ゴールデンアワー まとめ

シナリオ

ゴールデンアワー。
日没後、光源となる太陽が姿を消しているため限りなく影のない状態が作り出される、薄明の時間帯。
色相がソフトで温かく、金色に輝いて見える。よく芸術的な写真が撮れることから、マジックアワーとも呼ばれる。

舞台が3年生の秋から冬にかけてであり、学園生活が残りわずかであること。
そして、メインヒロインであるユキに残された時間もわずかであること。
これらを含め、このゲームにおける「ゴールデンアワー」は象徴的な時間帯になっている。

まず、世界観が特筆すべき独特さと言っていいはず。
このゲームでは、舞台を限りなく「リアル」に近づけようとしているのだ。
主人公たちは渋谷で遊び、代々木公園でクレープを食べ、道玄坂へ行く(行ってないっけ?)。
だから制服も奇をてらわないスタンダードなブレザーだし、瑠璃もユキも髪を「染めている」のだ。

そんな舞台で紡がれる少年少女の物語は、切実なリアルが感じられる。
世界の危機も訪れず、超能力なんかない世界でも、もちろん彼ら彼女らには悩みがあり、それを正しく解決するのはとても難しいことなのだ。

ただ、期待していたようなテーマは、あんまり掘り下げてくれなかった。
私が期待していたのは「目標に挫折した主人公が、どう救われるのか」と「存在理由を求める少女」の二点。
もちろんシナリオ上で触れないわけではないのだけれど、そこをメインテーマにしたシナリオではなかったので。

個別ルート別評価
  瑠璃 ≧ ユキ > その他

瑠璃ルートが、この作品のリアルさを最も感じられるシナリオになっている。
もちろん主人公やヒロインの行動に気にくわない点がある諸兄もおられるとは思うけれど、まだ彼らは18歳なのだ。
それも含めて考えたら、やっぱりリアルだと思う。

ユキルートは、まぁグランドエンドに相当するものなので、それなりに力が入っている。
とは言え、ちょっと息切れしちゃった感もある。
でもユキちゃんはやっぱりかわいいからね、私がクーデレ好きなだけかもしれませんが。

その他の女の子たちは、好みで攻略したらいいと思います!

テキスト

ライターはMORE専属の人かな。
ちょいちょい誤字脱字が目立ったのが興ざめ。(パッチは当てたはずだよ?)

あと、ゴールデンアワーを説明してくれるユキちゃんのセリフがWikipediaの丸パクリってどういうこと?
こういうのでレポート提出しても採点しませんって大学の教授に言われなかった?
……まぁ、ゲームのシナリオを書いてから、ライターさんがWikipediaを編集した可能性はある。
だとしたら、2015年9月以前からこのゲームを書いていたわけで、それでこの完成度っていうのは、うーんどうなんですかね? って感じになっちゃうんですが、どうなんですかね?

ただ、時々印象的なセリフはあった。
私のお気に入りは、ユキちゃんのクールな優しさが詰まったこのシーン。
それでは、まずはサッカーを辞めた心の内を吐露する主人公。

「時間は掛かったけど、俺の怪我はもう治っていて頑張ってリハビリすれば復帰できるかもしれないって」
「でも俺は……辞めたんだ。頑張る事を辞めたんだよ」
「頑張ってもしサッカーが出来なかったら、出来ても以前のようにプレー出来なかったら……」
「怪我をして何か大事な事を失ったような気がして怖かったんだ」


それにこう返しちゃうユキちゃん。
これが彼女なりの励まし方なんだよなぁ……こういうことが言える子が大好きなんですけど、これってなに萌えなんでしょうか?

「……馬鹿じゃないの」
「別にサッカーが全てじゃないでしょ?」
「サッカーが出来なくなったくらいで終わったんだったら死ねば?」
「あんたはまだ始まったばかりじゃない」


声優

瑠璃ちゃんのCV:ヒマリ以外、あんまり印象的な人はいなかったなー。
下手ならそれはそれで印象に残るので、悪くないキャスティングだったのでしょう。
ヒマリの声もかなり好みは分かれそう。私は好きだけどね!

グラフィック

「グラフィックが綺麗なゲーム」タグがつきそう。
背景は丁寧だし、塗りも綺麗。
画力は……女の子はかわいいし、身体の描き方もエロいとは思うんだけど……なにかが物足りないような……。

イベントCGおよそ100枚というボリュームは、悪くない。
しかしヒロイン一人あたり15枚ほど割り当てられた一枚絵のうち、日常シーン用が4枚ほどって、ちょっと少ないような気がしなくもない?
ただ、Hシーンが少なくなるとそれはそれで文句が出るのだろうから、いろいろ難しいのかもしれない。

Hシーン

実用性はある。
あんまりオチンポオマンコ言ってはくれないものの、ライターの情動は十二分に感じられる。
こう、女の子を征服しちゃいたいなーって感じの!

グラフィック面も、深い挿入と浅い挿入の差分があるのは、痒い所に手が届く感じ。
きっとそのうち「うごくHシーン」が実装されるに違いないね!

音楽

ゴールデンアワーを「BGMの秀逸なゲーム」に入れてもいいですか?
というか、一曲だけマジで好みのBGMがあるんだよなぁ。
タイトル画面の「Insomnia」も悪くないんだけどね、「Neon Sign」が名曲すぎるでしょう。
それ以外はフツー。

ボーカル曲のクオリティも上々。
これはあれですね、プロデューサーが作曲家なやつですね。
ゲームの雰囲気がよく曲に反映されていると思います。

システム

まったく不満はありません。
バックログジャンプがあるのはナイス。

総評

2017年7月発売枠、「忘れられない青春を過ごす恋愛アドベンチャー」。
Hシーンも重視したシナリオゲー。

細かいところに粗はあるものの、全体的な雰囲気はとてもよい。
ただ、それは雰囲気ゲーとも言えてしまうわけで、そこから一段ステップアップするためには、やっぱり肝心な個所の説明描写が足りていなかったように思われる。
(特に、悪魔について)
(とは言え、現状で十分満足しているユーザーもいるようなので、私の読解力に問題がある可能性も?)

私の評価は★3・良作です。
批評空間ベースでは、73点。
このブランドには次回作も期待してみたいと思います。
関連記事
category
ゲーム [★★★☆☆]
ゴールデンアワー

Comment

Trackback

http://otabes.blog.fc2.com/tb.php/1046-d3ae3df7