リアル妹がいる大泉くんのばあい 栞ルート ~リアル妹がいる大泉くんのばあい~

二周目プレイ:加筆修正 2012/07/12

ラストはメインヒロインなお兄ちゃんに冷たい現実妹、大泉栞ちゃんを攻略。
声優は遠野そよぎ。「School Days」の桂言葉、「穢翼のユースティア」のイレーヌ、「恋愛0キロメートル」の木ノ本咲耶あたりでお世話になっている。
クーデレらしい冷めた演技が光っていました。

栞ルートは、他2ルートを攻略しないと解放されない、トゥルー的位置付け。
描かれるのは、義妹の願いと、血の繋がった兄妹の絆。

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大泉兄妹は、両親の離婚によって離ればなれになりそうになっていた。
主人公の未来の義妹になるかもしれない少女、月吉舞。
大泉麻衣は、難病で死期の迫った舞の願いを神様が聞き届け、現われた女の子だった。

そうだ、探しに行こう。自分なりに探してみよう。
みんなが幸せになれる未来。そして、私が今日まで生き続けてきた意味。

どうか、あのふたりがずっと兄妹でいられますように。


ふたりとも離婚の話は知っているのは自分だけだと思っていた。
主人公は、栞がショックを受けるだろう告白をする踏ん切りがつかずに、残された時間でせめて兄らしいことをしようとしていた。
栞は、近い将来妹でなくなる現実を肯定するように、兄に冷たく当たっていた。

不仲だった両親の間で、幼い兄妹は互いを守るように寄り添って生きてきた。
そのことが親の目に止まり、主人公は折檻される。
その後、兄妹は互いを守るために離れて生きるようになった。

やっぱりこの兄妹も、互いをかけがえのない存在だと思っていたからこそ、この距離感だった。
すれ違いとは違う、兄妹は結ばれちゃいけないという倫理の壁。
そのせいで栞は、好きな人を好きだと言えず、悲しいときに泣くこともできない女の子になってしまっていた。
そして主人公は気がつく。
壁を恐れちゃいけなかった。兄として、妹にちゃんと向き合わなきゃいけなかったんだと。

――誰にも祝福されなくたっていい。たとえ世間から冷たい目で見られても、俺は栞を守りたい。
――でも、まだ栞にはその覚悟を聞いてなかった。
「……そうだね。きっと兄妹でそういう関係になったら、普通の人たちは気持ち悪いって思うだろうね」
「でもね、お兄ちゃんと一緒に悩めるんだったら怖くない」
「お母さんたちにも叱られて、反対されて、悲しくて泣いちゃうかもしれないけど……」
「仕方ないよね。だって、こんなにお兄ちゃんが好きなんだもん」
「小さい頃からずっとずっと好きだったんだもん」
「……だからへーき。何があっても、お兄ちゃんと一緒なら怖くない」

「ねえ、お兄ちゃん。わたしのこと、愛してる?」


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こうして血の繋がった兄妹は絆を取り戻し、義妹の願いは叶う。

「私は栞さんの代わりにはなれません」
「どうがんばっても、私は大泉涼さんの妹にはなれないんです」
「その資格があるのは、栞さんだけなんですよ?」
「私はいつか消えていく存在です」
「だから、今のうちに言わせてください」
「どうか、幸せになってください」
私は他人に何かを与えることができたのかな。
消える前に、何かを遺すことはできたのかな。
それはわからないけど、でも――
「ありがとう、麻衣」
栞さんは、そう言って私に微笑んでくれた。


そして、麻衣は舞として自分のできることをするため、ふたりの前から消える。
与えられてばかりの麻衣ではできないこと。
舞として与えることができること。
それをするために。

麻衣が自分の記憶を消してもらったのは、兄妹の絆があまりに完全すぎたから、それを損ないたくなかったんだろう。
あるいは、舞の生きてきた意味を残すのは、麻衣ではなく舞としてしなくちゃいけないと思ったからか。

これが正しい選択だったのかどうか、私にはわからない。
主人公と栞に言わせたら、きっと間違いになるだろう。
けれど、エピローグの月吉舞の快癒が、麻衣の高潔さを神様が祝福したものなのだとしたら、正しかったんだろうなぁ。
俗っぽく考えれば「その方がお涙頂戴な展開になるから」なのだろうけれど、でも私が麻衣の立場だったとしても、きっと同じ選択をするような気がするよ。

「あなたからもらった思い出だけで、私は生きていける」


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兄妹の絆を取り戻せたのは、主人公が一歩踏み込んだから。
そして、そんな強い主人公に依存しかかっていた栞に、最後にはきちんと道を指し示す。
一緒にいて助け合うだけが兄妹じゃない。
離れていても決して切れない絆があるから、だから兄妹なんだ。

「俺に甘えるな」
「栞には栞の道がある。俺たちは兄妹だけど、妹は兄貴の後ろをついてくるだけじゃいけない」


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麻衣の存在感はやっぱり薄い。
けど、それは麻衣がそう望んでいたのだから当然のことだったんだね。
それでも少し残念だったかも。

私には妹がいないので、主人公と栞の兄妹関係にリアリティがあるのかどうか、よくわからない。
けれど、やはり血の繋がりというのはとても強い絆なようだ。
世界の崩壊に一緒に向き合い、再構築したふたりならさらに。
そのあたりの描写がとても上手だったと思う。

私は家族の絆とかまったく実感が持てないけれど、それでもなんだかとても良いものに感じられた。
というか、ものすごく妹が欲しくなった。
そして妹キャラが大好きになってしまった。どうしよう

そしてなにより、プレイしていて楽しかったよね!
栞と麻衣が一緒にエロゲーをプレイしちゃうあたりとか。
あそこから派生する展開は素晴らしい。

「女の子とニャンニャンするゲームに金を払ってるのに、なぜ男と絡まなきゃいけないのか……」
「不意打ちでそういうのが入ってるとキツイね」
「ホモが悪いんじゃないんだよ。ユーザーとしては、そういうのはきちんと棲み分けしてほしいってだけでな」
なんて台詞の直後に唐突に入ったホモ展開には、まじでわろてしまったよ!

ちなみにエッチシーンはもう一歩だった。
あれはあれでよかったんだけど、栞の持つ潜在能力を生かし切れてなかったね。
「命令して……」のあたりで、主人公にもっとはっちゃけて欲しかったよ!
このシナリオライターなら、主人公のキャラを損なわずに鬼畜展開にもできたはずだよ?

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人間は誰だって、いつかは死んでしまう。
それが早いか遅いかの違いだけで。
それなら私は、その瞬間。
こうやって笑顔で自分の家族に言いたい。
「ありがとう」

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