Re:LieF ~親愛なるあなたへ~ プロローグ

2016年10月枠その2は、「Re:Lief」をプレイ。
(今さらとか言わないで! ここで11月枠をプレイしちゃうと、完全に積みゲーになってたし!)

選んだ理由は、①「OPがすてき」、②「絵柄(特にHCG)が好き」、③「テキストがいいと聞いたから」の3点。

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社会生活で挫折したりうまく適合できなかったりした人たちに、もう一度学園生活を体験させることで、再び社会へと踏み出すきっかけを提供する公的事業――トライメント計画。
物語の舞台は、外界と隔絶された小島で行われる学園での寮生活である。
世界観のわかりやすい例として、物語の導入は、ヒロインの一人・箒木日向子の主観によってなされる。

高卒で就職したものの、度重なるパワハラにより、心が壊れるほど追い込まれてしまった彼女。
大きなプレゼンでの失敗がトラウマとなり、入学時の自己紹介で気絶してしまうほど心に傷を負っていた彼女が、その痛みを乗り越え、一歩を踏み出すまでが、プロローグとなる。

――と、あらすじだけ書いてしまうと、平凡なストーリーではある。
けれど、その「どこにでもあるお話」に説得力を持たせてオチをつけるテキストには、ただならない力を感じる。

たしかに、ブラック企業が存在する社会が悪いのかもしれないし、それを取り締まりきれない政治が悪いのかもしれない。
それだって間違いではないのだろうけれど、では「なぜそういった環境に身を置き続け、自分自身を守ることができなかったのか」という問いに答えなければ、同じ過ちを繰り返しかねない。

同じような体験を持つ友達と傷を舐めあうわけでもなく、他の成功体験で自信を取り戻して過去の傷を癒すわけでもない。
自分自身と向き合い、なにかを変えていかなければならないのだ。
彼女がそれに気づく「卒業アルバム」のエピソードは、私の心をえぐるようでもあった。

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……私が恐れているのは何なのだろうと、あれからずっと考えていた。
失敗が怖い?
みんなに白い目で見られるのが怖い?
失敗したって死にはしないと、大舘さんはよく言っていた。
それはそうだ。この学園は、そういった失敗から生徒を守るためのものでもある。
では、何が?
そう自問して、気付く。
私は、「あのときの私」に戻りたくないのだ。
ボタンを掛け違えたまま、がたんごとんと電車に揺られ、罵倒とプレッシャーと残業にまみれたあの日々に。
私にとって、プレゼンの失敗はその象徴だ。
目的を持たない無味乾燥な歯車が、ぽきりと折れたそのきっかけ。
……だから私が立ち向かう先は、「あのときの私」そのものだった。
まるで失敗したらそのまま、またあの日々に戻されてしまうのではないかという、荒唐無稽な恐怖感。
胸の奥から湧き上がるその嫌悪感は、過去の自分に対する今の自分の感情そのものだ。
私はそれを否定せず、受け入れてなお、一歩、前に進まねばならない。


そうして行われる彼女の「二度目の自己紹介」は、控えめに言って、とても心に響くものになっていた。
このシナリオライターは、ちょっとただ者じゃないよ!

「……当時の私は、何も持っていませんでした」
「目的も、矜持も、信念も。何一つ持っていなくて、けれど歯車になるだけの胆力もなくて、だから私は壊れてしまった」
「たぶん、ここに居る人の中には、私と似た経験をした人も、私よりずっと大変な経験をした人もいると思います」
「それを比べることはしませんし、できないでしょう。でも、だからこそ、私はみなさんとお話したいし、みなさんのお話もお聞きしたい」
「自分は何者なのか。何を求めて、何ができるのか。少なくとも私は、それを探すためにここに来ました」
「それを持っている人は、参考までに教えてほしい。同じものを探している人は、一緒に探しにいきましょう」
「私はこの、2度目の学園生活という不思議で特殊で、とても大事なこの機会を決して無駄にはしたくありません」
「このトライメント計画で、一緒のクラスになったというのも何かの縁です。ほんの1年間ではありますが、精一杯頑張りますので、みなさん、どうぞよろしくお願いします」

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ゲーム [★★★★☆]
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