グリザイアの迷宮 みちるアフター

2012年2月は、「ハツユキサクラ」「死神のテスタメント」「猫撫ディストーションEX」「かみのゆ」など、有力なタイトルが数多く発売されたようだ。
その中でも、「グリザイアの果実」待望の続編「グリザイアの迷宮」を開始。
まずはUT――嘘ツンデレ改めウザいツンデレ――こと、松嶋みちるちゃんのアフターから。

みちるの声を担当する声優は、水橋かおり。
有名な声優なだけあって、演技の幅は広いようだ。
そもそも、みちるとみちるの中の少女の声ですらかなり違うからね。
私がお世話になったところで言うと、まじこいの不死川心とか、まどか☆マギカのマミさんとか、ゼルダの伝説のナビィとか。恋チョコの木場美冬もそうか。
不死川心はすぐわかるけれど、マミさんとかあんまりピンと来ないねー。

みちるアフターは、失うことを恐れるより失わないための努力をする強さを手に入れたみちるが、幸せな時間を永遠にするために努力するお話。
と言えば聞こえは良いけれど、実際はただただ雄二とイチャイチャする、脳みそが蕩けて耳から流れ出しているような甘いシナリオ。

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「どうやらわたしも、この暑さに少しまいってしまっているようです。だってずっとエロい、頭が」
幸がそう音を上げるほどの残暑の厳しい日、みちるはただ「このコート可愛い!雄二に見せたい!」という理由だけで、真夏日にコートを着込んで冬っぽいデートをしようとする。

みちるはどうやら幸せすぎて頭がヤラれてしまったようだ。
グリカジのときはここまでアホの子でもなかっ…あったかも…。
その裏表のないアホさがみちるの魅力ではあるのだけれどね。
女の子はちょっと頭が悪いほうがモテるっていうし。

アフターでは、みちるの中の少女とのシーンもあったりする。
少し期待していただけに嬉しかった。
なんか良くわかんないけど、多重人格での3P?みたいな?そんな展開もあったり。
結局みちるの中の少女の名前はわからずじまい。

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プレイ時間は、のんびりやって3時間強。
エッチシーンは2回。
エッチそのものの濃さは、グリカジとあまり変わっていない。

日常シーンのCGも数枚。
みちる可愛い。特にファミレスのところ。
プリクラにはちょっとわろてしまった。
黒髪のみちる様も悪くないけれど、私は金髪のほうが好みかもしれない。
らしいっていうかね。

SDキャラを多めに使ってきていたかな。
何故かギャグ要員として由美子が登場。
この笑いの取り方はまじこいみたいだね。
しかし由美子はグリカジ当初の孤高の気高さみたいなオーラが、まるで勘違いであったかのように消え去っているよね…。

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「あたし、こんなこと考えるの。あたしの元から消えてしまったもの、去って行った人。たくさんのものを失い続けてきた」
「きっと、これからもそうやって生きていくんだと思う。雄二だけはずっと、永遠に一緒にいて欲しいけど、そんなの無理だよね」
――永遠は無理だが、努力して、その永遠に一秒でも近づけることはできるだろう。永遠のすぐそばまで俺たちは近づけるはずだ。努力さえ惜しまなければな

「あたしを救い出してくれてありがとう。あのままだと、おかしくなっちゃうところだった」
「雄二、あたし幸せ。本当にありがとう」

そう言って、みちるは笑った。
大切なのは、本当に永遠が続くかではなく、永遠にしようとする気持ちそのものだから。

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もし雄二がみちるに手を差し伸べなかったら。
そんなみちるルート以外でのみちるの未来について、少し考えてみた。

「雄二は…どうして自殺しなかったの…?」
「死ねば全部終わるんだよ!?なにもかも全部終わり!それが一番楽じゃない!」
「死にたい死にたいって言ってるだけの弱い人間と違って!強く生きることが出来る人間なら、強く死ぬことも出来るでしょう!?」


カプリスの繭で、雄二の過去を知ったみちるは、こう激昂する。
雄二のことを責めているような口ぶりだけれど、これは全部彼女が自分自身を責めるもの。
生きる意味を見失い、生き延びる辛さを味わっていた彼女は、けれども死ぬ勇気すら持てずに、嫌なことから目を瞑って日々をただ漫然と過ごしていた。
自分よりよっぽど死にたいと思うような経験をしてきたはずの雄二が、なぜ今まで強く生きて来られているのか。
自分は雄二ほど不幸ではなかったはずなのに、なぜ今まだ強く生きられないのか。
「ダラダラと生きているぐらいなら、死ねばいいのよ!」

結論から言って、ヒロイン5人のなかで、みちるが一番悲惨な運命を辿ることになると思われる。
そもそも、みちるルート以外でみちるのその後が語られたのは、由美子ルートでのみ。
しかもその触れ方も、美浜学園がなくなり幸と一緒に他の学校に転校していった、程度のあっさりさ。

美浜学園に来た時点で、みちるの世界はもうほとんど壊れていた。
潜在的に自殺願望があり、しかも実際に命を絶たずにも「眠る」だけで済む手軽さ、そしてバッドエンドでもあったように実際に自殺しようとする強さをも秘めている。
ニャンメルの死は彼女の世界の崩壊にトドメを刺したにすぎず、それが無くともこの先同じようなことはいくらでも起こり得る。
なぜなら「生きることは失い続けること」という言葉自体に間違いはないから。
自殺するか身体を自分の中の少女に譲るかの違いはあっても、みちるが自分であることを辞める日はそう遠くないだろうね。

確かに彼女はとても臆病で人の顔色ばかりうかがう、弱い人間かもしれない。
しかし、彼女の持つ優しさや人を気遣う心配りの細やかさは、彼女自身がその価値を見出していないだけで、誰かを幸せにして、そして自分も幸せになるのに十分値する素質だと思うのだ。
私は、人間は誰しもが強く生きなければならないとは思わないし、生きていればきっと良いことがあるなんて無責任なことも言わない。
だけれど、みちるアフターでの彼女の笑顔を見て、いち松嶋みちるファンとして、心の底から私は思うのだ。
彼女には幸せになってほしい、と。

――今こうしてオマエと、平穏な河川敷で二人座り、ただ過ごしている
――今が夢のようだ。それ以外の夢について考えるのは贅沢すぎる。だから、今の、この瞬間が全てで、それでいい。これ以上は望まない
「あたしも、雄二が全て。そうだね、今が夢みたいだもん。これ以上望むなんて贅沢だね」
「ありがとう、大好き」
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