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春季限定ポコ・ア・ポコ! 藍ルート

名作「リアル妹のいる大泉君のばあい」を作り出したALcotハニカムの最新作「春季限定ポコ・ア・ポコ!」を始めてみた。
このブランドは、質の良いミドルプライスのゲームを作っているイメージ。
ボリュームが少ないと、早く終わるし、小さなテーマも冗長にならずにまとめられるのが良いよね。

ポコ・ア・ポコ(poco a poco)は元はイタリア語、音楽用語で「少しずつ」という意味らしい。
  「人生はね、ポコ・ア・ポコなんだよ!」
  「つまり、"ちょっとずつ"確実に進んでいけばいいってこと」


私がこのゲームに手を付けたのは、もちろん評判が良いということもあるけれど、可愛い妹キャラがいるからという理由もある。
ということで、まずは残念なブラコン義妹の、野々宮藍ちゃんから。
藍の声優は、桐谷華。
最近デビューしたばかりの声優のようだ。
「穢翼のユースティア」のラヴィリア役のひとだね。

藍ルートは、主人公にとっての妹、藍にとっての主人公、そして生き別れていた妹が象徴する家族についての話。

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ブラコンな妹と、シスコンな兄。
そんな相思相愛(?)なふたりに影を落とすのは、生き別れていた主人公の双子の妹、遥。
藍は、兄が自分だけの兄ではないことに気付き、兄に甘えすぎるのを止めようとする。
しかし、そんな藍に主人公は言う、「家族なんだから遠慮なんかするな」。

主人公も、初めて会った実妹に、切れてしまった家族の絆を感じる。
彼女がどんな生活をしてきて、どんなものが好きで、どんなことを考えているのか。
そして、彼女が失踪したときには心から心配をする。
「形はどうであれ、俺たちは家族だ。妹を心配しない兄などこの世にいないんだ」

そうして、無くしたまま気付くこともなかったはずだった妹が家族になり、自分が憎んでいたはずの両親も、やはり家族だったことに気付く。
そんな話だったと思う。

しかし正直に言って、兄妹モノはやはりリア妹を書いていたライターおるごぅるのほうが上手だった。
ひたすら藍が可愛いだけのシナリオだった。
この残念系ブラコンっていうキャラはとても良かったね。
もっと耳年増的なエロ方面に行っても良かったのに。

Hシーンは普通。
全体的にちょっと期待外れだったけど、これから良くなることを期待して次に行こう。
category
ゲーム [★★☆☆☆]
春季限定ポコ・ア・ポコ!

春季限定ポコ・ア・ポコ! 桜ルート

春季限定ポコ・ア・ポコ!、2ルート目は気怠げな雰囲気のマイペースな電波少女、一桜ちゃん。
一は二の前にあるから、一と書いてニノマエと読ませる。
鷹がいないと小鳥が遊べるから、小鳥遊と書いてタカナシと読ませるのと同じノリの名字。

声優は藤咲ウサ。
ほとんど初めてお世話になるひとだね。
大人しい声が結構可愛い。

桜ルートは、一年前に死んだ夏海の双子の姉、春花についてのお話。

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天才バイオリニストとしての桜の始まりは、春花との出会いから。
親に嫌々やらされていたバイオリンを辞めようとしていた幼少期、彼女は春花と出会い、バイオリンを続けることを決めた。
それは、初めて出来た友達を失いたくなかったからであり、春花が彼女を暗闇から引っ張り上げてくれたから。

けれど、桜は春花が死ぬまで、重病を患っていたことを知らなかった。
そのことを春花に教えられていた主人公も、彼女には教えなかった。
春花の死が、彼女のバイオリンの奏でる音の終わり。
「どうして、教えてくれなかったの?」
「私、春花にさよならも言えなかった!」
「彼方なんか友達じゃない!」
「彼方なんか、大嫌い!」


桜は、ずっと春花のために、春花と一緒に演奏するために、春花に世界のてっぺんへ連れて行ってもらうために、バイオリンを弾いていた。
春花がいなくなった今、彼女にはもうバイオリンを続ける意味なんて、なかった。
それは主人公も同じ。
だから、ふたりは天才と言われながらもケースの蓋を閉じた。

今回桜が「春季限定」カルテットを組んだのは、春花への手向けとして。
春花が最後に弾くはずだった場所で、最後に弾くはずだった曲を、その想いを遂げようとしていた。
けれど彼女は、過去に置いてきた音ばかり拾ってくる、そんな自分の弱さを理解していた。
「音楽と向き合うんじゃなくて、音楽に逃げてるんだよ」
「それって弱い。何の価値もない」
「私はもう弾いちゃいけないのかもね」


そして、桜はバイオリンを弾けなくなる。
今の音に、春花がいない現実に、向き合う強さが持てなかったから。
それは主人公も同じ。
ふたりはとてもよく似ていて、だから互いのことがよく分かった。
桜はどうしても先へ進めず、足を止めてしまう。
主人公は、先へ進もうと足掻く。

桜は、友達が欲しくてバイオリンを弾いていた。
春花は大切な、本当に大切な友達だったけれど、だからといって今の友達をないがしろにして良い訳じゃない。
今の自分には、主人公をはじめ、大切な友達がたくさんいる。
その友達が、自分のことを待っていてくれている。
そして、その友達と一緒になら、春花が目指していた場所にも行けるはず。
そのことに気付いた桜は、バイオリンを掴んで走り出した。
「はるかかなた」を目指して。

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音楽に真面目に向き合っている少年少女が綺麗に描かれていたシナリオだった。
主人公と桜が同じ過去と同じ苦悩を共有しているからこそ惹かれ合うという展開は、とてもわかりやすかったし共感しやすかった。
桜の雰囲気がとても良かったのもポイント。
主人公がずっと桜と友達に戻りたがっていた、という展開も良かったよー。

エッチシーンが割と悲しい雰囲気なのも特徴かも。
友達になれる資格がないから、身体で繋がる。
忘れたいことがあるから、快楽に逃げる。
現実にはありがちなセックスだけれど、それを純愛系エロゲーでやってくるのは少し珍しいかも。
普通の純愛系エロゲーでのセックスは、愛を確かめ合うようにあまあまな雰囲気でやるものだからね。

終盤のシリアス展開に突入する前の、桜のバイトやPV勝負なんかの話も、割とテンポ良く進んで楽しかった。
予想以上の良シナリオだったなぁ。
これは夏海ルートも期待できそうだ。
category
ゲーム [★★☆☆☆]
春季限定ポコ・ア・ポコ!

春季限定ポコ・ア・ポコ! 夏海ルート

春季限定ポコ・ア・ポコ!、ラストは純正ツンデレの悠木夏海ちゃん。
声優は北見六花こと五行なずな。
しにキスの天宮雫の声を当てていたひとだね。

夏海ルートは、死んだ双子の姉についての、トゥルーエンドのようなお話。
他2ルートを終わらせてからじゃないと、選択肢が解放されない。

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主人公も桜も夏海も、春花の死をまだ受け止め切れてはいなかった。
桜ルートでもあったように、主人公と桜はそこで足を止めてしまう。
夏海は変わらずピアノに向かい続けていたけれど、それは昔から目標にしていた姉のピアノをただ追い続けていただけ。
死んだ人間に引っ張ってもらっていただけ。
けれど、春花の死に向き合うという意味では、夏海は主人公や桜よりよっぽど強かった。

昔から、主人公は春花が好きで、夏海は主人公が好きだった。
夏海は主人公の気持ちを知っていたし、だから主人公が音楽を辞めようとする理由も知っていた。
だから、夏海は春花になりきって、主人公のことを支えようとする。
「…だって、あたしじゃ彼方を救えない…」
「だったら、春花の代わりでも何でもやるしかないじゃないっ!」
「あたしで、無理ならそうするしかないじゃないっ!」


けれど、誰かが誰かの代わりなんかなれるものじゃない。
人は精一杯頑張っても自分になることがせいぜいのもの。
主人公もそのことには気付いていたし、自分が春花のことを振り切れないことで、夏海の足もまた止めてしまっていることに気付いた。
そこに届いたのは、死んだ春花の吹き込んだメッセージ。
そこに残されていたのは、音楽に対して真摯だった春花の気持ちと、それに応えていたころの自分の気持ち。
そして、自分が好きなものと、奏でたい本当の音。

――俺はお前みたいになりたいんだ
――お前の音が本当に好きなんだ
――俺や桜がずっと立ち止まっていた時も
――ただ一人で、ずっと、ずっと姉の死と向き合い、生きてきた夏海の音を
――そんな音を俺も手にしたい
――強くなりたいんだ

――俺、音楽が大好きなんだ…!


そうして、少年少女は、ひとりの少女の死を乗り越え、またひとつ成長してゆく。

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シナリオ全体の評価としては、まぁこんなもんかなぁ…って感じ。
ただ、エンディング後のエピローグからのタイトルバックの流れはとても良い。
リア妹ほどではなかったけれどね。

夏海のツンデレ以外の魅力があまり伝わってこなかったのは残念。
あー巨乳とか?あんまり興味ないや
というか、主人公のヘタレ具合には妙にイライラさせられたよ。
イライラしたポイント自体はスキップ並の速さで進めたからあまり覚えてないのだけれど。

春花のエピソードももっと色々あっても良かった気はする。
主人公との出会いとか、春花と夏海についてとか。
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ゲーム [★★☆☆☆]
春季限定ポコ・ア・ポコ!

春季限定ポコ・ア・ポコ! まとめ

--- シナリオ ---

「ブカツでせーしゅんしようぜっ!」な誘い文句な通り、クラシックを通した少年少女の青春モノ。
音楽は音楽でもクラシックっていうのは少し珍しい気がする。

中身は、基本的には死んでしまった天才少女の死を乗り越えていくお話。
ただし愛妹の藍のシナリオだけは、主人公の家族のお話。

全体としての完成度は悪くない。雰囲気も良いし。
のだけれど、突出して良いところもあまりない。
藍のキャラくらいか。面白いし。

ハニカム系の作品にはいつも思うのだけれど、過去の回想が少し足りない気がする。
今回マトモに春花のことを振り返ったのは、桜ルートでの出会いの話だけ。
幼い頃のカルテットと夏海の関係とか、その辺は描写しても良かったのではないかなぁ。

あと、音楽の感性的なことを言われてもいまいちピンと来なかった。
まぁこれは個々人の得手不得手ということになるだろうから、シナリオの完成度にはあまり関係がないか。
しかし、卒業式で演奏するということだけれど、メンバーが揃った瞬間にほとんど成功間違いなし的な天才ばかりを集めてきてしまったのは、話の盛り上がり的にどうなんだろうと思わないでもなかった。
つまり、本当にコイツらで卒業式なんとかなるのか…ドキドキ…みたいなのが足りなかった、っていうね。

個別シナリオ別評価
桜 ≧ 夏海 > 藍

桜シナリオがやっぱり一番だったかなぁ。
昔は名前を呼んでくれていたのに今は名字とか、実際結構傷つくよね。
藍シナリオは、藍が結局ギャグ要員にしかなっていなかったような…?
遥は可愛かった。それは認める

オススメ攻略順
藍 → 桜 → 夏海

--- キャラクター・CG ---

絵的なレベルは高かった。
原画師が数人いたせいか、二次元世界にありがちな、髪型違うだけで全員同じ顔じゃね?なパラドックスが全く感じられない。
ちゃんと全員別人描かれていた。
どうでもいいことかもしれないけれど、私はこういう所は評価する。

キャラ付けも悪くない。
藍の残念系妹は新しいと思います。
桜の雰囲気も私は好き。
夏海と遥のキャラがあまり立っていなかったような気がしたのは少し残念。

SD絵があったのも嬉しいね。
最近流行ってるしね。

背景やシステムデザインもとても良かったと思います。

--- その他 ---

声優
全体的にレベル高し。
真奈先輩の声は理多が当てていたのだね。
お気に入りはやはり藍の声か。

Hシーン
ふつう。
使いたければどうぞ!使えると思うよ!たぶんね

音楽
良。
細かいことだけれど、バイオリンの音はまだしもビオラの音とか良くわからないので、そういう楽器個別の音みたいのも入れてくれたらよかったかなーと思う。
音楽モノでしかも天才設定だと、なかなか難しいのかもしれないけどね。

システム
良。
バックログからそのシーンへジャンプできる機能がついているのは嬉しい。
あの機能は個人的には結構お気に入りです。

--- 評価 ---

ハニカム文庫第三弾「春季限定ポコ・ア・ポコ!」。
勢いで終わらせてしまったけれど、振り返れば良作だった。
ゲームタイトルはかなり秀逸。

ボリュームが少ないなら少ないなりに、それなりにシナリオをまとめてきたし、ツッコミどころは少なかった。
あーひとつだけ言うなら、卒業式3月31日にやるっておかしくね?ってだけ。
それ以外はギャグもシリアスもメリハリを付けて入れてきていたと思う。

ただ、人に薦めるときなんかに「この作品は無難なんだよねー」じゃオシが弱い。
それがこの作品の欠点かもしれない。
可もなく不可もなく。
私にとっては、妹の藍ちゃんがそれに当たったから手に取ったわけだけれど。

とりあえず、しにキスよりは少しだけ面白かったかな?な★2評価。
もしかしたらハニカム文庫第二弾のほうもそのうちプレイするかも。
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ゲーム [★★☆☆☆]
春季限定ポコ・ア・ポコ!