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フラテルニテ その1(心音エンド、紗英子エンド)

マゴットベイツ、期待以上に面白かったよね。なら、やっぱりこれもやらなきゃね!

ということで、フラテルニテ。
仰げば尊しと、自分の遺影を持った集合写真のOPが心に残るゲームだ。

さて、大体において物語とは「問題を解決する」あるいは「壁を乗り越える」という状況を描くものだ。
そして、読者である私たちは(仮に主人公にはわかっていなかったとしても)「どんな結末を迎えるべきか」という方向性をある程度持って、物語を読み進めていく。

しかし、この物語は、それがまったく見えない。
どうすれば問題が解決できるのかも、どんな結末を迎えればハッピーエンドになるのかも、まったくわからないのだ。
(愛とラブラブエンドは、一つのハッピーエンドだろう。けれど、それは問題の解決にはならない)

---

問題のあらすじは、こうだ。

主人公の姉は、強姦被害に遭ったことで、ひどく心を病んだ。
部屋から出られず、家族にも顔を合わせられずに、一日中自殺願望に取りつかれていた。

しかし、彼女はあることをきっかけに、回復する。
住む町を変え、再び学校へと通い、新しい友人と笑いあえるようになった。

彼女を変えたのは、友愛クラブと呼ばれている団体。
誰もがありのままの自分でいられ、ありのままの欲望をその形で満たせる場所。
彼女は、そこでセックスに溺れていたのだった。
彼女はクラブによって「救われた」と信じ、昔のように笑える今を「幸福」だと信じているのだ。

「救われるって……本気でそう思ってるのか? みんなの前であんなこと……セックスするような場所なのに…!」
「…その人次第でしょ? 白坂君に理解できなくても、お姉さんはそれを救いだと思ってるんじゃないの?」
「それは…あんなの、洗脳されてるようなものじゃないかっ!」
「でも、あなたのお姉さんは元気になった。なのに、それが問題だと思ってるの?」

「でも、このままにしておくことが良いことだとは、俺には思えないんだ」
「お姉さんは今、とても幸せそうだけど?」


救いとはなにか。
どうしようもない現実に呑まれていく彼女たちを、どうすれば救えるのか。

---

現状、プレイ時間は8時間ほど。
心音エンドと、紗英子エンドを回収済み。

紗英子エンドは、まぁ凌辱系エロゲーがちょっと行きすぎちゃったかな? という感じ。
紗英子の言ってることはわかるんだけどね。
他人の中にいる自分と、自分の見ている自分が乖離しすぎていて、その均衡を取るための手段が「自分を貶める」ことだったわけだ。

それでも、さすがにスカトロシーンはスキップしました。
ウンチまみれでエッチするのとか、いったい誰得なんですかねえ……?

いじめられっ子な心音ちゃんエンドは、もうハッピーエンドって言っちゃいます?
ってゆーか、イジメで処女奪われちゃうシーンって、なんであんなに興奮するんですか?
「かわいそうな自分」に酔っちゃうタイプの子だったんだから、救われた後もそういう方向性のシーンがよかったかなぁってちょっと思ったけど。

でも、ラストのイジメっ子に殺されちゃうシーンの迫力ったら、もう!
狂気って伝染するんですかね? ぞくぞくしちゃいましたって!

---

あれ? もしかして、このクソみたいな現実から救われるには、死ぬしかないのかな?
それだけが、本当の救いなのかな? あれえ?

「大智が私のことをまともじゃないって思うのなら、もうそれでもいい」
「でも、それならまともな私って何なの? レイプされて部屋に引きこもって、毎日泣いて、食事もとらないで、自殺する事ばかり考えてるのがまともな私なの?」
「私なんて死ねばよかった?」
――誰もそんな事言ってないだろっ!!
「だったら、もう私のことはほっといて。あんな酷い生活をするのがまともなんだったら、私はまともじゃなくていい」
「まともじゃなくても、毎日が楽しくて、幸せで、笑って過ごせるならそれでいいの!」

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ゲーム [★★★☆☆]
フラテルニテ

フラテルニテ その2(愛サイド+姉妹エンド)

フラテルニテ、愛サイドを終わらせ、美桜・芽衣エンドを回収。
話はどんどんドス黒くなっていく。

唯一の味方だと思っていたキャラが、実は黒幕でした――という展開は、ありがちかもしれない。
けど、あり得ないことばかりが起きるこのゲームで「ありがち」な展開が起きるなんて、完全に予想外でした。逆に。
まぁ、考えてみればユーフォリアだって、一番信頼できそうな女の子が黒幕だったワケだしね……。

愛ちゃんがこのゲーム随一の萌えキャラである点については、異論のないところだと思う。
私だって愛ちゃんを救ってあげたいと思ったし、全部の問題をスッキリ解決して、愛ちゃんラブラブハッピーエンドになればいいなと思っていた。
けれど、今やそんな理想がはるかに遠い。

傷だらけの身体を見せてもらって「そういうのが好きなお客を取らされてた」って言われたときもだいぶショックだったけど、二週目をスタートしたときにいきなり始まるロリっ子凌辱シーンのセリフの冠に「愛」ってついてたときの、あの衝撃ったら!
たしかにおかしいと思ってたんだよ。冒頭の引っ越してきた初日、愛ちゃんみたく内気で友達もあまりいない女の子が、ちょっと見られてたってくらいで「なにか用ですか?」なんて話しかけてくるなんてさ。

---

さて、もともとの問題であったはずの姉・美桜について。
紗英子も言っていたけど、あの子はもう本当に手遅れなんじゃないですかね?

「彼女は強姦された辛さを癒すために、セックスに慣れることを選んだの」
「男に求められ、抱かれることは等しく幸福だと思い込むことにした」
「…もちろん、お姉さんがそれを選んだわけではなくて、そう仕組まれてしまったことだけど」
「どちらにしろ、彼女は自分が負った傷を傷ではないと思い込むことにした。痛みに目をつぶって、傷痕を誤魔化すために自分で新しい傷をつけ続けている…」
「今さら『それは間違いだ』なんて言われたら、傷だらけの自分と向き合わなきゃいけないのよ? ちょっと耐えられないもの」


たしかにセックスは基本的に「共同作業」であり、互いのコミュニケーションがうまく成立したときに、大きな快楽(あるいは深い満足感)をもたらす。
それは、承認欲求(僕はここにいていいんだ!)を満たされたときのものに似ているのかもしれない。
だからって、一度レイプされてからセックスの喜びを知ることが「救い」だなんて、そんなのおかしいよ。おかしくない?

「小野田さんもお姉さんと同じ。強姦されて、それを肯定することで救いを得た。その救いを肯定するために、同じ境遇のお姉さんを救おうとした」
「悪気なんてない。みんな自分が間違っていないことを証明するために他人を救うの」


ひょっとして、みんな居場所がほしいだけなのかもしれない。
だから、どんな形であれ、それを見つけられたときに「救われた」と思ってしまうのかも。

……じゃあ、愛ちゃんは、逆にもう自分の居場所が見つけられてるってこと?
あの子の闇は果てしなく深い。

「私を救ってくれるんでしょう?」


かならず君を救ってみせる。
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ゲーム [★★★☆☆]
フラテルニテ

フラテルニテ その3(愛トゥルーエンド・シナリオ考察)

愛エンド2種類を回収し「フラテルニテ」全クリです。
エンディングを見てからすぐに記事に取り掛かってるんですが、ちょっと辛い気持ちです。

たしかに、CLOCKUPのこういうゲームに「大団円ハッピーエンド」を求めるほうが間違っている。
わかっていたけど、それでもあまりに……ね。

さて、この記事では、キーパーソンでありメインヒロインである、神村愛にスポットを当てて、シナリオを読み解いてみたいと思います。

---

自由になりたい。

一周目の愛バッドエンドで、主人公の大智はそう言って愛を自分勝手に凌辱する。
そして己の欲望に忠実に生きることこそが「救い」だと気づくのだ。

他のヒロインもそうだ。
「かくあるべき」という常識や倫理といったものに抑圧されていた自分を解放したとき、それを「救い」だと感じていた。

ならば、愛はどうか。
愛はすべてを手に入れていた。
誰もが彼女の言いなりで、お金だっていくらでも稼げて、生殺与奪すら思うがまま。
なのに、彼女は救われていなかった。
それはなぜか?

(補足。愛は決して救われたいと思ってはいなかった。けれど、結果的に救われてしまったことに、彼女は気づいていた)

---

「お前はかわいそうなヤツなんだよ! そういうヤツは、だれかに助けてもらう権利があるんだ!」

アニメ「電波的な彼女」第1話より)


愛はかわいそうな女の子だった。
幼いころから虐待され続け、消えない傷痕を体中に刻まれ、子供も産めない身体にされた。
その痛みから目を背けるように他人を傷つけ続けてきた。
間違いなく彼女には救われる権利があって、そして誰かが救わなければならなかった。

けれど、彼女から救いを求めるわけにはいかなかった。
自分がかわいそうだと認めてしまえば、奪われ、虐げられ、貶されながらも生き続けてきたこれまでの人生すべてを否定することになるのだから。
そして、何十人という少年少女を不幸にし、命をも奪った己の罪と向き合わなければならなくなるのだから。

彼女もまた、美桜と同じだ。
負った傷を、傷ではないと思い込むことにして、ようやく生きることができたのだ。
彼女は決して自由ではなかった。自分自身に縛られていたのだから。

「私がみんなを不幸にして、私が殺したの!」
「そんな私を助ける? 何から救うっていうの? 全部…全部私がやったのに……!」
「今更後戻りなんて出来るはずないでしょう?」


彼女の「救い」は、目を背け続けていた現実を受け入れた、ありのままの自分を赦されること。
主人公は確かに彼女を救い、彼女は過去から――自分自身から自由になった。
だからこそ、彼女は最後に自分の想いに素直になることができた。

しかしそれは、体中を切り開かれ、血を流し続けたまま麻酔が切れたのと同じ。
目が醒めたとき、彼女の心は、現実という痛みに耐えられなかったのだ。

---

「かならず君を救ってみせる」


たしかに大智は愛を救った。
しかし、未来のない結末をもたらすそれを、本当に「救い」と呼んでいいのだろうか?
私にはわからない。
彼女は言った。

「私に救いはない」

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ゲーム [★★★☆☆]
フラテルニテ

フラテルニテ その4(まとめ)

シナリオ

「宗教にハマってオカシクなっていく少年少女たち」という観点で見れば、ものすごい迫力。
誰かが書いていたけれど、確かに昔はこういうゲームばかりだったかも。「螺旋回廊」シリーズとかね。

そして、主人公の苦悩も、実は身近なところにあったりする。
程度の差こそあれ、身近で大切な人が偏った考え方に染まっていったり、悪い友達と付き合いはじめたりすると、やめさせなきゃ! って思う。
主人公の抱いたそういった気持ちは、間違いなく正しいものだろう。

「でも、その結果、救われてる人がいるのだとしたら…それでも、クラブは悪いところだって言える?」


私は頑張って考えたよ? でも、これを論破できるリクツを組み立てられなかった。
自殺しようとする人を、感情論でしか引き留められないのと同じことだって。

ひょっとしたら、ギャルゲーにハマっている私に対して、私のお父さんやお母さんは、主人公と同じ気持ちを抱いているのかもしれない。つらい

グランドエンドの救いの無さについて
最終的に、愛は自殺(と言って差し支えないよね?)してしまうのだが、もちろんそうならないエンディングだって簡単に考えつく。
あの場に美桜を登場させずに、愛に素直な気持ちを打ち明けさせればいいのだから。
そうしたら、きっと愛と大智は寄り添いながら、ゆっくりと、しかし確かな未来へと歩むことができたはず。

では、なぜそういうシナリオに「しなかった」のか。
シナリオライターは、この作品にどういうメッセージを込めたのか?

些細な間違い、大きな過ち……。私たちは誤った選択を繰り返しながら生きている。
けれど、どんな現実に直面しようとも「やり直すのに遅すぎることなんてない」し「命さえ失わなければなんだって取り返しはつく」はず――
そう思って、私たちは生きてきた(あるいは、そう思い込まなければ生きてこれなかった)。

けれど、壊れた美桜は決して元には戻らないし、愛は未来のある生き方は選べなかった。
救われなければならなかったはずの彼女たちが本当の笑顔を見せてくれるのは、クリア後のタイトル画面――すなわち天国においてのみなのだ。

「だって、あなたのお姉さんはきっと…もう手遅れだもの」


刻みつけられた傷痕は消えないし、犯した罪を贖うこともできない。
取り返しのつかないことは、たしかにある――
それがこの作品のメッセージだ。

「誰かがほんの少し優しければ、あの子たちは学校へ通い、友達を作って幸せに暮らしただろう。でもそうならなかったんだよ、ロック。だから、この話はここでお終いなんだよ」

(アニメ「BLACK LAGOON」15話より)


テキスト

文章そのものは、抜きゲーとしてのクオリティを存分に満たしている。
そして、ちょこちょこセンスの垣間見える文章。私のお気に入り台詞リストがどんどん増えていきますね!

群像劇形式で視点が変わるこの形式は、エロゲーとしては素晴らしい。
それぞれのキャラの考えていることがわかって、だからこそ感情移入できるし、実用性が増すのだ。
ただし、普通のギャルゲーでこれをやられると、めんどくさいことになりがちなので注意ですよ!

グラフィック・Hシーン

ドロドロでグログロなシーンがたくさんです。
快楽堕ちしたあとの酒池肉林といったようなシーンを和姦と呼ぶのなら、それも結構ありましたね。
ちなみに、Maggot baitsでは実装されていなかった「ムチ打ち」シーンは、こちらでどうぞ。

規制の限界に挑戦しているようなシーンも多々。
女の子が死んじゃってる一枚絵を集めている方にもオススメできますよ!

キャラクター

やっぱりエロゲーですから、かわいい女の子がいるとテンションが上がりますね。
その点、私のお気に入りが愛一人だったのがちょっと残念。

円夏とかいう巨乳は、あれもう完全に自業自得ですからね。
なんでダメって言ってることをあえてしちゃうのかなぁ? 馬鹿なの? 死ぬの?
あ、だから死んだのか。もーほんとにお馬鹿さんなんだから!

そういえば、心音ちゃんは結構イイカンジでしたね! エロゲーヒロインとして!
あぁ、立ち絵ではぜんぜん気になってなかったのに、Hシーンでは芽衣ちゃんも悪くなかったですって!

声優

愛役のこたつみやこが熱演。
普段の清楚な喋り方と、下品な喘ぎかたのギャップがすごい。
でも、さすがにちょっと痛々しいシーンが多すぎたかなって……。

ところで、CLOCKUP恒例のスタッフコメントで、なんで声優さんたちはみんな苦笑いから入るのはどうして??

システム

いつも通りのCLOCKUPです。なにも不満はありません。

総評

ハピネスシンドロームADV。
幸せ症候群。幸せは求めるほどに逃げていく。

実写背景と写実的で肉感的な塗りからもわかるように、かなりリアリティを重視した作品。
本当に現実に即しているのかは置いておいて、読者を引き込む世界観が確立されているのは確か。

ただ、私は「好きな女の子が洗脳されてしまったとき、どう助けたらいいのか?」という答えを求めていたのだけれど、それが与えられることはなかった。
だからこそ、この後味の悪さなのだろう。

「皆幸せだって、クラブに救われたっていうけど、俺にはそうは見えないんだ」
「皆辛そうで…かわいそうだ」


euphoria」「Maggot baits」と並ぶダークなゲーム。
エロゲーらしいエロゲーであり、鬱ゲーらしい鬱ゲーである。
フラテルニテ、★3良作評価です。
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ゲーム [★★★☆☆]
フラテルニテ
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