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暗い部屋 まとめ

シナリオ原理主義者を自称している私だけれど、そのなかで最もお気に入りのシナリオライターが、瀬戸口廉也氏だ。
キラ☆キラ(★5)で瞠目し、CARNIVAL(★4)でハマり、SWAN SONG(★4)で尊敬した。
今は唐辺葉介のペンネームで小説家になっているらしい。

そんな彼の同人作品が、この「暗い部屋」だ。
(元は小説にする予定が、出版社の倫理規制に引っかかって出せなかったとかなんとか)

プレイ時間は3時間ほど。
2000円はちょっと高い気もするけれど、ハードカバーを買ったと思えばOKです。

ネタバレを含めた作品内容についての考察は次回以降の記事に譲るとして、今回は総評を。

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まず、このゲームは純粋な「ノベライズゲーム」であって「ギャルゲー」ではない。
だから二次元の女の子と恋はできない。Hシーンもない。
本当はこのブログで記事にしてはいけない作品なのかもしれない。
そして、良くも悪くも唐辺葉介ワールドが全開な作品に仕上がっている。

この物語上、なにか大きな「イベント」が起きることはない。
……いや、冷静に振り返ってみれば起きているような気もするかも?
けれど、そのイベントは「起こるべくして起こった」必然でしかなく、新しい展開を引き起こす原動力にはなっていない。
(そう思ってしまうのも、世界観に毒されたせいなのかも)

つまるところ、登場人物の設定がこの作品の全てなのだ。
それを細やかな心理描写と共に小出しにすることで、じっくりと読者を世界観に引き込んでいく。
このやり方は、卓越した文章力がなければできないことだ。
(私もやってみようと試してみたのだけれど、どうやら無理なようでした。ざんねん)

そうして作り上げられた世界観は、「暗い部屋」というタイトルにふさわしい閉塞感に充ち満ちている。(このライターの描くどの作品にも共通したものではあるが)
そして、みんなが幸せになるテンプレ的なハッピーエンドも迎えない。
そういう意味では、鬱ゲーに分類されるものかもしれない。

けれど、たしかに救われている人もいる。
主人公はおそらくそうだろうし、もしかしたらヒロインもそうかもしれない。
あるいは、死すらもどうしようもない現実から救われる方法のうちの一つだとするのなら、全員が救われているとすら言えるのかもしれない。
いや、もちろんこの主張が共感を得られないだろうこともわかっている。
けれど、明るい希望に満ち溢れた、誰も傷つかず誰しもに祝福される――そんな絵に書いたようなハッピーエンドを、この世界で私たちに迎えられるだろうか?

生きていれば辛いことがたくさんあり、人生は思い通りにはならず、誰も悪くないはずなのに物事はなぜかどんどん悪くなる――
そんなクソッタレな世界に生きている私たちに掴める等身大のハッピーエンドが、例えばこれだ。
★4つ、秀作評価。
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ゲーム [★★★★☆]
暗い部屋
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