女の子全員にモテているように視聴者に受け止められるのだ、という。
なるほど、確かに一理ある気がする。
しかしそれを主人公自身に語られて、はい左様ですかと納得できるほど私も甘くはないのだ。
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