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あけいろ怪奇譚 ベルベットルート・その1(バッドエンド)

2016年3月発売枠は、シルキーズプラスより「あけいろ怪奇譚」をチョイス。
前作の「なないろリンカーネーション」がかなり面白かったとか?
シルキーズ作品は初めてなんですが、あけいろ一周目を終えて、なないろもプレイすることを決めました。
一応「まいてつ」もやろうとは思ってるんですが、いろいろ溜まってるのでとりあえず保留です。

あけいろ怪奇譚は、正統派・学園の七不思議を解決するADV。
高校生主人公が9割な、ジュブナイルを地で行くギャルゲーにおいて、「学校の七不思議」はとても相性がいい題材。

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主人公は、七不思議のひとつ「旧校舎の幽霊」に呪われ、殺されかける。
デッドエンドを回避するには、どうやら他の七不思議も解かないといけないらしい――
ということで、物語は進んでいく。

まずルートに入ったのは、クーデレ(予定)なベルベット嬢。
CVは、風音。
いろんなところでお世話になっている声優さんだけど、時々こういう無表情キャラをやったりする。意外とよく似合う。

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さて、ベルベットのルートは、死にたがりの吸血鬼のお話。
というか、現状まだハッピーエンドを迎えられていないのですが、途中がショックすぎて(あとちょっと忙しくて)一週間くらいゲームができませんでした。
初エッチのアレ。心が折れたよ……。

たしかに、緊張しすぎて入れる前に出ちゃうとか、気持ちはわかる。
そこで女の子に「……もう終わり?」とか言われたら、立ち直れないかもしれない。
それでも、心が繋がっていたなら、きっと取返しはつく。
(提督、慌てないで。大丈夫です)

しかし、心を繋げるために、身体で繋がろうとしていたなら?
そして、身体は一つになれたとして――それでも心に手が届かなかったなら?

あの子とエッチしたい。この子とラブラブしたい――
そんな即物的な欲求を抱いて、私たちはゲームをやったりアニメを見たり同人誌を読んだりする。
しかし、もしその願望が現実に叶ったとき、それで本当に満足できる?

ココロとカラダ。ここでもテーマになったね。
私たちはいったいどうすれば満たされるのだろう。

行為の最中、ずっと我慢していたことがある。
キスをしたかった。
ベルベットに、口づけをしたかった。
抱きしめたかったし、頭を撫でたりしてみたかったし、終わったあとも一緒のベッドでイチャイチャしたかった。
できなかった。
できていたら……もっと違った結果になっていたんだろうか。
わからない。
ただ、ひとつ。確信めいた予感。
……。
失敗した。
俺はたぶん、ベルベットの意識を変えられなかった。
俺は、ベルベットの生きる理由に……なれなかった。


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バッドエンドでは、朱子と心中するようにして、ベルベットは願いを叶える。

意味のある死がほしい――ベルベットはそう言っていた。
それは、意味のある生を望むのと、まったく同じことだ。
究極の献身であり、ちょっぴりのワガママ。

不死身の女の子に「生きろ」だなんて、私なら言えない。
もちろん、いなくなってほしくなんてない。でも、それもワガママでしかないのだ。

「もし私がただの人間だったら……。なんのしがらみもなく……あなたと恋人に、なれたのかしら」

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ゲーム [★★★★☆]
あけいろ怪奇譚

あけいろ怪奇譚 るり・るかルート

あけいろ、2ルート目は双子の地主神様・るりとるかを攻略。
というか、ベルベットのトゥルーエンドを探していたら、こうなっていました。
るりるかみたいな子が好きすぎてヤバイ。もうたぶん病気なんですね、私。

るりとるかの声優は、結衣菜。初体験。
まぁこの棒読みがかわいいるりるかちゃんに、声優のクオリティは……関係あるんですかね?
でもるりるかちゃんは棒読みかわいい!

そんな可愛らしい神様なるりるかちゃんルートは、「社はお社」「霊の寄る辺」との神様のお言葉通り、いろんな霊に取りつかれまくって霊障を起こすと、朱子解呪という本編から脱落する形で入ることができる。
たぶん、トイレの花子さんと大鏡の付喪神に憑かれた状態で、自殺した三年生3人と会うとこのルートなんじゃないかな。

サブヒロイン扱いで、1H4CGなるりるかちゃんだけど、シナリオは思った以上にきちんとしている。

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地主神なるりるかちゃんは、ずっと町を見守り続けてきた。
小さな祠に祀られ、ほとんど忘れ去られようとも、ずっと。

元は人間で、いもしない土地神への生贄として捧げられたことで、本当の土地神となった彼女たち。
そんな二人のことを知り、主人公は「人としての幸せ」を知ってほしいと思う。
しかし、それは神への生贄にされた、彼女たちの人としての人生を否定するもの。
だから、人の願いを叶える神様の、願いを叶える神様――というポジションで、二人に幸せを感じてもらおうとするのだった。

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エッチな気持ちが邪なものを遠ざける――
これについて目の前のハコで調べてみようと思ったのですが、大体エロいサイトがヒットするばっかりで、3秒で諦めました。
諦めて、エロいサイトを見始めてしまいました。よくないよね、こういうの

しかし、シナリオ上で語られるそれはなんとなく説得力あるっぽいし、そしてなによりるりるかちゃんがかわいい。(5回目)
どっちが最初に主人公とエッチするかでケンカする神様たちは、たまにはハーレムエンドもいいじゃん! とか思わせるレベルでした。
(あれ、これって一応ハーレムエンドってことでいいんだよね? るりちゃんとるかちゃんの?)

惜しむらくは、Hシーンの喘ぎ声が、二人バラバラに収録されてたこと。
もちろん、セリフは別々でいい。だけど、同時に再生していただきたかった。きっと耳がとろとろになれたと思うのに!

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エロゲー的に考えると、るりるかちゃんはエッチに目覚めちゃって、夜な夜な主人公におねだりしてきたりするんです。
けど、なぜかそうはならなかった。
それは、るりるかちゃんを「神様」として生かし続けるには、誰かが彼女たちを憶えていて、そして敬わなければならないから。
その役目に、主人公は自分の子々孫々を使うことにしたのだ。
だから、るりるかちゃんとラブラブケッコン(仮)エンドにはできなかったんですね。
主人公の自制心、すごいな!

「ろりこん?」「ちがったの?」

さて、るりちゃんとるかちゃん、あなたはどっちが好きですか?
ちなみに、私はるりちゃん派です!
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ゲーム [★★★★☆]
あけいろ怪奇譚

あけいろ怪奇譚 ベルベットルート・その2(ハッピーエンド)

あけいろ、試行錯誤の結果、ベルベットのトゥルーを回収することに成功。
ポイントは、「花子さん」と「中出しエッチ」ね!

シナリオは、加賀見の鬼と自らの境遇を比べはじめたあたりから、ある程度予想通りの展開を見せる。
それでも、覚醒したベルベットのカッコよさは予想以上だったし、そして「花子さん」の使い方はまったくの予想外。
これで花子さんともっと仲良くしてたらマジでヤバかったよ! あぶなかった

クーデレ(予定)のベルベット嬢でしたが、個別シナリオに入ってからのデレ具合は予定を大幅に逸脱していましたね。どうしたの?
メイド服でのご奉仕フェラのシーンとか、まぁえらいことでした。
賢者タイムが訪れたときの、「金輪際、メイド服は着ない」とかね。
いいの? そんなこと言うなら私が着るよ?(錯乱)

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バッドエンドの記事で取り上げた、ベルベットにヤリ捨てられて心がヘシ折れた初エッチでしたが、どうやらアレはベルベットの演技だったらしい。
身体だけで繋がっても、心は繋げられなかった。失敗した――
主人公も私もそう思っていたのだけれど、(ちゃんと中出ししてれば)本当は成功していたのだね。

というか冷静に考えて、観覧車の一枚絵シーンからもわかるように、エッチする以前からベルベットは主人公に惹かれていたんだもんね。
なぜベルベットが主人公を好きになるようになったのか、明確な理由が語られることはない。
たぶん、褒められ慣れてない彼女を「魅力的」「かわいい」とか言ったり、あとは加賀見家からの帰りとかにブルー入っちゃってる彼女を慰めることで、自然に好きになっていったんじゃないかな?

個人的には、初エッチの無感動なベルベットがマジなやつで、そこから「生きる意味」を見つけていく過程が見たかったような気はあったんだけどね。

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さて、そのベルベットの自殺願望について。
主人公はベルベットの自殺願望について「死ねないから、死にたいんじゃないか」と言っていたが、そうではない。
(だって、実際に死ぬ方法はあるわけだしね)
というか、これは不死身の吸血鬼に限った話ではない。私たち人間――過去に自殺した人も、これから自殺する人も、みんな同じだ。
生きたいけど、生きられなかったから、死ぬのだ。

では、なぜ生きられないのか?
理由は当然人それぞれ違う。病気かもしれないし、借金かもしれないし、失恋かもしれない。
ベルベットの場合は、こうだ。

「私は彼女たちよりも……ずっと長く生きている。それなのに……」
「なにもできない。社も守れない」
「私は……なんのために生きているの?」


人はいつか死ぬ。意味があろうがなかろうが、それは否応なしに訪れる。
しかし、ベルベットにとっては違う。積極的に選ばなければ、訪れないものなのだ。
だからこそ、その選択に意味を持たせたい。でなければ、今まで生きてきた百年の意味も、生まれてきた意味もなくなってしまう。
それはたぶん、飲んでいるそばから水を足されて、どんどん薄くなっていってしまうカルピスのようなもの。

「私は、ただ無為に死にたかったわけじゃない。意味のある死を、求めていたの。死ぬ理由が、欲しかった」


彼女は、ただ無為に生きていたいわけじゃない。意味のある生を、求めていた。生きる理由が、欲しかったのだ。

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ロリババア大好きな私は「寿命のない存在」というものにとても惹かれてしまうのだけれど、実際のところ、不老不死な人たちは不老不死であることをどう感じているんでしょう?
聞いてみたいのに、そういう人になかなか会う機会がない。困ったものです。
これはひょっとして、いわゆる「コウモリであるとはどのようなことか」なのかな?

しかし、ベルベットは理由を与えられて、ようやく自分の人生を生きることを決める。
「だれかのため」「なにかのため」……理由に依存しなければ生きられない。彼女はそんな弱い存在なのかもしれない。
それでも、それは彼女が自分の人生で、初めて求めて、初めてその手につかんだ宝物だった。

「加賀見の鬼とは、違う。私は……、あなただけの、ヴァンパイア」
「欲しいのは……あなたのぬくもり」
「あなたがいてくれれば……他に望むものはない」
  「死ぬまで一緒だ」
「ええ。ずっとあなたに、ついていく」


幸せそうな彼女を見て、私は思う。
人は、いま生きているから、いつか死ぬのではない。
いつか死ぬから、いまを生きるのだ――と。
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ゲーム [★★★★☆]
あけいろ怪奇譚

あけいろ怪奇譚 佳奈ルート

あけいろ、二人のメインヒロインのうちの一人、雛森佳奈を攻略。
佳奈ルートに入るのは、そんなにむつかしくない。ポイントは「花子さん」と「幽霊にビビる」かな。

しかし、この佳奈ルートは特に、前作をプレイしていないとなかなかしんどいところがある。
ななリンをやってればね、加賀見家の女の子たちの描写はアフターストーリーになるんだろうけど、やってないとただ他人がイチャイチャしてるのを見るだけになるからね。
ストーリーや設定上の理解に足りない、ということはないので、そこは大丈夫なんだけど。

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ベルベットルートでも思っていたけれど、このゲームのシナリオは好感度が上がっていく女の子の描写がリアルだ。
まぁ「あの子を落としてやる!」なんて気合い入った肉食系主人公は滅多にいないけれど、主人公にはもともと付き合いたい願望があるのが普通だよね。
しかし、そうと意図せずに取った行動が実は好感度上昇に寄与していて、結果ヒロインも主人公を好きになって結ばれる――と、こういうのが普通のギャルゲー。(だよね? たぶん)

なのに、このゲームでは、主人公のヒロインに対する好感度上昇までがカバーされている。
恋心とも言えないようなときめきが、実を結んで花を開くところまでがきっちり描かれているのだ。
恋愛モノのアニメとかなら結構あるけどね、ギャルゲーでこれは珍しいよね。
そして、アニメだとエッチしないからね。佳奈ちゃんってばエロの女神だったしね。だからギャルゲーっていいんだよね!

とにかく、私が何が言いたいかと言うと、図書室で幽霊の襲撃を受けるシーンがすばらしすぎる! ということです。
まぁそういう恋愛描写がリアルすぎるせいで、付き合ったあとのイチャイチャ具合に、なぜか心が痛いんですけどね。
あのピロートークの雰囲気とか、たぶんリア充あるあるだったりするんですよね。

という感じに私の頭をちょっとオカシくしちゃうくらい、佳奈ちゃんの魅力はあまりにリアルすぎでした。ふぅ……。

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佳奈ルートでは、旧校舎の幽霊の噂に、原田望から切り込んでいく。
人は罪深い生き物だからね、七つの大罪にも数えられている妬みとか嫉みとかいうものと無縁ではいられない。
花子さんが大活躍したところで心躍っちゃったりするのも、きっと似たようなものなんだろうね。
(おまえが死ね。殺すぞ)

だから、原田望が言ってることもよくわかる。
自分が酸っぱいブドウだって思おうとしてるものを、ガラスの向こうでおいしそうに食べてる人がいたなら、そりゃもう平常心なんかじゃいられないですよ。
だから、佳奈ちゃんのやり方で、原田望が成仏しようと思ってくれるかどうか、私には結構疑問です。

「……どっちかというと、私、自分は不幸だと思ってて。つい最近まで、体質のこと秘密にしてたし、心許せる人、いなかったし」
「でも……先輩に言われてハッとした。あぁ、私今幸せなんだって」
「だから先輩……私が嫌いだったんだろうね。幸せに、無自覚だったから」


だから、原田望がどう思うか――ではない。
自分の信じる「人の正しい姿」を実践することこそが、心のうちすべてをさらけ出してくれた原田望に対する、佳奈ちゃんの誠実さなんだろう。
それがチンコおしゃぶりトークになっちゃうのは……うん、それも佳奈ちゃんの魅力……でいいんだよね?(小声)

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人は死んでも誰かの記憶の中で生き続ける――
いろんな人が言ってるし(たぶん私もどこかの記事で書いたし)、別段目新しい考え方ではないはず。
けれど、その「概念」にきちんとした「実体」を持たせたこのシナリオは、なかなか秀逸。
装甲悪鬼村正・魔王編(光ルート)を終えた時に抱いた感心と、ちょっと似ている気がします。
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ゲーム [★★★★☆]
あけいろ怪奇譚

あけいろ怪奇譚 葉子ルート

あけいろ、4ルート目は妖狐な葉子さんを攻略。
でも、これは葉子ルートとはちょっと違う。
いや、葉子とエッチするし、葉子ルートではあるんだけど、いわゆる「共通ルートバッドエンド」に相当するお話がこのシナリオ。

るりるかルートと同様、今回もいろんな霊に憑かれまくって霊障を起こすことで、朱子解呪の本編からは脱落していく。
しかし、なぜ冒頭でるりるかちゃんは脱いでくれなかったのか?
主人公があんまりるりるかちゃんに構ってあげなかったから、ロリコンじゃないと思われてしまったのか。

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葉子の狙いは、「ベルベットに主人公の影響を受けさせること」「主人公の霊媒体質を改善すること」の二点。
だから積極的に自分が前に出ようとはしなかったのだね。

ベルベットについては、自殺願望を抱きながら生き続けるという矛盾した現状を、なんとかしたかったから。
主人公については、たぶん主人公が霊的に無防備だったことに気付いていた美里から頼まれたから。
いずれにせよ、思った以上に面倒見のいい人なんだよなぁ、葉子さんは。

しかし、どうしてそうなったのかはよくわからないが、朱子の呪いは美里へと及ぶ。
というか、本当にどうしてそうなったの? 美里が主人公の霊的な避雷針の役割だったのかな?
たぶん美里ルートをやれば、なんらかの答えは出るんだろう。

このシナリオ、平たく言えば駆け落ちエンドなんだけど、その場合に重要なのが、周囲の人間の反応。
その点、このシナリオはほとんど完璧な出来でした。
まぁ佳奈ちゃんと修司のアレは、ちょっとクサすぎたかなぁと思わないでもなかったけど。
でも、主人公が妖怪に変化するところを含め、展開に対する説得力がすごかったですね!
葉子と伊予のシーンとか、センスを認めざるを得ない。
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ゲーム [★★★★☆]
あけいろ怪奇譚

あけいろ怪奇譚 美里ルート

あけいろ、個別ルートのラストは、お姉ちゃんな久住美里。
実の姉ではなく、幼馴染だった隣の家のお姉さん。なぜか一緒に住んでいる。ちょっと不思議な設定だね?

美里さんの声を当てているのは、上田朱音。
相葉和奏(古色迷宮輪舞曲)、橘南(あえて無視するキミとの未来)あたりでお世話になっていたらしい。
和奏の声はキライじゃなかったけどな、この美里さんの声はあまりにツクリモノめいていて、あんまし好きくないかも。頭痛くなりそう

美里ルートのお話は、葉子ルートで私がさんざん不思議がっていた「なぜ朱子の呪いが美里に及んだのか?」にスポットが当たる。

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「美里は社の」
「身代わり人形」
「社に降りかかる厄は」
「美里が引き受ける」


という神様のお言葉もいただき、予想通りの展開。
ちょっと意外だったのは、その避雷針(あるいは誘雷針)の役割を担うようになったのも美里の意思だった、という点。
美里がたまたまそういう体質だったから、主人公と一緒にいようと思うようになったのかなぁと予想していたので。

ということで、お姉ちゃんの愛情は予想以上に重いもので、その献身に、主人公は恩返ししようとする。
のだけど、お姉ちゃんはそんなことを望んでいるわけではなくて、でも主人公だって知ってしまったからには今まで通り負担をかけ続けるわけにはいかない――
みたいな、そんなラブコメっぽい展開。

今まで冴え渡っていたこのゲームのなかで、唯一くすんでいるお話だったかもしれない。
日付変わるとこのアイキャッチで、いきなり肌色全開してたのはわろてしまったけどね。

そーいえば、葉子ルートとは違って「美里と付き合い始めたときの周囲の反応」がなかったね。
……あれ、胸焼けするまでポテトとナゲット食べたい気分な佳奈ちゃんがそーなの? かわいい!
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ゲーム [★★★★☆]
あけいろ怪奇譚

あけいろ怪奇譚 「旧校舎の幽霊」ルート/グランドエンド

あけいろ怪奇譚、5ヒロインのすべてのハッピーエンドを見ると、グランドエンドが解放される。
佳奈ルート道中から分岐するっぽかったから、やっぱりこのゲームの正ヒロインは佳奈ちゃんなんだ! と喜びいさんで佳奈ちゃんとイチャイチャしてたら、なぜかグランドエンドには入れないという、この、もうね……。
花子さんと大鏡を憑けつつ佳奈ルート方面に向かうには、るりるかちゃんに相談室へ案内してもらおう。

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グランドエンドのヒロインは、旧校舎の幽霊こと原田望と水無月朱子。
たしかに、ときどき望と朱子の線引きが曖昧になっているようで、あれえ? とは思っていた。
望が主人公に向ける好意(あるいは興味)は、本当に望のものなのか? ってね。
まぁ「ずっと一緒にいようね」な佳奈バッドエンドでは、佳奈の身体を乗っ取った望を、朱子が操っているのかなーとか、無理やり納得していたんだけど。
しかし、望が「旧校舎の幽霊」そのものになっていたとは思っていなかった。うぅむ。

朱子と望、それぞれのストーリー自体は、別に大した内容じゃない。
けれど、描写がエグい。ちょっと見てられなかったもの。
あんなにシツコいいじめシーン必要だった? もし望への同情と三人への敵意を煽るものだとしたら、それは大成功です。

そんないじめっ子三人組との確執は、望が思いの丈をぶちまけ、格下からの反抗に慣れていなかった三人組を動揺させることをきっかけに収束する。
望は「もっと早くこうしてればよかった」「こんなの死ぬよりぜんぜん簡単だった」とか言っていたけれど、それは本当にそうなんだろうか?
「旧校舎の幽霊」という絶対的優位な立場があったからこそ、いじめっ子を動揺させられたのではないのかな。
これを生前にやるとするなら、なにか道具とか武器とかを持ち出さないと、優位は築けなかったような気がする。しかも、それは絶対的ではないというね。

……あっ、わかった! イジメの現場を録音したボイレコを武器にすればいいんじゃ!?
おお、これなら望先輩を助けられる気がする!!

とかいうような無念の一つが、セックスだったわけだね。
なるほど、こういうゲームをやっちゃう私なんかには、うまく共感できそうですね。

でも、個人的な希望ですけども、どうせエッチシーンがあるなら、もっとエッチしたくなるよーなかわいい女の子にしてほしかったなぁって。
Hシーンのないサブキャラをあんまりかわいくしないように――っていう暗黙の了解みたいなの、あるじゃない?
このゲーム、いい意味でも悪い意味でも、私の予想を裏切っていくよね。

そして、初恋の人と主人公が――っていう朱子も、予想ほど純真無垢ではなく、予想以上に可愛かった。
いや、私は気づいていたけどね、朱子のかわいさに!
振り向いたところにいるかと思ったら、真横にいておしっこチビったあのときからね!

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という感じで、4時間ほど一息で終わらせちゃうくらい、なかなかに楽しいお話でした。

一つだけ残念なことがあるとするなら、エンディングを入れるタイミングね。
一年後のお話は、エピローグでよかったんじゃないですかね?
そして、焼肉に行く相談とタイトル画面をリンクさせればよかったんじゃないですかね?
平凡だけどかけがえのない日常がここにあった、みたいなね? ほら、みんなカメラ目線だし?

ところで、机の上の生徒手帳っていつからあったんだろう。グランドエンド終わって出てきたのかな。
次回、総評。
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あけいろ怪奇譚

あけいろ怪奇譚 まとめ

※このゲームは「なないろリンカーネーション」のクリア後にプレイすることをオススメします。

続編ではないけれど、前作の主人公とヒロインたちがサブキャラとして登場するので、その人たちを知ってればめっちゃ胸熱な燃え展開、知らなければ「リア充死ね」な展開になります。
まぁそういうNTRみたいのが好きならね、いいんだけどね。
アイリスみたいな、赤ちゃんはコウノトリが連れてくるとか信じてそーなウブな女の子が、実は夜な夜なヤリまくってるらしいですからね! ふぅ……。

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シナリオ

「学校の七不思議」は、高校生主人公が9割なジュブナイルを地で行く「ギャルゲー」というジャンルにおいて、とても親和性の高い題材だ。
これを題材とした作品は今までももちろんあったし、私もプレイしたことがある。
(「七つのふしぎの終わるとき」とか、「FLOWERS」(未稿)とか。ギャルゲーじゃないけど「トワイライトシンドローム」なんてのもそうだったかな?)

しかし、今までその「学校の七不思議」という美味しい材料を、これほど余すことなく調理できた作品はなかったように思う。
無駄に選択肢が多いギャルゲーって、話が分岐しすぎて全体の完成度を下げていることがあるけど、このゲームはそれが逆に完成度を高めている。
どの七不思議から手を付けるか私たちが選択することで話の展開ががらりと変わり、その不思議が他の不思議に繋がっていて、調べていくうちに、その不思議たちを束ねる不思議があることがわかって……という展開は、ミステリー作品としてもきちんと成立しているもの。
さすが「学園七不思議解決ADV」と銘打たれているだけのことはあるね。

そして、七不思議を解決するだけでシナリオは終わらず、ヒロインの個別ルートでもそれぞれ軸となるテーマがあり、それに沿ってシナリオが展開される。

ルート別シナリオ評価
  佳奈 = ベルベット > るり・るか > グランドエンド > 葉子 >> 美里

ベルベットルートと佳奈ルートは甲乙つけがたい。
シナリオのテーマはベルベットルートのほうが好みだったんだけど、話のオチのつけ方は佳奈ルートが秀逸だった。
ギャルゲーらしいイチャイチャ具合も、佳奈ちゃんのほうが楽しかったし。

るりるかちゃんのお話も悪くなかったんだけど、ちょっとテーマが壮大すぎて、尺が足りてなかった感。
ただし、エピローグはすばらしかったです。

テキスト・Hシーン

アクがなく、読みやすい。
個人的には、もっとクセのある文章……というか、ライターのセンスが感じられるような文章が好みだったりするんだけども。

しかし「読みやすくてクセがないテキスト」というのは、シナリオの起伏を素直に読み手へと伝えられる文章だということ。
シリアスなシーンは寒々しく、燃えシーンはひたすらアツく、ホラーシーンはおどろおどろしく、日常シーンのギャグはすべらない。
これはライターにたしかな文章力と構成力がなければできないことだ。

Hシーンのテキストは、特筆すべきほどじゃない。
けれど、シーンとシーンの繋ぎかたというか、女の子のエッチレベルの上がり方が素晴らしい。
佳奈ちゃんってば実はドスケベだったし、ベルベットとか最終的に開き直ってたからね。

こういう「女の子のレベルアップ」が日常シーンにも反映されちゃったりするイチャイチャ具合は、エロゲー(抜きゲー)では楽しめない、18禁ギャルゲーならではの醍醐味と言えるでしょう。
そうだね、佳奈ちゃんとの初エッチの次の日のことだね!

そう、かずきふみって人が書いてるの?
ギャルゲーのシナリオライターにお気に入りランキングを作るなら、ベスト5に入っちゃうかもしれないね!

グラフィック

またずいぶんクセがある絵だ。
「少女」と「女性」の描き分け方ね。どうして目がああいうことになっちゃうんだろう?
しかしそのせいか、同い年ヒロインな佳奈ちゃんが、まるでロリ巨乳みたいに見える! ふしぎ!!

でもやっぱりおっぱいは大きすぎる。
望先輩だって十分巨乳だと思うんですよね?
ということで、るりるかちゃんこそが正義なのでした。

でも絵は上手。
あと、主人公がそこまでイケメンじゃないのがナイス。

声優

佳奈のCV:萌花ちょこが秀逸。声もよかったけど、それよりも演技がよかった。
逆に、美里のCV:上田朱音はちょっと……。
るりるかちゃんは棒読みかわいい!(6回目)

音楽

OPは、ムービーも曲もすてき。
「緋色の空」のフルバージョンって、この世には存在しないんですか??(Youtubeを検索しながら)

ただ、入ってくるタイミングがおかしい。
エンディングも、時々タイミングおかしい。

システム

テンポを崩さないアイキャッチ、好き。
それ以外は、うん、特にないかな?
フローチャートはいいものですね。話がわかりやすいです。

総評

およそ100作品という私のエロゲー遍歴における「学校の七不思議」枠のトップに君臨しました。
ここまでこの題材を使い切ることができる作品は、そうないと思われます。

たぶんこの作品、プロット上ではそこまで盛り上がるお話ではなかったはず。
だって、望の顛末にせよ、朱子の顛末にせよ、まぁ「ありがち」なストーリーだものね?
それをここまで生き生きと描くには、並々ならぬ努力と工夫があったに違いない。シナリオライターの功績ですね。
私の評価は★4つ、佳作入選です。

惜しむらくは、前作・なないろリンカーネーションをプレイせずに手を付けてしまったこと。
ななリンやってればね、佳奈ルートがもっと素直に楽しめたっぽいんだけどね。
2014年にギャルゲーサボってたバチが当たったみたいですね。
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ゲーム [★★★★☆]
あけいろ怪奇譚