ハナヒメ*アブソリュート! まとめ

シナリオ

最初に結論を言ってしまう。
純粋なシナリオ面での評価は、☆1・駄作レベル。

このゲームの大きな欠点の一つであり、キャラ萌えゲーに寄せ過ぎていてシナリオ的な魅力が薄すぎるのだ。
(この問題はクルくるの時から変わらない気がするのに、クルくるでの批評を受けて改善したとの制作側のコメントもあった。
 なのにこれなのだから、ひょっとしたらこのシナリオが制作側の目指す一つの到達点なのかもしれない。あんまり理解できないけど……)
細かくツッコもうとすればいくらでもできてしまうし、他所のレビューでもやっているようなので、私は省きます。

そんなご都合主義のカタマリといった感じのこのシナリオだけれど、この作品全体に漂うゆるゆるの世界観が、なぜかとても好き。
体験版の記事にも書いたけれど、ソシャゲのプロゲーマーという職業が存在していて、ゲーム内のキャラがVRで現実に出てきたと思ったらなぜか主人公と住みはじめて(もちろんご飯も食べるしエッチもできる)、合宿したいなーって思ったら学園の理事長が交通費も滞在費もオゴリで沖縄に連れてってくれて、もう最高かよ?

この突き抜けた世界観を作り出したシナリオは、もはやすがすがしい。
常識とか世俗のしがらみとかそういう一切合切を置き去りにして、ひたすら学園ラブコメに邁進する。
私たちがギャルゲーを始めたときに求めていたものって、ひょっとしたらこれだったのかもしれない。

そんな原始的な衝動を思い出させてくれるような、不思議な雰囲気のシナリオでした。

テキスト

文章自体はフツーのギャルゲーです。
誤字脱字がゼロなのは好印象。

ただ、どういうスケジュールでこのゲームを作ったのかわからないけど、テキストとグラフィックの連携が取れてない個所がちょこちょこあったのが気になった。
例えば、テキストでは外出しなのに絵が中出しだったり、「制服エッチしようよ!」ってヒロインが制服着てきたのに一枚絵では全裸だったり。
こういうところは非常に残念。

グラフィック

かんなぎれい氏の描く女の子たちは、至高の可愛さ。
というか、単純に私の好みの絵柄。
結果、猫屋敷メアちゃんが私のギャルゲーヒロインランキングのNo.1に君臨しました!
痛車作るときはピンクのメア号にしちゃうよ!!

ただ、めっちゃ可愛いんだけど、絵はそんなに上手くない。
エッチシーンとかちょっとパース狂ってるしね。
でもかわいい! 好き!!

男の子たち? 女性ファンを取り込もうっていう作戦なのかな?
まぁ……いいんじゃないですかね?

特筆すべきは、背景をはじめとした、ポップでキラキラな彩色。
これはかんなぎれい氏のセンスなのかな? それとも、色彩設計をしたま~まれぇど氏のセンス?
ものすごく私好みなんです!
そもそも、ヒロインに黒髪と金髪がいないってすごくない?

ついでに、料理のカットインがいちいちおいしそうなのも高評価。

Hシーン

テキスト的な興奮度はボチボチ。
いちおうオチンポオマンコ言ってくれるし、実用と言っていいと思います。

ただ、シーンの構成に疑問は残る。
戦う変身ヒロインものなのに、変身衣装でのシーンが実装されてないヒロインとかいるし。なんで?
あと、シーン中での表情差分はやっぱり少ないと思います。

音楽・ムービー

ボーカル曲を担当しているfripSideはさすが。
テーマソングとしてエンディングに使われたりBGMにアレンジされたりしている「happy colorful day」が名曲。

そのBGMを担当しているのは、クルくると同じくアメディオ氏。
なるほど、だからハナヒメは「BGMがいいゲーム」タグがついてるんですね!
……あれ、ついてない? じゃあつけよう(提案)

OPムービーの監督は、渡辺明夫氏。
この先は……言う必要ないですよね。

システム(バトルミニゲーム)

このゲームの大きな欠点、その2。

基本はクルくるを踏襲したもので、クルくるの正常進化……と制作側は思っているのだろうけれど、実際はただの劣化。
進化したのは3Dを使用したビジュアル面のみで、そうやって要求スペックを上げていった結果、エラー落ちが頻発するように。
発売から1年が経ってVer1.3までアップデートされているにも関わらず状況が変わっていないということは、おそらくシステムの設計段階に大きな欠陥があったのだろう。
メジャーアップデートあくしろよ

細かいところでは、コマンドが随時入力から先行入力へと仕様に変わっていたため、EXゲージが使い切れず、なんだか不完全燃焼。
ヒロインやボスがコピーアバターとかいって分身するのもちょっと意味不明。

システム(その他)

ゲームデザインが神。
そりゃ萌えゲーアワードも受賞しますよ!

ユーザビリティ的にも十分。
システムボイスを誰にするかもちゃんと選べるんですねぇ!

総評

2016年8月発売枠、2016年萌えゲーアワード、ゲームデザイン賞金賞受賞作。
私にとって、ギャルゲーと呼ばれる女の子と仲良くするゲームに求めているものの数多くが詰まっている作品。
グリザイア並みにグッズを集めてしまっている作品でもある。

ビジュアル面が至高。
そして、それが作品を一貫したテーマとして確立されている。
言ってしまうと、イノグレみたいな「雰囲気」が作り出されているのだ。

シナリオかバトルシステムのどちらかが及第点に達していたなら、真面目な話、神作に認定していたかもしれない。
そのくらい、私のツボな作品でした。

たぶん、好みじゃない人がプレイしたら、☆2・60点とか、そんなレベル。
けれど、私はこのブランドとかんなぎれい氏の作り出したこの世界観・ヒロインが大好きだし、これからもこのセンスを持ち続けてほしいと思っている。
こういう「雰囲気」は誰にでも作れるものではないし、もし作れる人がいるのなら、もっともっとこういうゲームを作ってほしい。
そんな期待も込めて、ハナヒメ*アブソリュート!、★4・傑作評価とします。
批評空間ベースでは87点です。
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ゲーム [★★★★☆]
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