Entry Navigation  [月別アーカイブ]

キラ☆キラ 5th Anniversary Live Anime KICK START GENERATION

「キラ☆キラ」「DEARDROPS」「僕が天使になった理由」の、OVERDRIVE三作品のOVA。
30分もののライブアニメーションで、演奏オンリーのMCナシ。
CaSは1曲、DDとd2bが2曲、アンコールに全員で「キラ☆キラ AllStars」という6曲仕立て。

曲に関しては文句ナシ。
やはりOVERDRIVE……というよりも、milktubのチカラか。すばらしい
新曲が各バンド一つずつ。OSTだともう少し多いのかな?

---

しかし、肝心のアニメーションは、やや微妙なところ。
アニメで演奏シーンを完璧に作り込むのは、本当に難しいことなんだろう。
なんせ動きが多いし、複雑だし。

この作品は、そこいらの低予算アニメよりは余程お金が掛かっているのだろうと思うけれど、それでも十全の出来とは言えない。
引きのカットが静止画だったり、キャラクターの動きが不自然だったり、使い回しが多かったり。

とは言え、キャラクターの口の形・ピッキング・コードの抑え方といった動きを、曲にきちんと合わせようとするこだわりは垣間見える。
そういう姿勢はとても好ましい。

私のお気に入りは、DD2曲目の「Toughness」のオーラス、律穂の後ろでキメてくれるりむちゃん。
あのカットはとっても自然で楽しそう。
弥生のギターソロもよかったけどね!

気になったのは、アンコールでの役目のない子たち。特にメネスちゃん。
ベース3本ってのもかなり無理あるような気がするけど、さすがにドラムは一つに絞ったんだなぁ。
りむちゃんはビデオ撮影楽しそうだったけど、メネスちゃんは手持ち無沙汰そーだった。
せめてタンバリンくらい持たせてあげてほしかった……心が痛いよ。

---

私が思うに、アニメ化はまだ少し早かったんじゃないだろうか。
ラブライブみたく、CGアニメーションで作ったほうが、きっと満足できるものになったような気がする。
手書きアニメは絶対に限界があるよ。
とは言え、私は「キラ☆キラ」のアニメ化だけを希望に生きている人間なので、これでもとても嬉しいです。
ぜひ次回作も! ……やっぱり望み薄なのかな?

そういえば、紗理奈のギターがBlackLilyバージョンに進化していたね。
あれ、ESPで実際に売っているらしいです。ほしい。弾けないけど。
でもきっと20万くらいするんだろうなぁ。ESPだし。
誰か買ったら見せてください! お願いします!
関連記事
category
ゲーム [★★★★★]
キラ☆キラ

キラ☆キラ Rock'n' Roll Show まとめ

シナリオ

1.パンクロッカーは何事にも従ってはいけない <アナーキーの精神>
2.パンクロッカーは自分の行動に保険をかけてはいけない <ノーフューチャーの精神>


OVERDRIVEらしい、パンクロックを主題にした青春活劇。
その「パンクロック」について、本作では殿谷健太によって上のように定義されている。
それからさらに殿谷はこう続ける。

「本当はね、全ての人間は本来何もしなくてもパンクなんだよ。生まれたときから、死ぬまで、誰だってパンクなんだ。なかなか気がつきにくいことだけど、そのことに、気がついてほしいんだ」


本当は、全ての人間は本来何もしなくても自由なはず。生まれてから、死ぬまで、誰だって自由に生きていいのだ。
けれど、そのことに気が付かないまま、人生を窮屈にしているのも、また自分自身だ。
その殻を打ち破ることができるのが、パンクロックなのだ。

  ---

OVERDRIVEらしい、ロックンロールを主題にした冒険活劇。
第一章・第二章のバンド結成からツアーまでのくだりは、プレイしていて楽しくなること間違いない。
リアリティ不足という、ややファンタジーチックな展開も垣間見えるが、それはそれとして割り切ってしまうのが、このゲームを楽しむコツ。

そんな楽しいお話の裏には、理不尽な世界で藻掻く少年少女たちの苦悩が描かれている。
私が思うに、世界に真っ向から刃向かえる情熱こそ、青春なのだ。
だからこそ、この作品はキラキラした輝きを放ち続けている。

およそ100作品という私のエロゲー遍歴が多いのか少ないのかはよくわからないけれど、ここまで「人生」というものに真摯に向きあった作品は、そう多くはない。
言い換えれば、本作を担当した瀬戸口廉也は、そういうことができる数少ないシナリオライターなのだろう。

個別ルート別評価
  千絵 > きらり1(鹿之助) > きらり2 > 紗理奈

この順位はPC版と変わらず。
千絵ルートをここまで評価するのは、きっと私くらいのものだろうと思うけれど、私にとっては世界で二番目くらいに好きなギャルゲーシナリオだ。
(ちなみに一番好きなのは「グリザイアの果実」より、みちるルート)

「青春恋愛ロックンロールノベル」のジャンル通りの、すばらしいエンディングを迎える。
うまく言葉にできないけれど、音楽の魅力のうち最もすてきな部分が描かれているような気がする。

鹿之助ルートは、おそらくライターが最も注力したシナリオ。
「SWAN SONG」のノーマルエンドみたいなものだね。
このシナリオは、主人公に魅力を感じるかどうかで評価が分かれるようにも思う。
私は鹿之助のキャラがとても好きだし、彼の人生の問題点にも共感できる。
そして、鹿之助が自分で自分の人生を選び取った、唯一のエンディングでもある。
バンドマンの成れの果てといった独特な世界が興味深いシナリオでもある。
ついでにアキちゃんがかわいいね! ああ見えてドMらしいですよ!?

きらりルートは、彼女が自分の人生を革命する。
「罪と罰」を読む機会があれば、また少し考察を深めてみたいとも思う。
ただ、前にも書いたけれど、「ロックンロール」がきらりの問題にあまり関係してこなかったのが痛い。
あと、きらりのギターのオバケについてもうちょっと掘り下げてくれてもよかったような気もするな。

紗理奈ルートは……すいません、ちょっとわかんないです。
家族の絆って大事だよね! っていうお話だと思うんだけれど、私のツボとはちょっと違いました。

テキスト

一文が長く、読みにくい部分もあるが、惹き込まれる特徴的な文体。
主人公の斜に構えたようなキャラと、文章のタッチがよく合っているね。
このシナリオライターには、文章を書く才能があると思う。

大筋とは関係ない小話の完成度が高いのも特徴。
本当にたくさんの引き出しを持っている。
私のお気に入りは、「きらりの誕生パーティ」「翠ちゃんの語る『女の子の心の中はお化け屋敷』」「アキの語る『幸せに"なる"ってなんや?』」。
特に、翠ちゃんのお話はいちいち鬱陶しくて、そこがすてきなのです。

ギャグ要素とは違うのだけれど、日常シーンも面白い。
たとえるならば、頭のいい人間同士の掛け合いが面白いようなものか。
なのに、ときどきアホになってしまう鹿之助は、とてもいい主人公でした。

グラフィック

CGの枚数自体はそれなりにあるものの、クオリティは微妙。
キャラクターの造型は、あまり面白みのないハンコ絵。
そもそも、PS2の解像度が640x480程度なので、表示はあまりきれいではない。
グラフィックに期待するのはちょっと間違っているかも。

ただ、PC版と違ってHCGがないため、その分を日常CGで補ってきている。
妹の祐子ちゃんの立ち絵も入っていたり。
そういう意味ではちょっとだけ豪華。

音楽

PC版から、全ボーカル曲が新曲に差し替えられている。
どちらのサントラも持っているのだけれど、甲乙付けがたい。とにかくすばらしいね!
PC版OPテーマの「キラ☆キラ」が最高なのは間違いない。

BGMも秀逸なものが多い。
この作品は、私の中でBGMがすてきなゲームTOP3に入っている。
残り二つは「スマガ」と「グリザイア」ね!

声優

可もなく不可もなく。
ちなみに私はアキの声が一番好きです。
女の子はともかく、男キャラが冴えている気がする。特に村上。
ロティカについては、あれは本人が声を当てているようなので、ああいうものなんでしょう。

総評

「PC版とPS2版、やるならどっち?」と聞かれたら「どっちでも大差ないからとにかくやれ!」と答えます。

このゲームの魅力は、シナリオ・テキスト・音楽。
グラフィックだけはやや弱いが、上の3つがあればギャルゲー界では天下が取れるはず。
なのに、批評空間では中央値85点。低すぎる。
私の評価は95点、★5つの神作です。

ロックンロールッ!!
関連記事
category
ゲーム [★★★★★]
キラ☆キラ

キラ☆キラ Rock'n' Roll Show きらりルート2

ラストの4ルート目は、きらりシナリオその2、トゥルーエンド。
椎野きらりの声を当てているのは、中村知子。
私にはあまり馴染みがないが、知る人ぞ知るアニメ声優らしい。

ちなみに、第二文芸部として歌っているきらりの歌声は、UR@NことAiRIのもの。
声でガラスを割ったとか割らないとか言う伝説のハイトーンボイスの持ち主です。
私はこういう歌声がとても好み。

---

きらりのトゥルーエンドは、彼女が夜の仕事に就く前に、鹿之助がその現実を知ることで分岐する。
彼はそんな理不尽な現実を変えようと手を尽くすのだけれど、結局何もできない。

運命の日の前日、ここでもPC版とPS2版では微妙に違いがある。
PC版では、二人でラブホに行って朝帰りをする様子が、鹿之助の無力さと共にあっさり目に描かれている。
PS2版では、半ば駆け落ちのように電車の終点まで行き、旅館で一泊することになっている。

そのシーン、きらりは「いつか遠い将来にみんなで演奏したい」と言っていた曲を、未完成のまま聴かせてくれる。
歌うことを諦め、現実を受け容れたきらりは、まるで大人で、それが切なかった。

---

このシナリオは、ドストエフスキー著「罪と罰」を下敷きにしたものだという。
教養のない私は未読なのだけれど、主人公がよかれと思って行った確信犯的な罪が、思いもよらぬよくないことを引き起こし、罪の意識に苛まれるといった筋書きらしい。
鹿之助の場合も、同じような展開になる。

無力な鹿之助の前に、突然きらりの問題を解決出来る選択肢が降って湧く。
彼は、一旦はそれを(消極的にだけれど)選択する。
けれど、恐ろしくなって「やっぱやめ!」をしたときには、既に遅かった。

鹿之助は後悔する。
それは、自分が人を殺した罪に対してではない。
たしかに既存の状況はよくなり、問題は解決した。
けれど、同時に新たな問題が生まれてしまったのだ。
父親は、きらりを苦しめ傷つける存在だった。思惑はどうあれ、現実にはそうだったのだ。
そして、気がつけば、自分も同じだった。

「世の中って、むつかしいね」


---

きらりの持つ世界観は、千絵ルートで語られている。
それでは、カレーパーティの話。

「全てを理解しあえなければ、一緒に楽しくやっていけないとしたら、それってとても寂しいことだよね。でも、そんなことはないじゃんっ。理解なんか出来なくたって、あたしたち、仲良しになれるんだもんっ」
「お互いのことなんかそこまで詳しく知らなくたってさ、みんなが少しずつ出せるものを出し合って、一緒に料理をして、それで出来上がったものが美味しければ結構みんな仲良くなるよっ」


きらりは、目的を達成する意識と、結果とを共有できれば、相互理解など必要ないと言う。
そうして互いが互いのために少しずつ自分を犠牲にしさえすれば、世界は平和になるのだと。

彼女がこう考えるのも仕方がない。
もとよりきらりには相互理解など不可能な話だったのだから。
父親の語ったように、きらりは天才であり、周囲を理解することも、理解されることもなかったのだ。
それでも、彼女は自己を抑圧することで共同体を維持しようとしてきた。
今までは、それですべてが上手くいっていたはずだった。

別れ話を切り出したきらりに、鹿之助は「なら、逆に俺がきらりの立場だったら?」と、前島家が破産したことを喩えに、説得を試みる。
すると、きらりは「そんなので別れるなんて、絶対に嫌!」と、自分のしようとしていたことを省みる。

おそらく、鹿之助の罪の告白を聞いたときも、同じことが起こったのだろう。
今までは、自分を殺してでも社会の歯車になりたいと思っていた。
それが、世界をよくすることに違いないと信じていたから。

けれど、愛する人は、自分を犠牲にして世界をよくしようとした結果、こんなに苦悩してしまっている。
その現実に気づき、きらりは言うのだ。

「鹿クン、世の中には、悲しくて寂しいことがいっぱいあるね」
「私ね、なんだか、歌わなきゃいけないことがあるような気がして来たんだ。もしかしたら、それは私の義務なのかもしれない」


---

こうして、きらりは自分を殺すのをやめる。
彼女は優しい女の子で、世界が好きなのだ。
愛するものたちのため、彼女はその才能を手に、キラキラした世界へと羽ばたいていくのだった。

「あたし、鹿クンのことが、一番大好きなんだよ」
「あたしが、一生守ってあげる」
「今度はあたしの番だからね。言ってる意味、わかるでしょう?」

関連記事
category
ゲーム [★★★★★]
キラ☆キラ

キラ☆キラ Rock'n' Roll Show きらりルート1(鹿之助ルート)

3ルート目は、メインヒロイン・椎野きらりエンドその1。
私は便宜的に鹿之助ルートと呼称します。

18禁PC無印版と、全年齢コンシューマ版「Rock'n' Roll Show」ではルート序盤でやや違いがある。
きらりがギターの呪い(あるいは想い?)に取り憑かれ、広島に行くシーン、実在のバンド「ニューロティカ」が登場する。
これは、PC版制作当初からあったアイディアらしいのだけれど、さすがに18禁ゲームで使うわけにはいかないと、全年齢版になったところで登場させたらしい。
シナリオそのものにはあまり関係はないが、音楽をテーマとした作品で、音楽を続けている人たちが得たものの実例として示されるロティカは、世界観を深めるのに二役くらい買っていると思う。

「ロックってのは魔法だよね。俺は君たちくらいの年齢から、ずーっと魔法が解けないでいるんだ」


さて、鹿之助ルートは、きらりが世の中の重要で深刻な問題に巻きこまれ、彼女を失った鹿之助の話。
一周目の記事では、私はシナリオのテーマを「音楽は世界を変える」だと書いていたけれど、ちょっと違う気がしてきた。
テーマはおそらく「生きるためにはなにが必要か?」。

---

「あのね、何かを憎むと、心が疲れるじゃない。心が疲れると、間違ったことをする。だから、出来れば、俺は何も憎みたくないんだ。疲れるのは嫌いだしね。しかも、相手が世の中じゃ、憎んだってなんの意味もない」


千絵ルート、父親(ひいては家庭問題)について尋ねられた鹿之助は、こう述べる。
そこにあるのは、ある種の諦め。

鹿之助は、感情を持つことが無駄だと感じていた。
悲しい、辛いという感情を極力抑え込む。そうすれば、この理不尽な世界でもなんとか生きていけるはずだから。
嬉しいこと、楽しいこともわからなくなってしまうけれど、それも仕方がない。
それが彼の処世術だったのだ。
だから、彼は初めてきらりの幻影が現れたときも、胸の痛みにじっと耐えるだけで、涙一つこぼさなかった。

けれど、そんな生き方には限界がある。
おそらく、人の心はそういう風にはできていないのだろう。
その限界を超えたとき、彼はテニスを辞め、バンドを辞めようと考えた。
そうしたかったわけじゃない。ただ、そうしなければならないように感じたのだ。

幼少期、家庭に居場所がなく、自分がいないほうが世界がよくなるだろうと考えていた彼は、紗理奈ルートでこう述べている。

 僕は死ななくちゃいけないと思いつつも、それ以上に死にたくなかったのだ。
 そうした自分が、嫌だった。死にたくないだなんていう個人的なわがままな理由で、正しいことが出来ないなんて、自分が軽蔑するべきつまらない人間のように思えた。


つまり、鹿之助にとって「したいこと」と「しなければならないこと」はまったく別のことで、義務は感情に優先されるべきものだった。
そんな彼に、きらりの幻覚(あるいは、彼の深層意識)は言う。

「あのね、鹿クンはやっぱり、少し忘れものを取り戻さないといけないんだよっ。このまま進んでいったらオカしくなっちゃうよ」


そうして開けられた扉の先にあった忘れ物は、「テニスラケット」「ベース」「テープレコーダー」。
テニスも、バンドも、きらりも、すべて彼の宝物で、既に彼の心からは失なわれてしまったものだった。
そして、その時初めて鹿之助は気がつく。
自分はそれを手放してはならなかったのだと。

---

きらりの死を受け止め、鹿之助はきらりの愛したこのクソッタレな世界を、心のままに生きる。
それこそが、パンクなのだ。

少しだけ動き出した夜、越え
君の永遠はきっと歌の中
消えない

関連記事
category
ゲーム [★★★★★]
キラ☆キラ

キラ☆キラ Rock'n' Roll Show 紗理奈ルート

「好きなことを好きなようにするというのも、なかなか難しいものなんですね」


「キラ☆キラ Rock'n' Roll Show」、2ルート目にクリアしたのは、やはり樫原紗理奈嬢。
病弱だけれど芯の強い、イイトコのお嬢さま。

声を当てているのは、小島めぐみ。
エロゲー声優ではなく、アニメ声優らしい。
しっとり目の声質は、紗理奈ちゃんによく合っていると思います。

---

紗理奈ルートのテーマは、人生で最も欲しいもの。
家族を早く亡くした彼女と、彼女の祖父が求めていたそれ。

「どうしてなんだろうな。どうして本当に欲しいものは手に入らないのだろう? それ以外は、なんでも手に入ったのに。全て死なせてしまった。祐司にも、可哀想なことをした」
「……わしの人生は、失敗だった。何もかも、間違えてばかりだ」
 そういえば、健一さんの遺書も同じことを言っていた。「欲しいものだけは手に入らなかった」と。
 おそらく、老人の欲しいものと、健一さんの欲しいものは、同じモノなのだったのだろう。


それがなんなのか、シナリオで明言されることはない。
けれど、紗理奈は鹿之助とならそれが手に入れられると信じている。
そして、鹿之助はシナリオの最後で、老人と共にそれを見つけかけていた。

「じゃあお前は、この小僧が将来何か成し遂げると考えているのか?」
「それはわかりません」
「だけど、私はそのようなことはどうでもいいのです。もっと大事なことは、別にあるんじゃないかと思っています」


---

私は思うのだけれど、彼らは皆、幸せになりたかったんじゃないだろうか。
家族に恵まれなかった彼らに必要だったのは、絆だった。

千絵ルートできらりも言っていた、「理解しあえなくても、幸せにはなれる」。
理解できなくても、信じることはできる。
好きなものを共有することはできる。
その象徴が、鹿之助と老人の渓流釣りだったのだろう。

とは言え、このシナリオでも、問題はなにも解決していない。
老人と本当に和解したわけでもないし、紗理奈が東京に戻ってこられる確約もない。
さらに言ってしまえば、紗理奈があと何年生きられるかもわからないのだ。
そう言う意味では「ハッピーエンド」と言いがたいという意見もある。

けれど、人には命よりも大切なものがある。
第三者がそれに価値を見出すかは別問題として、彼らはたしかにそれを手に入れた。
私は、それは本当にすてきなことだと思うのだ。

だからねえ
振り返ったら 痛み思い出して
ふり出しに戻ってしまうかもしれない
あと、あとすこしだけ進む力ください
解けない絆を結びたいの…明日の先へ

関連記事
category
ゲーム [★★★★★]
キラ☆キラ

グリムガーデンの少女 -witch in gleamgarden- まとめ

シナリオ

居場所のない少女が、本当の自分を探していくお話。
グリムというのは、オンリーワンの「個性」といったものをわかりやすく具現化したもので、その自分という人間をどう生かすか? というものが今作のテーマ。

とは言え、その本質的な部分は4割程度で、冒険活劇モノといった要素が強い。
由真ルートを除き、その他のシナリオではアクションシーンを強く押してくる。
完成度は普通だけれど、プレイしていて盛り上がるのは間違いない。

世界観の設定にいささか無理があるというか、ご都合主義な点が見受けられるけれど、気にするかどうかは個人差か。
私は世論的なものに妥当性があるかすごく気になってしまった。
こういう物語の大筋と関係ないところに気を取られるあたり、私がファンタジーモノに向いていない原因な気がします。

女の子といちゃいちゃチュッチュするゲームとしては、それなりの完成度。
Hシーンがシナリオと絡まずに挿入されるのは、もう少し工夫してほしかった気もするけれど、減点ではない。

一応サブヒロインの恋塚若葉と桐原瑞穂も、Hシーンだけはある。が、個別シナリオは存在しない。
どちらも共通ルート終盤で1H2CGが夢オチっぽく挿入され、そのまま正ヒロインルートへと向かう。
攻略不可能なヒロインが出てくるとゲームの評価が下がるのはわかるけれど、適当でいいからせめて個別エンドはほしいかも。
そのあたりは、大図書館の羊飼いを見習っていただきたい。

個別シナリオ別評価
  千歳 > 白雪 ≧ ルナ > 由真 > 桜子

千歳ルートは、話のテーマが私の好みだったので、高評価。
そうでない人にはそれなりかも。
ただ、千歳の悪いところをざっくりと抉ってくれる主人公はイケメンだと思う。

というか、この主人公、出来る系を目指しているのだろうけれど、ジャンルとしては間違いなく「お節介系主人公」。
ここまでヒロインたちにあれやこれや気を回してしまう主人公も珍しいよ。
女の子によってはウザがられそうな気もしなくもないけれど、そのファクターを感じさせないのは、主人公がイケメンだからか。

オススメ攻略順
 担当生徒3人(桜子・千歳・由真) → 白雪 → ルナ

これが一番ネタバレが少ないかな。
ま、誰から攻略しても大差ない気はする。

テキスト

可もなく不可もなく。読みやすさは○。
ギャグ的に評価できたりするところはなかったかな。

山場を越えたらすんなりエンディングという姿勢は、評価が二分されるような気がする。
もう少し余韻をひっぱってほしい気もするし、このあっさり感がいいような気もするし……難しい。

グラフィック

女の子の表情の描き方が特徴的。
トロ顔がかわいい。これは大きな武器になると思う。
HCGはやっぱり表情が一番重要ですよね!

ただ、おっぱいの描き方がやや不自然だったのが気になるところ。
これが自然なら、由真の魅力がもっと増大したんだけどなぁ。

一枚絵は、合計120枚程度。
ただ、ルナちーが2H4CGしかなかったのは残念。

キャラクター
 白雪 ≧ 千歳 > 由真 ≧ ルナ > 桜子

やはり白雪が王道の可愛さ。
耳年増なのか初心なのかよくわからないところもあったけれど、それも彼女の魅力か。

千歳は立ち絵での上目づかいと、健気さが◎。
それが彼女の心の闇に繋がっているというのも好印象。
おかげで、私のツイッターは千歳ちゃん仕様になりました。

おっぱい要員の由真ちゃん、妄想キャラという設定がよかったね。
主人公が他ヒロインとくっつきはじめると、彼女の妄想ノートがとても捗っているに違いありません。

つるぺたルナちーも、やはり王道。
胸を出すまでもないHシーンが彼女の魅力です。

声優

特筆すべきことはなし。
全体、無難にまとめてきていると思う。
やはり、安定したクオリティというのが一番大事なんだろうね。

音楽

オープニングムービーの出来は秀逸。
定番の一枚絵のスライドショーの演出がうまい。
キャラだけ切り取って、それをうまく切り貼りしているね。
あと、最後に歌詞を口ずさんでくれるルナちーがかわいいです。

ボーカル曲も含め、サウンド全体は普通。

システム

必要十分。
できれば「次の選択肢までスキップ」がほしかったところではある。
正体不明の選択肢が多くて、ルナルートへ行くときとか3周くらいさせられて、結構だるかった。

総評

前評判の違わぬクオリティと評価していいと思う。
燃えと萌えが上手く組み合わされている。
良い方向にも悪い方向にも、プレイヤーの心を揺さぶろうとする姿勢は好印象だね。
ただ、今年一番のギャルゲーだというのは、さすがに言いすぎだと思う。

私の評価は★3つ、良作です。
関連記事
category
ゲーム [★★★☆☆]
グリムガーデンの少女

グリムガーデンの少女 -witch in gleamgarden- ルナルート

グリムガーデン、ラストの5キャラ目は、妹によく似たツンデレウサ耳・ルナを攻略。
声優は水崎来夢。誰かの別名義らしいのだけれど、誰かはわかっていない模様。
甘めのツンツンした声は、耳に心地よいね。

ルナのお話は、このゲームのトゥルーエンドという位置付け。
白雪ルートを攻略すると、ルナに関する選択肢が解放される。

---

シナリオを平たくまとめると、弱ってる女の子をナンパしたら妹でした! というもの。
もうちょっと踏みこむと、壮大な兄妹ゲンカ。
八十島がイイカンジに引っかき回してくれて、良平じゃないけれど、みんながすれ違ってどんどん不幸になっていく様は、なかなか興味深い展開だった。

ただ、あれほどまでに憎んでいた魔女(主人公が魔女を憎悪する描写が少なかった点は、いささか痛いところではあるが)が妹なのが判明した途端、「妹だからなんでも許す」とか言いはじめてしまう主人公ってどうなんだろう?
もちろん妹萌えのお兄ちゃんからしたら当然の展開なのだけれど、もう少し言葉巧みに良平と私たちを説得してほしかった。
そして、妹とエッチしちゃったことについてもう少し踏みこんでくれると、妹萌えの私なんかは嬉しかったな。

エンディング、春菜との確執は解けたけれど、夏美は未だに起きる気配はない。
せっかくの大団円を目指すのだから、問題を解決しろとまでは言わないが、糸口くらいは見せてほしかった。
春菜と夏美が仲直りして、初めてハッピーエンドだと思うんだよ。違うかな?

主人公のグリムについてもよくわからないまま。
異形に変化してたっぽかったのに、制御できたら元に戻ってたし、完成度にやや疑問符はつく。
ま、ケーキをパクつくルナちーがすごく可愛かったから許しちゃうけどね!

---

シナリオの評価は、☆3つかな。
アクションシーンはなかなか盛り上がる。
主人公打たれ強すぎじゃね? とは思ったけど。

CGの枚数のせいか、Hシーンは2回4CG。
瑞穂さんとかどーでもいいから、こっちに回してほしかった。

ところで、毎度毎度思うのだけれど、このゲームは男キャラが全員胸糞悪いんだよね。
なんだろう、男に恨みでもあるのだろうか?
八十島はともかく、親友キャラの良平のはっちゃけっぷりはなかなかだった。
まぁ事情を知れば、ある程度諦めもつくのだけれど。

次回、総まとめ記事。
ところで、どうしてルナちーにはウサ耳が生えていたの?
関連記事
category
ゲーム [★★★☆☆]
グリムガーデンの少女

グリムガーデンの少女 -witch in gleamgarden- 桜子ルート

グリムガーデン、4キャラ目は脳筋狂犬娘・和泉桜子ちゃん。
主人公の幼なじみ設定もついていたり。
ジャンルはおそらくクーデレ……なんだろうか。
正直、こういうタイプの女の子にあまり興味がないのが痛いところ。

桜子の声を当てているのは、有栖川みや美。
綾小路葵(ジブリール4)、鹿島志鶴(花と乙女に祝福を)、凶月咲耶(神咒神威神楽)あたりでお世話になっている声優さん。
しっとり系お姉さんタイプの声質。
桜子の声には比較的マッチしていたように思う。

桜子ルートは、彼女の大切にしたいもの、家族の絆と過去の話。

---

とりあえず、ここまで胸糞の悪いお話は、ギャルゲーのうちでも珍しい。
これも、悪役がストイックなまでに悪役に徹しているおかげ。
やり過ぎててリアリティが薄れてしまっているような気がしなくもないけど、演出としては悪くない。
予定調和のように正義が勝つのだけれど、そのカタルシスにも貢献してくれるしね。

ただ、一旦やられかけて、ピンチで覚醒! ってのはお決まり過ぎたかもしれない。
さんざんボコられといて、一撃で一本取れちゃうのもズルい気がするし。
ただまぁ、じゃあどうすればいいんだよ? って言われても困るんだけどさ。

---

ギャルゲーシナリオの展開は割と王道。評価は☆2つかなぁ。
桜子とのあまあま度は控えめ。
共通や他ルートでは、桜子は(恋愛関係に関しては)常識人ぽかったから、個別に入ったらものすごいはっちゃけっぷりを見せてくれたりするのかなぁとか、少しだけ期待していたんだけどね。

気を取り直して、本命の妹ルートへと行きたいと思います。
関連記事
category
ゲーム [★★★☆☆]
グリムガーデンの少女

グリムガーデンの少女 -witch in gleamgarden- 千歳ルート

グリムガーデン、3キャラ目は愛嬌たっぷりニート娘・朝比奈千歳ちゃん。
かがんでからの上目づかい立ち絵が恐ろしくかわいい。
友人には「あの子、おまえにそっくり」とか言われて「まさかwww」とか思っていたのだけれど、いざ攻略してみれば、私がエロゲヒロインになったらこんな感じなんだろうなぁとしみじみと思ってしまいした。

千歳の声を当てているのは、美月。
スマガの樋ヶさんの声優らしい。ふぅむ。
千歳の声は、当たり障りのない演技でした。コメントに困る

そんな千歳ちゃんのシナリオでは、人生に真剣に向きあわない彼女の心の闇にスポットを当てているようです。

---

誰よりも早く走ることが、千歳の存在意義だった。
けれど、魔女になることで、彼女の生きる意味は失われる。
だから人生に真面目に取り組めないし、「もうどうなってもいいや」になってしまう。
主人公は、まるでヤンデレのように献身的な千歳の姿から、その苦悩に気づく。

千歳はやるべきことを果たせなかった。
逃げてはいけない場所から、逃げてしまった――。
「たぶんお前は、その時の自分を許していない」
「だから自分を大切にも出来ないし――『俺のため』なんて理由で、簡単に自分を危険に晒してしまう」
「要するに――お前は空っぽなんだよ、千歳」


千歳が本当に「空っぽ」なのかどうかはいささか疑問ではある。
人生の目標を見失った彼女に、自分の中に入れるべき「価値あるもの」が見つけられないという点では、「空っぽ」と評してもいいのかもしれない。

千歳のグリムは「負けたくない気持ち」からではなく、「負ける可能性がある場所から逃げたい気持ち」によって生み出されのだと主人公は言う。
この違いは、殺されるか、その前に自殺するかといったレベルでの違いでしかない。
けれど、逃げることが彼女の本当の問題なら、その過ちを取り戻すことはできる。
そうして、千歳は取り返しのつかないことを取り返すため、再び走りはじめる。

---

千歳の気持ちは、私はよくわかる。
彼女にとって、自分の人生は生きるに値しないものなのだろう。
本当の価値なんて誰にも決められるものではないし、由真や桜子が言っていた「朗らかさ」や「優しさ」といった千歳の長所も、彼女自身がそこに価値を見出さなければ意味がない。
そんな彼女が、大切な人の役に立ちたいと、主人公に尽くすようになるのも当然だろう。

主人公がしたように、千歳が人生に意味を見出せるようになったほうが健康的なのだろう。
叶えたい夢を見つけ、自分の人生を自分で生きていく。
それが空っぽではない、新しい朝比奈千歳の人生なのだ。

――しかし、それは本当に意味のあることなのだろうか?
一度人生の空虚さに囚われてしまった彼女に、その問いが芽吹かないか、少し心配ではある。
主人公とのセックスが、生を肯定的に受け止められるファクターになっているのかもしれない。
千歳の幸せそうなトロ顔を見ていたら、そんなこともちょっと思ってしまいました。

---

シナリオの評価は、☆3.5くらい。なかなかよかったな。
ただ、オーラスの碧ちゃんが事故に巻きこまれてからのくだりは、正直蛇足なような気もする。
どうしてもサスペンス展開を入れたいのなら止めないけどさ。
けれど、碧ちゃんと勝負をして、そこでエンディングでも全然問題なかったと思うよ。

あと、個人的には「走る」ってすごく青春の香りがすることだと思っている。
その青春っぽさをもっと上手く使ってほしかったかなぁと。

しかし、なにはともあれ、千歳ちゃんは思っていた以上に可愛かった。
「せんせい」と「とーじさん」を使い分けるあたり、女の子の愛嬌たっぷりだったね。
エッチのときの満たされたような表情が印象的。
今のとこ、私が選んでいいのなら、千歳ちゃんとお付き合いしたいです! どきどき
関連記事
category
ゲーム [★★★☆☆]
グリムガーデンの少女

グリムガーデンの少女 -witch in gleamgarden- 白雪ルート

グリムガーデン、2キャラ目に攻略したのは、毒舌クーデレ・白雪。
サブヒロインかと思っていたら、Hシーンは4回8CG、シナリオも盛り沢山な正ヒロインでした。

白雪の声を当てているのは、藤咲ウサ。
えくれあ(ウィッチズガーデン)、一桜(春ポコ!)でお世話になっている。
棒読み演技が持ち味の個性派声優さんだけれど、感情が入ってくるとなかなか可愛らしい。

白雪ルートは、担当魔女の3人にはそっけなくしつつ、瑞穂さんに「白雪がタイプです」的なことを言うと入ることができる。

---

シナリオは、白雪の過去と瑞穂さんの過去を絡めつつ、防疫公社という組織の暗部を暴いていく冒険譚。

ずっと組織に縛られていて「自由」を知らない白雪が、外の世界へと飛び出していくお話でもあるのだけれど、そちらの完成度は予定調和の域を出ない。
けれど、失われていた白雪の記憶を取り戻してからのサスペンス・ストーリーはなかなかのもの。

正直なところ、白雪がぽん太に固執して良平に捕らわれなければ、ここまで困難は大きくならなかったような気もするのだけれど、それは言ってはいけないのだろう。
このシナリオのテーマには、「決して諦めないこと」というのもあるからね。
ありがちすぎて、ちょっとだるかったけど。

とにかく、白雪は彼女の大切なもの(優しかったお姉さん・守ってくれた瑞穂さん・愛してくれた主人公)を守ることを諦めなかった。
そうして、幼い少女だった百合子から、大人な白雪へと成長していく。

ところで、悪役設定の八十島だけど、私はそこまで悪人だとは思えない。
共感できるところも多々あるし、第一、科学の発展に犠牲が必要なのは真実だろうと思う。。
だからと言って、白雪が犠牲になってそれでいいとは思えないけど、仕方のない面はある気がする。
なので、命乞いをするほど小物な終わり方をした八十島には、正直がっかりでした。

---

シナリオの評価は、☆3良作レベル。
テンポはよかったし、展開も面白かった。
最終的には予定調和なオチになってしまったのは気になるところだけれど、それは仕方ないか。
もう一つ気になるのは、残された三人の魔女たちのことだけど……。
由真ちゃんとか千歳ちゃんとか、先生がいなくなって本当にがっかりしたんだろうなぁ。

ギャルゲーとしての白雪のキャラクターは、なかなか良いものでした。
ルートに入った直後の「ご褒美なでなで」のごり押しは、頬のゆるみを抑えきれなかったな。
残念なのは、貧乳キャラかと思っていたらそこまで貧しくなかった点。
まぁいいんだけどね

自分の気持ちが恋心だと気づかずに、なでなでをおねだりしてくる白雪ちゃん。
そんな彼女が抱いた想いの正体に気づいていくあたりは、なかなかキュンキュンしてしまいました。
ヒロインが主人公に惚れる過程がはっきりと描写されているというのは、重要なことだと思います。

しかしまぁ、この主人公は過去類をみないほどのお節介焼きなんだなぁ。すごいよこれは
関連記事
category
ゲーム [★★★☆☆]
グリムガーデンの少女