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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編

映画館に観に行くと、特典がもらえるキャンペーンを今回もやっています。
品切れのところもあるようなので、気になる人は場所を選びたいね。

公開一週目は、書き下ろしカラー色紙、全5種。
私は「新宿バルト9」で、さやあんのツーショットでした。
まどほむがよかったなー!

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新編 叛逆の物語

鹿目まどかの消えた世界で、暁美ほむらは魔獣と戦い続けていた。
戦うことが奇跡を願った代償で、それが彼女の存在意義だった。

ほむらの希望は、まどかとの再会。
けれど、長い戦いを経て、いつしか彼女は自らの希望を信じられなくなってきてしまった。

強すぎる優しさを持つ、たった一人の、最高の友達。
その記憶を持つのはほむらただ一人で、その孤独を共有できる人はどこにもいない。
過去の魔法少女たちはすべて円環の理に導かれ、新たに魔法少女が生まれることもないのだから。

人は一人では生きていけない。
ほむらは、自らの孤独に耐えられなくなり、いつしか希望は絶望へと変わり――魔法少女は魔女へ変わってしまう――はずだった。

本来ならば、そこで神の救いが訪れるはず。
しかしキュゥべえは、魔女になろうとするほむらの周囲に守備防壁のようなものを張る。
そうして、円環の理に導こうと顕れた鹿目まどかと、その従者である美樹さやかと百江なぎさ(シャルロッテ)は、魔女・ホムリリィの結界に囚われることとなってしまう。
そして(おそらくほむらとは別に魔法少女として魔獣と戦っていた)佐倉杏子と巴マミも、その結界に絡め取られる。

そうしてできたのが、映画前半「プエラ・マギ・ホーリークインテット!」な、ナイトメアという悪夢を倒す、魔法少女5人組の平穏で温かい日常。
それがほむらの望んだ世界で、ほむらの弱さだった。

けれど、強い彼女は、その嘘にまみれた欺瞞が許せなかった。
世界の秘密を暴き、諸悪の根源である魔女を打ち倒そうとする。
――しかし、魔女は自分なのだった。

ほむらは、まどかのいない寂しさに耐えきれない自らの弱さに向き合えなかった。
夜の花畑で、まどかに弱さの一片を見せてしまう。
するとまどかも言うのだ、「私はどこにも行かない。そんな辛いこと、私にも絶対耐えられないから」と。

その時、ほむらは初めて気づく。
まどかは、本当は神になんてなりたくなかったのだ、と。

---

鹿目まどかという神は、希望の象徴。
絶望に染まりそうになった少女たちの、最後の救い。
そういう存在になることを望んだ彼女は、自らを犠牲にしてでも世界の役に立ちたいと願う、とても優しい女の子だった。

けれど、その果てで、まどか自身は永遠に救われることはない。
だから、ほむらは概念だった神から、人間だった頃の記憶をはぎ取り、再び鹿目まどかという少女を顕現させる。
世界を書き変えた悪魔は、愛する少女にこう願うのだった。
――あなたはあなたのままでいて、と。

最後に愛は勝つ。
希望を殺して。

---

一部では、ほむほむヤンデレ乙だとか言われているようだけれど、私はそうは思わない。
まどかは「自分を犠牲にして世界を救うこと」を望んだが、ほむらは「世界を犠牲にして愛する人を救うこと」を望んだだけ。

どちらを支持するかは、本当にその人の性向による。
私は……ほむほむを支持したいかなぁ……。むつかしいね

けれど、ほむほむ自身が幸せになれたわけではない。
彼女は世界から堕ちていくしかないのだ。

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TV版と同様、★5つ神作評価を継続。

映像的なクオリティは、今までと同様、まったく文句なし。
ときどき妙なカットが入ってきたりして、笑ってしまいそうになったけど。さやかのブレイクダンスとか

シナリオ的なクオリティは、やはり虚淵玄だった。
マミさんとのバトルへの入り方しかり、ほむらが円環の理に導かれてハッピーエンドかと思わせておきながらの悪魔化しかり。

新キャラのなぎさちゃんは大した役どころを与えられず。
さらに、この終わり方だと続編が作られそうな、そんな雰囲気もあるよね。
べすとさんはまどほむレズいちゃハッピーエンドを望みます。だめですか?

劇場版だと気になったところを止めて見返せたりしないので、細かいセリフ回しなどのニュアンスは汲みとれていないかも。
考察にツッコミどころがあったらごめんなさい。
二周目を見たら、もう少し記事の完成度が上がるかもしれません!
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アニメ [★★★★★]
魔法少女まどか☆マギカ

ゴア・スクリーミング・ショウ まとめ

――世界が憎い、と少女は笑う。
憎しみ、絶望、嫉妬、殺意、悲観、同情、固執、不安……。
闇に閉ざされた世界のただ中で、少女はつぶやく。
幸せになりたい――


シナリオ

ゴア・スクリーミング・ショウ!
まず、このタイトルがすばらしいね。なかなか考えつくものではない。

企画・原作は「上田メタヲ」。
屍メイドちゃんと鬼畜なご主人様」の原画担当の人。
陵辱、触手、解体など(あと、デスメタルも)上田メタヲの世界観が果てしなく広がっている。

まず目に付くのは、そういったグロテスクな展開の数々。
人間のあらゆる負の感情を凝縮したヒロイン・ユカと、それらを一欠片ずつ持つあかね、葵、希衣佳。
ユカはゴアという破壊願望を駆使し、汚い世界を浄化していく。

皮膚は偉大な防臭剤。
希衣佳のバッドかな? 誰かがそう言っていたよね。たしかにその通りだ。
だからバットエンドではいつも、ヒロインたちの隠された汚い部分を暴くかのように、皮膚を剥き、内臓をさらけ出すものになる。

しかし、そういったユカの憎しみは、ヒロインたちに向けられているようでいて、世界すべて――ひいては、その世界を持つ自分へと向かっている。

「時が止ったから」
「だからユカは、世界がずっと憎い。何もかも嫌い。お腹が空いて、痛くて、寂しくて、寒くて、気持ちが悪くて」
「――そして一番、ユカはユカのことが嫌い。ずっと汚いままだもの」


井戸に閉じ込められたユカは、自らの負の感情と向き合い、初潮を迎え――
――しかし、大人になることを拒絶した。
自分が汚れているのは仕方がない。
けれど、自分が汚れていることにすら気づかず、のうのうと生きている人間が憎くて仕方がなかった。

そんな少女を受け容れてくれた唯一の存在が、幼少期の主人公。
彼こそが、ユカにとってただ一つの光で、希望だった。
その希望のともしびが燃えはじめ、止まった時が動き出すと、ユカはようやく自らの呪縛から解き放たれる。

このゲームは、少女が大人になる過程を描いたものなのだ。

個別ルート別評価
  ユカ > あかね > 希衣佳 > 葵 ≧ 闇子

ユカルートは、いかんせんトゥルーのオーラスがきれいにまとまりすぎている。
あれはずるいよ。高評価をつけざるを得ない。

あかねルートは、ビッチあかねちゃんがかわいすぎてヤバイ。
しっかり者な幼馴染みのあかねちゃんが狂気に染まると、世界が途端に非日常化してきて、ものすごく不安になる。
そういった危うい均衡が演出されていて、楽しいルートだったな。
あと、井戸に閉じ込められてからの脱出シーンのサスペンス具合もなかなか。

希衣佳と葵ルートは、やや押しが弱い印象。
楽しいは楽しいけれど、あかねルートに比べたら見劣りしてしまう。
闇子ルートは、私が年上のお姉さん属性を持っていなかったせいか、あまりハマれませんでした。

テキスト

シナリオそのものを書いたのは「草壁祭」。
ギャグ要素はほとんどなく、文章的な面白みも薄い。
けれど、読み物としての表現力はなかなかで、世界観とうまくマッチしていたように思う。

輝いていたのは、あかねルート・井戸の底での、ゴアの登場シーン。
あのときのゴアの名乗りの上げかたは、恐ろしく格好よかったな!

グラフィック

クオリティ自体は、やや時代がかって見える。
仕方ないよね、もう7年も前のゲームなんだもん。

ただ、遠慮のないグロさは今でも輝きを失っていない。
のーみそ見えちゃってるユカちゃんの立ち絵はすばらしかった。ああいうのもっとほしかったな!

ところどころ見惚れてしまうような一枚絵もあった。
というか、ユカとゴアはとても絵映りがいい。
ユカルートラストの由規と戦うシーン、ユカを抱えたゴアが背中に満月を背負うCGには惚れ惚れしました。

Hシーン

輪姦、陵辱、リョナが好きな人にはかなり使えるのではないでしょうか?
和姦もあるにはあるけれど、そういったものたちと比べてしまうと、どうしてもインパクトは薄い。
テキスト的な興奮度は、普通の純愛ゲーム並み。

音楽

オープニングとエンディングは「電気式可憐音楽集団」。
ただ、オープニングムービーは作中にほしかった。
この時代のゲームって、ゲーム起動と同時に流れること多いよね。
それだけが残念。

BGMはまぁまぁ。
私はあまりこだわりがない人なので、なにも不満はありませんでした。

声優

可もなく不可もなく。
強いて言うなら、可寄りが木村あやか(一柳あかね)。不可寄りが北都南(さいたま闇子)。

あ、ゴアを忘れていたね!
あの一人芝居は熱演でした。すばらしい

総評

ただのグロゲーと侮るなかれ。
人間という存在に踏みこんだ、深遠なテーマがそこにはある。

とは言え、グロテスクな要素がものすごいインパクトを持っているのも間違いない。
人間の負の部分を描くには、仕方がない部分でもあったとは思う。

そして、ややテーマを偏重しすぎて、「石」や「真白」といった鍵になるものについての掘り下げかたが甘いようにも思う。
……もしかしたら、ヒントは出てるのに私が読み解けていないだけかもしれないけれど。

愛とか恋とか勇気とか正義とか、そういった正の側面から世界や人生のすばらしさを語る作品は数多い。
けれど、憎しみや絶望や嫉妬や殺意などといった負の側面から、そのすばらしさを語る作品は希有。
普通の純愛ゲームに飽きてしまったら、是非手にとっていただきたい作品の一つだ。

もしこの「ゴア・スクリーミング・ショウ」が面白ければ、「沙耶の唄」「euphoria」「闇色のスノードロップス」なんかも楽しめるのではないかな。
ちょっと毛色は違うけれど、「螺旋回廊」シリーズも楽しいかも。

私の評価は★4つ、満足の秀作でした。
さすが名作と言われるだけのことはあるな
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ゲーム [★★★★☆]
ゴア・スクリーミング・ショウ

ゴア・スクリーミング・ショウ ユカルート+

「ユカは世界中のみんなが憎いけど、恭司は、恭司だけは好きなの。恭司がいないと、ユカの世界は真っ暗だよ」
「恭司じゃなきゃいや……恭司のことが、ずっと前から好きだったの。ようやく会えて、嬉しかったの」
「ユカの中には、恭司しか綺麗な物がないの。だから――助けて、恭司……っ!」


Gore Screaming Show、ラスト5キャラ目は狂気のヤンデレ少女ユカこと、紫。
実はロリババア属性も持っているはずなのだけれど、そこにスポットがことはほとんどない。残念

声を当てているのは、みる。
有名な声優さんだと思っていたのだけれど、私は紅緒あずさ(最果てのイマ)、羽桐れもん(ピュアガール)あたりでしかお世話になっていなかった。
情感豊かなロリ声は、なかなか悪くない。
ややキンキン気味で、ずっと聞いてると頭痛くなりそうではあるけども。

トゥルーなユカルートで回収できたのは、3+1エンド。
恭司がゴアとなって紫の狂気をなぞる「閉ざされた世界」。
トゥルーかと思いきや、暗雲立ちこめる「時果てる夢」。
そして、再会を示唆されるグランドエンド「時果てる夢 -promise-」。

これらをすべて回収すると、ハーレムバッドな「真なる皇国への扉」が開かれる。

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ユカルートでは、オープニングでの出会いから、恭司がやたらとユカを意識するようになり、ユカとの爛れた関係にずぶずぶとはまっていく。
結局、恭司の目は由規がピストルを持って館に殴り込んでくるまで覚めず。
そして、逃避行の果てにエンディングが分岐していく。

信号機三人組な正ヒロインたちを一人でも殺してしまうとバッドエンド。
ゴアと恭司が同一化していって、最終的には恭司が新たなゴアになる。
そして「触手モノの和姦」という、世にも珍しいエッチシーンへと続く。

ユカの凍えた心を溶かしてやると、トゥルーエンド。
恭司が生の虚しさに囚われず、ユカの幸せを願うこと。
きっとそんな恭司の温かさに触れ、ユカはこう思ったんじゃなかろうか。

――今まで自分がしてたことってなんだったんだろう。
――世界って案外捨てたものじゃないのかも。

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さて、他人の痛みにまったく無頓着な少女として描かれてきたユカが、一体どんな壮大な過程を経て恭司に惚れているのだろう?
気になるその理由も、もちろん語られてはいるのだけれど、やや弱かったような気がしなくもない。
もう少しドラマチックな展開がほしかったような……。

一言でまとめてしまうと、ユカにとっての恭司は神そのものだったのかもしれない。
世界から嫌われていると思い込み、すべてが憎いと言う少女の、そのすべてを肯定してくれる存在。
時が止まった少女にとっては、その温かい思い出が、たった一つの明日を生きる希望となったのだろう。

少女はただ、幸せになりたかっただけ。
さて、狂っているのは少女だろうか? あるいは世界なのか?

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ちなみにハーレムなバッドエンドというのも、また珍しいエンディングだったなぁ。
真白と石、そして妙な儀式についての深くは語られない。
とにかく石強すぎわろえない

強いて言うなら、このハーレムエンドは、グランドエンドの前に見られるようにしてほしかったなぁ。
グランドエンドからのエンディングへの流れはすばらしい。
そして写真の紫とラベンダー畑のユカは本当に愛らしかった。
かわいいは正義。間違いない
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ゲーム [★★★★☆]
ゴア・スクリーミング・ショウ

ゴア・スクリーミング・ショウ 闇子ルート

Gore Screaming Show、4ルート目はさいたま闇子こと、夢川姫子さん。
主人公の保護者でもある、イトコのお姉さん。
歳はおそらく30歳くらいかな?

声を当てているのは、北都南。
一色ヒカルと並ぶ「もうちょっと飽きたな~」な声優さん。

声優もあり、私が二次元の年上属性を持ち合わせていないこともあり、闇子はほとんど興味のないキャラクターになってしまっていた。
けれど、由規が登場して恭司が嫉妬しはじめるあたりから、初エッチあたりまでの、この危うい関係に落ちてしまいそうな自覚を持ち始めた闇子さんには、不覚にもときめいてしまった。
この「年上」属性の使い方は、かなりよかったと思う。

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回収したエンディングは「青春の日の想い出」一つのみ。
闇子の仕事を手伝っているうちにユカと知り合い、由規に闇子を任される。
突然ユカが転校生としてやってきて、学園が浸食され、聞きつけてやって来た由規が殺される。
由規の手帳や真白への聞き込みから、紫とひーくんの確執が現代までもつれ込んでいることを悟り、闇子は石を使う。
……あれ、また石か。石強すぎわろた
というか、主人公は特になにもしていない気がしなくもないな。闇子の心の支えにはなっていたけど

今回の浸食は、信号機三人組なメインヒロインにまで及んでいたのがよかったね。
いつもしっかり者なあかねちゃんがヤラれちゃうと、世界が一気に非日常化していく。
もっと活躍してくれてもよかったくらいだよ!

しかし、校庭でピストルで頭を吹っ飛ばされたユカちゃんのほうが輝いていた。
脳みそ丸見えの立ち絵付きなのにはテンション上がらざるを得なかった!
ゴアに「頭吹っ飛ばされて痛くないの?」と聞かれたときのこのセリフって、エロゲ名言集に乗ったりしませんかね!?

「平気。頭が無いと、あんまり痛くないんだねえ。ユカ、初めて知ったよ」

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ゲーム [★★★★☆]
ゴア・スクリーミング・ショウ

ゴア・スクリーミング・ショウ 希衣佳ルート

Gore Screaming Show、3ルート目は信号機黄色担当、美園希衣佳嬢。
通称、黄緑ちゃん。
……私がそう呼んでいるだけです。

声を当てているのは、風音。
普通にしてるときの演技は普通なんだけど、ゴアに浸食されてるときの希衣佳の声はとてもかわいい。

「どうして仁野君は寝不足なのかしラ」
「それはねえ。夜遅くまで、エッチなことヲしていたからサ。そうサそうなんダッ!」


回収したエンディングはやはり三つ。
浸食された母親に折檻されて爆ぜる「復讐者のレクイエム」。
ユカとゴアが死んだかと思いきや、浸食された貞島たちに輪姦されて爆ぜる「悪夢の果て」。
そして、燃える学園から脱出っつーか石やっぱ最強だわのハッピーエンド「海の向こう」。

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希衣佳はメインヒロイン3人のうち、一番清楚な美人さんに見えて、一番エグい個別ルートを持っている。
このゲームでスカトロルートと言ったら、この希衣佳ルートを指す。
出てくるのはうんちだけじゃなくて、内臓とかそのあたり全般なんだけどね!
つーか解体エンドが2つってどーなのよ

大体どの個別ルートでもそうなんだけど、ユカはヒロインたちの幼い頃のトラウマを延々とほじくり返し、精神的に追い詰めていく。
その中でも、希衣佳の追い詰められかたはかなりひどかった。
見ているこっちまで辛い気持ちになってしまったもの。
しかもそれが「オナニーを覚えるのが早かった」という早熟さから来ているのだから、きちんとエロゲーヒロインしているよね! すばらしい

シナリオ自体は普通。
由規は毎回死ぬ。そしてわけのわからん石が強すぎる。チートかよ。
ゴアの格好良さはあかねルートが一番輝いていたなぁ。
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ゲーム [★★★★☆]
ゴア・スクリーミング・ショウ

ゴア・スクリーミング・ショウ 葵ルート

2ルート目に攻略したのは、信号機三人組の青担当、双木葵ちゃん。
クーデレかと思わせきや、あんまりデレない無口キャラ。

ツインテ気味に結んでる葵ちゃんはかわいいけど、普段のショートカットはびみょー。
きちんと内向きにブローして、ボブカットにしてほしかったです。

声を当てているのは、柴田蕗。
2008年頃まで抜きゲーによく出ていた声優さんの模様。私がお世話になるのは初めて。
下手じゃないけどそこまで上手でもない、コメントに困る演技でした。

回収したエンディングは三つ。
葵ちゃんが鏡の向こうに閉じ込められつづける「鏡の国の葵」。
一度は逃げ出したものの、ユカの逆鱗に触れ解体されてしまう「ラストコール」。
そして、二人でゴアを消しユカを殺すハッピーエンド「逃避からの帰還」。

ハッピーエンドに行くには、葵だけでなく、あかねの好感度もそれなりに上げておく必要がある。
でないと、あかねちゃんが貞島に輪姦されちゃうからね!

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あかねルートと比較すると、サイコサスペンスのドキドキ感はいささか失われているように思う。
洞窟からの脱出イベントは結構燃えたもんね。

葵の抱えたあかねへの仄暗い思いは、共通ルートでのスパイスとしては悪くない。
けれど、あかねが早々にリタイアしてしまい、その発露はいささか不完全燃焼気味。
葵の「自分が嫌い」な理由を、あかねのお節介焼き具合と共に、過去回想形式でもう少し掘り下げてくれてもよかった気がする。
これは、葵がアリスに憧れる理由にも絡められるし、悪くないアイディアだと思うよ?
とにかく、葵ちゃんへ感情移入できるとっかかりがもう少しほしかったかな。

物語のネタバレ進行度は、ユカと桃音の年齢くらいか。
石強い。石強い。

全体的に物足りない感じで終わってしまった葵ルートだけれど、ハッピーエンドでの「罪の共有」としての消えない傷痕のくだりと、あかねとマジ喧嘩する葵のくだりは、ぜんぜん悪くなかったです。
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ゲーム [★★★★☆]
ゴア・スクリーミング・ショウ

WORLD END ECONOMiCA まとめ

シナリオ

シナリオライターは支倉凍砂。狼と香辛料を書いている商業作家の同人作品。
さすがプロと言うべきか、ストーリーの練り込み具合はすごい。

近い未来の月面が舞台ということで、SFに経済小説を混ぜたようなジャンルだが、しっかりと地に足の着いた世界観。
そこで一人の少年が人生における最も大切なものを手に入れる様子を描き切る。
そこには苦悩があり、挫折があり、停滞があり、しかしきっちり成長していく。
その成長と立身出世がうまく噛みあうデキル系具合は、見ていてとても気持ちがいい。

ヒロインやサブキャラも魅力的な人物ばかり。
特筆すべきは、悪役の使い方の上手さ。
筋の通った悪役はカッコイイ理屈もあり、さらにバートンの場合、一概に悪とも言い切れない。
バートンとハルの信念が対立したせいで、たまたま悪役に見えたという解釈だってできるわけだし。

そして、バートンこそが、主人公を成長させる最も重要なキャラクター。
最終的に彼を乗り越えてエンディングを迎えるあたり、出世ものの作品としての完成度は高い。

しかし、どうも私の根が貧乏性なのか、後半になると金額が壮大すぎて、わけがわからないことになってくる。
宝くじで3億円どころか、1千万円当たったって即座に隠居生活を決め込む自信がある私には、兆の位で話をされても、正直ピンとこない。
というか、作中の登場人物もピンときていないから、あんなことになってしまうのだろうけれど。

テキスト

これがこのシナリオライターの特徴なのだろうか、文章がかなりくどい。
同じことを手を変え品を変え、何度も描写する。ハルの内面なんか、特に。
大事なことをわかりやすく、感情移入が苦手な人も引き込むように、なのかなぁ?

そして、第三話で顕著だったように、金融商品のお話なんかはかなりオタク臭い。
私はデリバティブとかスワップとかオプションとかに馴染みのある人間だったからよかったようなものの、まったく知らない人にとっては、第三話の序中盤はかなりしんどかったんではなかろうか。
逆に言えば、だからこそ物語に裏付けが作れて、深みが出るということなのかもしれないけど。

ただし、シナリオを展開させるテキストは読みやすい。
気づけば電気もつけずにディスプレイにのめり込んでいるあなたがいるはずだ。

ギャグ的な意味での面白さというのはほとんどなし。
代わりに、狼と香辛料でのホロとロレンスのように、頭がいい人同士の掛け合いの妙といったものがたっぷりと堪能できる。
これがこのライターの醍醐味なのかもしれない。

キャラクター

どのキャラクターにも信念があり、それがとても格好いい。

私の一押しは、理沙。
二次元ヒロインランキングに入れてしまおうか本気で悩むレベルの、すてきなお姉さん。
本作には挫折する主人公・ハルを導くキャラクターが数人いるが、その中でも最も心に寄り添ってくれるのが彼女。
特に、第二話での迷える子羊だったハルの背中を押してくれる理沙は、本当に神様みたいだった。

クリスもエレノアもハガナも、その気になればルートに入れるだろう、言わば正ヒロイン。
けれど、理沙だけはどうやってもルートに入れる気がしない。
それが理沙が理沙たる由縁であり、理沙がいつでもすてきなお姉さんな証でもある。
手に届かないものって、いつでもキラキラして見えるんだよね。

グラフィック

CGの枚数は、Ep.1、2が各40枚、Ep.3が60枚程度。
これらがすべて日常シーンなのは、すごく贅沢な気分になる。
Ep.1では画力は同人ゲームレベルだが、Ep.2、3では商業作品でも通用するレベル。

背景の都市や空は幻想的でとてもきれい。私好み。

音楽

Ep.1~3ともに、テーマ曲は「岸田教団&明星ロケッツ」。
存在を知っていただけで曲はほとんど聞いたことがなかったけど、アップテンポなロックナンバーは、このゲームの疾走感によく似合っている。
曲はEp.2のテーマ「cause to decide」が一番のお気に入りかな。

オープニングムービーも中の上くらい。
同人ゲームでこれは、なかなかのクオリティなんじゃないでしょーか。

BGMは、そこまで惹かれるものはなかったものの、よくまとまっている。

システム

通常のギャルゲーと同じレベル。
スキップボタンがないので、飛ばしたいときはCtrlキーで。

総評

エロなし全年齢対象の、上質なノベライズゲーム。

このゲームにキャラクターボイスは存在しない。
にもかかわらず、ここまできっちりキャラが立ててこられると、本当にギャルゲーにCVが必要なのか? という疑念すら抱かせてくる。
まぁエロゲーの場合、聴覚からの興奮ってのも重要なポイントなんだろうけど。
このゲームにそれは必要無いし、むしろ声がないほうが会話のテンポや駆け引きの妙といったものが際立つようにも思う。
ついでに安くなるし。

エロなしお色気なし、シナリオ一本勝負でここまで面白いゲームとなると、シュタインズ・ゲートくらいしか思いつかない。
この時間・金額でここまで楽しめるのなら、神作に認定してしまってもいいように思う。
ちょっと甘めではあるけれど、拡散希望ということで、2年ぶり5作目の★5評価です。
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ゲーム [★★★★★]
WORLD END ECONOMiCA

WORLD END ECONOMiCA episode.3

今年の夏コミで出たWEEのシリーズ完結編、第三話をプレイ。
バージョンは「FULL」として、各1500円だったEp.1とEp.2も同梱の、2500円での販売。
少し高い分だけあって、CGは2割増量、演出も強化されている。
というか、Ep.1から比べたら、画力の向上が著しいね!

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話は第二話の4年後、すなわち第一話の8年後、ハルが24歳になったところから。
アバロンは潰れ、エレノアは地球に帰り、ハルは月面の英雄としてシュヴァイツェル・インベスメントを切り盛りする、敏腕投資家となっていた。

今回のテーマは、不動産バブルと月面の崩壊、そして本当に大切なもの。
月面は新天地。誰もが憧れ、移住したいと願う。
おかげで不動産価格は実体経済以上の伸びを見せ、絶対に損をしない「聖杯」が飛ぶように売れる。
それを作り出したのが、ハルにふられて自らの才覚を磨くことに専念しはじめたクリスなのだから、なんとも心躍る展開だ。
しかし、ハルと「悲観の帝王」の二つ名を持つドクター・ウォレスは、そこに欺瞞を見る。

聖杯たるABSに乗り切れないハルが、時代に取り残されているのではないかと焦燥を抱く心理描写は、かなりリアルだったように思う。
読んでいるだけの私まで、ちょっとモニターの向こう側を透かしてしまったりしたからね。
だから、エレノアとの会話シーンは、かなり染み入るものがあった。
正直なところ、私はエレノアルートでも全然構わなかったよ?
第二話のあの子には、そのくらい思い入れがあるもん。

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逆に言えば、ハガナの登場は突然すぎたようにも思う。
いや、もちろん突然出てきたからハルも驚いて、私も驚いたんだけどね?
もう少しハルの成功を噛みしめたかったような気がする。

仲直りする前に、ハガナにもっと色々語らせてほしかった。
ハガナがそういうキャラじゃないというなら、もっとその態度で示すような、ね?
尺やシーンが足りなかったのかなぁ。でもソリティアだけじゃちょっと物足りなかったです。

それでも、言葉少なに語ってくれたハガナの台詞にはぐっと来た。
もし世界が滅びなかったら、月と地球とどっちで暮らしたい? と聞いたハルへ。

「私は、月面がいい」
「ここには、思い出があるもの」
「だから、消したいと思ったの」


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今回の理沙のお姉さんぷりも、なかなかだった。
私は第二話のお下げにシスター服が一番好きだったけど。
それでも、ウォレスが挫折しかかったときの、ハルを止める残酷なまでの優しさは、やっぱり理沙だった。

しかし、どんなに私が理沙に恋い焦がれようとも、理沙ルートに行ける気がまったくしない。
このあたりが、理沙の魅力なのかもしれないなぁ。

一方で、住宅支援プロジェクトだかなんだか知らないけど、レナの使い方は非常に残念。
あの子は第二話の、結婚指輪を見せてくれたところが役所のピークだった。
第三話は大団円にしたかったのかもしれないけど、それでもレナはまったく物語に絡んでこないのだから、出てこないほうがよかったなぁ。レナがお気に入りだからこそ、そう思うよ。

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物語のオチとしては、おぉなるほど! といったところ。
これは一重にバートンの使い方の賜物。
個人的には、ハルに前人未踏の地へ行ってほしかったところだけど、理沙お姉さんの言葉を借りれば、こうなるだろう。

――大人になっちゃったのね。


Ep.3単体の評価は、★4つ。期待通りの面白さ。
この「期待を裏切らない」って、すごく大事で、すごく大変なことだよね。
1~3の総評は、次回記事でまとめます。
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