WHITE ALBUM はるかルート

ホワイト・アルバム、3キャラ目は不思議ちゃんな幼馴染み、河島はるかちゃん。
だらしないけれどとても良い雰囲気を持った女の子。
けれど、その無気力さは生来のものではなく、事故で兄を亡くしたことがきっかけだった。
そのあたりがはるかルートのテーマ。

幼稚園からの幼馴染みである主人公とはるか。
主人公は、はるかがテニスに積極的に打ち込んでいたころも、はるかの兄が死んだときも、そして今も、ずっと彼女の近くにいる。
男女の恋愛感情なんて生まれないほどの距離。あるいはそう勘違いできるほどの。

はるかは、主人公に昔から好意を抱いていた。
けれど、その好意は彼女の兄が死んだときから、兄へのものとすり替えられていた。
主人公がはるかに近すぎたから。
まるで兄のように、はるかに優しかったから。

「結局、何にもなれなかったね、私」
「諦めずに何か続けてたら、ひょっとしたら、私でもスーパースターになれたかも知れないのにね」
「兄さんじゃなくて、私が死ねばよかったんだね」
「そう思っただけ。あの時に」
「結局、兄さんは戻ってこない。当たり前だけど」
「ただ、私が死んだだけ。私は私になるのを自分で捨てちゃったんだ」
「自分になれなかったのに、スーパースターになんて、なれないよね」


はるかの言うスーパースターって、そのまま受け取ればテニスがとても上手かった死んだ兄のことなんだろうけれど、ここではやっぱり由綺のことを指しているんだろうなぁ。
由綺がアイドルとして成功していることというよりも、主人公のなかでのスターだという意味で。
テニスを続けていればよかったという話じゃなくて、主人公の一番であり続けることを諦めなければよかった、っていう後悔。

身体を重ねて、性の呪縛から解き放たれたふたりが見付けたのは、やっぱりどうやっても昔のようには戻れない自分たち。
どう進んでも正しい道へとは戻れない、迷路に迷い込んでしまったような。

――スーパースターになれないまま俺たちはいつも、青空の下に取り残されてた。
――変わることも、変わらないことも許されなかった俺たちが、いつも。


---

全然期待せずに始めたはるかルートだけれど、はるかの魅力にヤラレてしまいました。
とても良い女の子だよはるかは。
こういう独特な雰囲気を持った子って好きなんですよね。

はるかは主人公の親友でもあるけれど、由綺の親友でもある。
親友を裏切れるような子じゃないから、だから辛いんだよね。
エピローグで、自分たちのことを由綺に正直に話そうと言う主人公に、はるかの言うセリフがまた切ない。
「もし、由綺、私のことで泣いちゃうみたいだったら、私のこと、忘れちゃっていいよ」

後悔と、諦めと、安心と、罪悪感と、そういったものが一緒くたになって、取り返しのつかないことになっている。
けれど、それが人生っていうものな気がする。
どうすればふたりが幸せになれたのかが明らかになっていて、それがまた残酷なんだよね。
はるかの兄さんが死ななければ、ハッピーエンドになれたのに。

「こんなはずじゃなかったのにね」
関連記事
category
ゲーム [★★★☆☆]
WHITE ALBUM

Comment

Trackback

http://otabes.blog.fc2.com/tb.php/336-3d33698a