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Maggot baits バッド+ノーマルエンド

不死身の女の子がいたなら?
どんなケガもすぐ治るし、手足を切り落としても再生するし、心臓を貫いても生き返る――そんな子を好きにできるなら、なにがしたい?

エッチしながら歯を全部折るくらい殴ってみる?
それからイッちゃうまで首を絞めてみる?
スッキリしたら、お腹を裂いて自分の腸を食べさせて遊ぶ?
それとも、逆さ吊りにして焼きゴテでジュウジュウ焼いてみる?
もっといろんな拷問を試してみよっか?

「魔女」にならなんでもできる。
首を刎ねられさえしなければ、彼女たちは絶対に死なないのだから。

「だからあなたは、私を殺していいの」


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鬼畜・リョナ属性持ちのバイブル、インモラルハードコアADV「euphoria」を世に送り出したCLOCKUPから、その正常進化形として「Maggot baits」がやってきた。
ジャンルはクルーエルノワールADV。冷酷かつ虚無的なアドベンチャーゲームです。

メインとなるヒロインは「魔女」と呼ばれる女の子たち。
超常の力を持ち、どんな現代兵器でも倒すことができない、不死身の存在。

舞台は、魔女の出現によって放棄された治外法権都市、旧架上市。
主人公は、その邪法街と呼ばれる街を恐怖と暴力によって仕切る組織に、一人の魔女とともに戦いを挑んでいく。

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まずこのゲームで目を引くのが、凄惨なまでにグロテスクなシーンの数々。
開始10分で女の子の足を切ったり、耳とかおっぱいとか削いじゃったり、目玉を素手でえぐったりしちゃうんだもん。もちろんモザイクなしの一枚絵でね。
怖いもの見たさで始めたってのはあったけど、「左の乳房が削ぎ落とされ、露わになった少女の大胸筋の向こうに、必死に脈動する心臓が透けて見えた」とか言われると、正直後悔しそうになった。
(このCGとテキストは公式のサンプルにあるので、気になったら是非どうぞ)
まったく無抵抗で無感情なキャロルから、感情を引き出すためだけに延々と拷問を続けるシーンも辛かったなぁ。

私のお気に入りは、邪法街のアイドルだった魔女・カーラちゃんのシーン。
妖蛆と呼ばれる触手のバケモノがたびたび登場するのだけれど、それは魔女たちにとって本能的に忌避すべき存在らしい。
私にとってのゴキブリみたいなものかな、たぶん?
そんな触手に嫌々孕まされるシーンもよかったけど、それを強制的に堕胎させてお腹のなかでウジを育んでいた絶望を見せつけた上で、もう一度快楽堕ちさせて孕ませるシーンがヤバい。
カーラちゃんの「もう死にたい……」はお気に入りボイス登録しちゃいました!

選択肢をミスって主人公を殺してしまうとバッドエンド。
メインヒロインな3人の魔女たちの(主にふたなり&触手系の)陵辱劇が1時間にわたって開幕される。

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ユーフォリアと同じく、このゲームでもきちんとシナリオが練られている。
大筋は、主人公がメインヒロインの魔女とともに、邪法街を仕切る組織に戦いを挑んでいくというもの。
主人公は、過去を精算するため、いわば復讐のようにして悪役である至門を殺そうとする。
それだけが目的で、それ以外など目にも入らない。
情報屋だった女の子が捕らわれたときの「助けて」コールを、「死んでくれ」の一言で切っちゃうくらい。シビれるね!

至門もただいたずらに魔女を監禁陵辱するのではなく、なにか壮大な目的があるらしい。
26人の魔女から一定数の「絶望」を集めたとき、それは成されるのだとか。
ノーマルエンドで語られたそれは……ごめんなさい、ちょっとよくわかりませんでした。
CV:御苑生メイな無名の魔女ちゃんが色々語ってくれてはいたんだけども。
その辺りのお話は、トゥルーエンドを終わらせたところで改めることにしましょう。
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ゲーム [★★★★☆]
Maggot baits

Maggot baits グランドエンド

トゥルーっぽいエンディングを迎えてシナリオ進行度が100%になったので、ゲームクリア。
記事のタイトルはグランドエンドにしたけれど、ここではシナリオ面でのキーパーソン・無名の魔女ちゃんにスポットを当てて、この作品を振り返ってみます。

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「この世界には愛というものがない。ゴルゴダの丘でこの世すべてに向けられた、ナザレのイエスという男の絶望に覆われたことによって」
「これは、その二千年に渡る呪詛を解こうという壮大な大秘儀なのよ。どうしようもなく残酷で不完全な世界を、この私が糺してやるの」


当代唯一の魔女である、CV:御苑生メイな無名の魔女ちゃん(かわいい)――略してメイちゃん(かわいい)は、この間違った世界を変えようとしていた。

この世界はマジでクソであふれたゴミ溜めだ。
それをメイちゃんは、裏切りによる絶望を抱いて死んだ男が、この世で最も強い神になってしまったせいなのだと言う。
だから、メイちゃんはキリストがこの二千年間で集めた絶望を上回る量の絶望をその身に貯めこむことで、新しい神――新しい世界の法則になろうとした。

まずメイちゃんは、26人の女の子の生贄を用意して、それから5000人の異常性欲者を用意して、考えうる限り最悪の方法で女の子をなぶり殺しにした。
次にメイちゃんの魔術で、女の子たちの魂は「不死身の魔女」に、5000人の魂は「妖蛆」へと生まれ変えられた。
そして26の魂は、関東邪法街という閉じた輪廻の中で、延々と恐怖・絶望・苦痛を味わい続ける。
何十億という人間が二千年間貯めこんだそれを上回るまで。
それが、メイちゃんの成そうとしたアルス・マグナなのだ。

「そして私が、すべての人間を救ってみせるわ。愛をあげる。平和をあげる。人類を争いも貧困もない完璧な世界へ誘う、真の救世主になるのよ!」


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ノーマルエンドでは、メイちゃんのアルス・マグナは達成される。
世界はメイちゃんのアガペーに包まれ、争いのない平和な世界が訪れるのだ。

しかし、キャロルだけは救われなかった。
不完全だった世界で、彼女は希望を見つけてしまったからだ。
それが大きければ大きいほど、絶望の淵は深くなる。

いや、たぶん救われなかったのは26人の女の子と、5000人の男たちなのだ。
ナイフで女の子のお腹を刺しながらエッチしちゃう男も救われるのが、メイちゃんの望んだ世界のはず。
けれど、魔術の生け贄になった彼ら彼女らは、救われることがない。

大多数のために少数が切り捨てられる世界って、やっぱり今の世界とあんまり変わらないよね?
知らない人10人と知ってる人1人を殺すの、どっちがいい? みたいな、そんなお話。

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グランドエンドでは、メイちゃんの野望が達成されることはない。
それは、キャロルが主人公に殺されたことが、絶望ではなかったから。
そして、メイちゃんを50年間一途に思っていた男が、己の愛を貫くことに決めたから。

主人公とキャロルの顛末については、こっちのまとめ記事のシナリオ評価のところに書くことにします。
そして、至門に裏切られたメイちゃんには、このセリフを贈ろう。
ねえ、自分で言ったことだよ?

「行為に意味を与えるものは、ひとえにこめられた質量だけよ。意味不明で無価値な愚行だろうと、貫く力がそこに意味を与える……与えてしまうの」
「逆もそう。どれだけ意義深く崇高だろうと、貫けなければ無意味の屑に終わるわ。復讐だろうと愛だろうと、価値を持つのは正しい理由とやらじゃない。個人が秘めたその質量……それだけなのよ」


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しかし、私にはメイちゃんの理想が、そう間違っているとも言えない気がするのだ。
いやまぁ26人の女の子たちからしたら、もう冗談じゃない話なんですけどね?
でも、メイちゃんの野望は、一欠片の私欲もない、本当の人類愛だった。
ちょっとの見栄はあったかもだけどさ、それでも心から正しい世界を望んでいたと思うんだ。

それは、愛と欲望の板挟みで息もできない至門とのやりとりからでもわかる。
この凛々しさには本当に惚れ惚れしてしまうよ。私、こういう女の子が大好きなんです!

「ただ師匠……あんた今まで何百年と生きてきて、人を愛したことはあるのかい?」
「馬鹿な質問ね。私は全人類を愛するわ。イエスごときの女々しい男にできて、私にできない訳がないでしょうに」
「なら……誰かに愛されたことは?」
「おまえ、どこまで愚かで低能なの? 愛というのは与えるものであって、乞食のように恵んでもらうものなんかじゃないわ」

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ゲーム [★★★★☆]
Maggot baits

Maggot baits まとめ

シナリオ

誰かを助けられるヒーローになりたいと思っていた。人生のすべてをかけてきたはずだった。
なのに、誰の命も救えなかった――
その事実は、重く重く主人公の心を蝕み、少女の今際の台詞すら、彼を苛むようになっていた。

生きているとつらいことはあるし、苦しいこともある。
でも、私たちは軽々に「助けて」なんて言わない。なぜなら、あなたも知っているからだ。
(甘えるな)(みんな一緒だ)(みんな頑張ってるんだ)(泣き言を言うなら、お前なんか……)

消え去りそうな精神の中で、もう誰も自分を助けにきてはくれないのだと悟った。
自分が信じてきた、善意や愛情で支えられる人間の世界。それが嘘っぱちだったのだと、誰かから思い知らされたような気がした。
これが世界だ。この身勝手で際限のない欲望と、弱者を躊躇なく踏み躙ってやまない悪意こそが。

これが死なのだと思った。何もかも消えていく悲しさだけがそこにあった。
だからこそ、瞳子は最後まで意識の中で手を伸ばし続けた。そして静寂の中で叫び続けた。
助けて――誰か助けて、と。


それでは「WORLD END ECONOMiCA ep.2」より、主人公・ハルとシスター・理沙の会話。

「世の中は理不尽だ。正義を追いかける奴があっさり罠に嵌められ、詐欺を働く奴らだけがのさばっている。それじゃあ、神ってのはどこにいるんだ?」
「聖書に書いてあるわよ。神は常にいまし、昔にいまし、後に来られる方」
「そんな……子供だましではなく」
「本当のことよ。神は常に私たちとともにいらっしゃる。でも、確かにハルの言いたいこともわかる。実際、重い荷物を運ぶ時にひょいと手を貸してくれたりはしないものね。
 だからね、ハル。あなたが困っている誰かの元に駆けつければ、その誰かはあなたの側に神を見るでしょうね。それこそ……あなたには見えなくても。
 これが、神は常にあなたの側に、という言葉の、あまり語られないもうひとつの、でもとても大事な意味」


キャロルに――瞳子にとって、彰護こそが神だった。
決して訪れることがなかったはずの救いの手を差し伸べてくれたのだから。
彰護は瞳子の命は救えなかった。けれど、確かに彼女の魂は救われていたのだ。
たったそれだけ、たったひとひら伝えたかった言葉のために、二人はどれほど遠回りをしたことだろう。

「この世にある、綺麗なこと、美しいこと……」
「それを嘘にしてしまうのは、いつだって私たちの方だから」


この腐敗したヘドロの底みたいな世界のなかで、真実の輝きはあまりにもか細く、儚い。

テキスト

三人称で書かれているこの文章は、いまいちみずみずしさに欠ける。
感情表現が乏しい、とでもいうのだろうか?
まぁ主人公がほとんど心を動かさない人間だから、仕方のない面もあるような気もするけど。

それでも、バトルシーンでの「ただ出来事を描写する」テキストはちょっと物足りない。
唯一燃えたバトルが、グランドルートでのグロリアvsサンディ。
あのシーンは、グロリアの「妖蛆への恐怖」という感情も、それを乗り越えようとするサンディのストイックさも、生き生きと描かれていたね。お気に入りです。

グラフィック・Hシーン

えっちなのたくさん。9割9分凌辱かリョナかグロ。
あ、ただの触手プレイかぁ……とか安心してると、触手が女の子のお腹を突き破って出てきたりするから、マジで気が抜けない。

グロゲーと呼ばれる作品は数多くあるけれど、いくらテキスト上でグロいことをしていても、グラフィックが追いついていないことが多い。
その点で遠慮会釈ないグロCGを備えているのは、例えば「ゴア・スクリーミング・ショウ」とかか。
あれも内臓はっちゃけ解体エンドが多かったけど、それでも内臓にはモザイク入ってたからねぇ。
臓物ブチ撒けて死んでる女の子の一枚絵を、モザイク無しで実装しちゃうこのゲームはやっぱりスゴい。

まぁ媚薬プレイがほとんどなのは、ちょっとどうかなーっと思った。
たまには普通に凌辱してほしかったよ?
媚薬って、女の子を快楽堕ちさせるときの男の(あるいはシナリオライターの)甘え、みたいなところがあるからね。

声優

毎度のことながら、熱演すぎる。
そして、CV:御苑生メイの無名の魔女ちゃんがかわいすぎて、御苑生メイまで好きになりました。
しかし、メイちゃんのスタッフコメントの闇が深すぎる。どうしたの

音楽

BGMはふつう。
OPがムービー含めてとってもクール。世界観を余すことなく伝えてくれます。
……あれ、ムービーは90秒縛りじゃなかったの? いいけどね、別に!

システム

贅沢。いろんなところをカスタマイズできる。

しかし、私が評価したいのは、ゲーム起動時の演出。
大抵のゲームは、「ブランドロゴ(大体ボイスあり)」→「注意事項(たまにボイスあり)」→「タイトル画面(ゲームタイトルのボイスあり)」というプロセスで起動するよね。
なのに、このゲームは「ブランドロゴ(無音)」→「注意事項(無音)」→「タイトル画面(キャラがカッコいいセリフを言う)」というプロセスで起動するのだ。カッコいい!!

総評

ヒロインが生身の人間じゃ、ハードなプレイにも限界があるよね? ←わかる
じゃあ死んでも生き返る女の子をヒロインにして、好きなだけ殺しちゃおう! ←???

原画師であり企画原案にクレジットされている「はましま薫夫」は、女性であるらしい。
私も人のことを言えた義理ではないけれど、なにをどうこじらせたら、こういうゲームを作ろうと思っちゃうのだろうか?
ゲームの内容もそうだけど、制作陣のほうが闇が深い気がするのだ。

この作品のジャンルは「クルーエルノワールADV」である。
ノワールはフランス語で黒色のことだけれど、映画にも「フィルム・ノワール」というジャンルがある。
これら、ハリウッドで昔作られた退廃的な犯罪映画について少し触れる。

フィルム・ノワールとは、息もできないような閉塞的な世界におぼれた主人公たちが、堕落し破滅していく様子を描いた作品群だ。
彼らは最初から人格破綻者だったわけではない。警官や弁護士といった「普通の人間」が、なにかをきっかけに壊れていくのだ。
これらの映画は「誰だってきっかけさえあれば、"普通"という仮面など剥がれてしまうものだ」と私たちに語り掛けてくる。
きっかけは、例えば関東邪法街という狂った都市で、べっとりと死が裏側に張り付いた快楽を与えてくれる女の子に出会ったときかもしれない。
(少なくとも、こういうゲームをプレイしてしまう)私たちは、ぱっと世界が反転すれば、女の子のお腹をナイフでぐちゃぐちゃにしながらエッチしちゃったりするのだ。
(そして、たぶんほんの些細なきっかけによって、CLOCKUPというメーカーのクリエイターたちが、こんなエグいゲームを作ろう! と思い立ってしまったりするのだ)

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26人の魔女たちが悲惨な目に遭うのは、彼女たちが悪いわけでも、男たちが悪いわけでも、妖蛆といったバケモノたちが悪いわけでもない。
ならやっぱり、無名の魔女ちゃんが言うように、世界が悪いのか?

「神なんかに関係なく、人間ってのは元々そういう生きものなんだ」
「この世界がろくでもないんじゃねえ。ろくでもないのは、俺たちの方だってことだよ」


私たち誰しもが臓物に隠している腐った膿を絞り出したのがフィルム・ノワールであり、今作「Maggot baits」なのだ。
私の評価は★4つ、佳作評価です。

Hシーンの方向性は「euphoria」の流れを引き継ぐが、シナリオの雰囲気は「ゴア・スクリーミング・ショウ」とよく似ている気がします。
未プレイなら是非。
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Maggot baits
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