狼と香辛料II 10~12話+まとめ

--- 10話 狼と孤独な微笑み ---

エイブと毛皮取引の商談を始める回。
五十人会議では、毛皮を現金取引のみで売ることに決めたらしい。
建前は、掛取引を認めないことで全ての商人に取引の機会を与えるため。
しかし、遠方から大量の現金を持ってきている商人は少ない。
つまり本音は、会議の結果をあらかじめ知っていて現金を用意している人間に優先的に売る、ということ。
他の商人が金策をしている間に毛皮を買って売り捌けば、仕入れ値の三倍の値段で売れるらしい。

しかし、エイブもロレンスも現金の持ち合わせは少ない。
なので、エイブが貴族であることを利用し、ホロを貴族の娘として質に入れ、金を都合しようという話。

ロレンスは、ホロを身売りする罪悪感と、商人としての使命の間で苦悩していた。しかしホロは。
「わっちはぬしの相棒じゃないのかや?それともただの愛玩用の小娘とでも?」
「わっちは一度ぬしの身代わりになったがな、あれはぬしが優しくしてくれた礼じゃ。じゃが、今度は礼ではない」


儲け話に協力するからこその相棒だし、ロレンスもその商談を成功させるだけの才覚があることを信じているし、ロレンス自身にも信じて欲しい、ということだね。
上のセリフの前のホロのジト目はまじで可愛いね!
今回の萌えポイントはここかもしれない。

ロレンスはエイブの話の裏付けを取るべく動く。
エイブの話はだいたい正しいようだけれど、ひとつだけ、エイブが石材商人だというのが嘘のようだ。
岩塩を石材に加工して、密輸しているのかな。
ロレンスもそれには気付いていて、それを切り札にするに違いない。

酒場の女の子、ヘレーナは今回も登場。
ロレンスに「他の女の人のにおいがするから」といって迫ってくるのはまじでヤバイ。
どうしてモブキャラなのにこんなに可愛くする必要があるんだ!ぐぬぬ

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「要するに、初心を忘れるなということじゃ」
「もちろん、旅を経てきたからこそ、ぬしの手を気安く握れるということもありんす。じゃがな、いつまでも出逢ったままの頃でいたいと、詩人も歌っておるじゃろう?」
――おまえはいいかもしれないが、ずっと出逢った時のままでいたら、俺は気を張りすぎて倒れてしまう
「なぁに。最後は看取ってやるから、安心するがよい」


今回のホロの萌えポイントは、やっぱりここだね。
サブタイトルにもなっている、ホロの孤独な微笑みのシーン。
ロレンスにとってはいつも通りの軽口のつもりだけど、ホロにとっては言葉通りの意味。

--- 11話 狼と別れの決意 ---

毛皮取引話の続き。
ホロを質に入れ、銀貨2000枚の融資を受けられることになる。
しかし、五十人会議の決定が正式に告示されると、怒った商人たちが武装蜂起してしまった。
そして、ホロはロレンスに旅の終わりを提案する。

出会いは金で買えるが、その善し悪しまでは決められない。
没落貴族の娘として成金商人に売られた経験のあるエイブは言う。
いつまでも見たいと思っているときが、一番楽しいとき。
リゴロの庭を眺めながら、シスター・メルタは言う。

「ぬしよ、取り乱して欲しいんじゃが…」
「ここで旅を終えよう」

「わっちは、ぬしとの出会いを良いものにしたい。それにはここで別れるのが一番じゃ」
「この旅はとても楽しい。本当に、永遠に続けば良いと思ったこともありんす」
「じゃから、わっちは怖い」
「登り続けたその階段の先には何がある?やがてわっちらは求めても満たされず、全てのやりとりは風化し、色あせた記憶だけが残りんす」
「じゃからな、わっちは怖かった。この楽しさを加速させる、ぬしの優しさが」


ホロの苦悩は、私が思っていたのとはすこし違ったようだ。
素晴らしい時間だからこそ、その素晴らしさをそのままに記憶に閉じ込めたい。
立派な王国が色あせていくのは、二流の共和国が崩壊する時よりずっと物哀しい。

--- 12話 狼ととめどなき涙 ---

二期最終話。毛皮取引話ラスト。
ホロは、この取引を成功させてロレンスが立派な商人になったところをハッピーエンドとし、物語を終わらせることを望んでいた。
ロレンスの前にある道は、商人として成功してホロと別れるか、商人として失敗してホロに逃げられるか、商人としての矜持を捨て取引を投げ出してホロの手を引くか。
しかし、ホロは最後の選択肢を選ぼうとしたロレンスの頬を張る。

「嬉しい、などとは言わぬ。済まぬ、などとは絶対に言わぬ」
――これで一緒に旅をする可能性は、完全に消えたな。これがお前の望んだことなんだろう?
「…ぬしは計算高く、冷徹な商人だったと記憶しておこう」
「……きっとこの世に神などおらんのじゃ」
「もし神がいるのなら、どうしてわっちらが苦しむのをじっと眺めておるのじゃろうな」


ロレンスはホロを質に入れた金を受け取りエイブに会い、そしてエイブの隠していたことを指摘する。
エイブは教会と組んで石像に見立てた岩塩を密輸し、大儲けしていた。
しかし教会はエイブを切り捨て、寄付金を使って毛皮を独占しようとした。
だから、エイブはそれを利用して、岩塩の密輸の利益とロレンスの用立てた資金をもって教会を出し抜こうとした。
それが成功すれば当然エイブは教会から追われる身となり、ロレンスにも危険が及ぶ可能性がある。
それをエイブは隠していたのだね。

エイブは、ロレンスを盾にするどころか、自分の身を犠牲にするような方法で金儲けに走った。
「金儲けの果てに何か待っていると思うほど、お前は少年なのか」
「俺はあいつの愚挙を見て、その顛末まで見て、それでも尚この道を選んだ。なぜだかわかるか。それはな」
「期待しているからだ」


エイブが期待しているのは、幸運な金で買える出会いじゃないだろう。
自分を買った商人が目指しても見られなかった世界を見ることで、自分が彼よりも優れていることを示したいのか。
お金を稼ぐのはいつでも寂しいことだ。

エイブに気絶させられ、気付いたロレンスの元には金貨はなく、代わりに宿屋の権利書が。
その権利書を持って、ロレンスはホロを迎えにいく。
ハッピーエンドを望んでいたホロは、当然激怒する。

――俺はお前が好きなんだ
「ぬしにわっちの何がわかる」
――何もわからないさ。だがな、ひとつだけ言えることがある
――望んでも手に入らないかもしれない、だが望まなければ絶対手に入らない
――エイブは命がけで利益を追いかけるだろう。それが手に入れた瞬間に色あせるだろうとわかっていても
――その姿勢は商人として見習うべきものだ。だから俺も、真似してみることにした


ロレンスがエイブに殺されかけても知りたかったのは、その決意の源なのかも。
それを聞けて、だからロレンスは笑顔でホロを迎えに行けたんだね。
そして、その想いは通じた。
ふたりは、エイブを追って新たな旅に出ることになったのだった。

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なんだか最後ちょっと駆け足気味だった気がする。
1回観ただけじゃ上手くホロとロレンスの心の機微が掴めない。
私がそういうのがとてもニガテなせいかもしれないけれど。
なんとなくこういうものなのかなーってなぁなぁで納得しているけれど、本当にこういうものなのだろうか。

しかしとうとうキスまでしてしまったね。
まぁいままでのいちゃつき具合なら当然の結末だとは思うけれど。
今回のホロの萌えポイントは間違いなくここ。
「わっちがな、ぬしに惚れたら困りんす…」

--- まとめ ---

ホロが可愛いアニメ枠、狼と香辛料二期目もやっぱりホロが可愛かった。
二期の印象が薄いのは、最終話の12話が妙な終わり方をしたせいだろうな。
何度も観直して、さらに原作が続いていくことを知っていればしっくりくるのだろうけど、アニメだけで完結させようとすると、とても後味が微妙なことになってしまっている。
もしかしたら三期を作ることを前提とした構成なのかもしれないけど、しかし放送終了から二年いじょう経った今でも、その気配は感じません。

ホロの魅力、シナリオの完成度、世界観の雰囲気は一期と変わらない高い完成度を誇っている。
この辺はアニメーション制作会社が変わった影響はあまりないようだ。
しかし、後半の作画がちょっと雑だった気がしたのは気のせいだろうか。
アップは当然きっちり描きこんであるのだけど、引きの絵になると途端に適当になるっていうか。

しかし、(もし三期がないとして)二期で完結しないのなら、一期だけでも良かった気がする。
こういうのがあるから、シリーズモノは一作目が一番良い、って言われてしまうんだよね。
残念ながらこのアニメもその傾向はあるかもしれない。
ただ、ホロとの関係が進展したのは大きいね。

三期が来るなら絶対観るよ!
二期まで合わせて、変わらず★3評価のままです。
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アニメ [★★★☆☆]
狼と香辛料

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