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殻ノ少女 その1(開始)

「捜して欲しいんだ――私を。本当の、ね」


★4評価「カルタグラ」の"InnocentGrey"から、新作「虚ノ少女」が発売される。
オープニングを見ただけでポチりそうになる、独特な世界観。
その前作に相当するのが、今回プレイする「殻ノ少女」。

舞台は昭和三十年代、カルタグラのトゥルーエンド後の世界観を引き継いでいる。
主人公だった高城秋五は和菜と結婚し、遊郭・雪白がなくなった後、初音は雨雀の養子になっている。

今回の主人公も私立探偵。
少女の奇妙な依頼と、猟奇殺人事件から物語は始まっていく。

今作は単に物語を読み進める「ビジュアルノベル」ではなく、プレイヤーである私たちが事件を推理し解決していく「ゲーム」になっている。
ただ、そのせいで超絶難易度になっている模様。
現に私は、何も見ずにプレイしたら、4時間やって一度もHシーンを迎えずにバッドエンド。うわぁ

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起こった事件は3つ。
ちょっとまとめてみる。

井の頭公園での、胴体がないバラバラ殺人事件。
  (首は今邑はるかのもののようだが、指紋が一致しない)
多磨霊園での、左腕が切断され足に火が点けられた殺人事件。
  (小泉蛍と確認)
石神井公園での、右腕が切断され頸を背中向きに捻られていた殺人事件。
  (多岐川夕美と確認)

共通点は、黒い布。
これが「黒い聖母」→「黒い卵」→「ステラ」→「月島織姫」へと繋がったところで、織姫と主人公が殺されてバッドエンドになった。

冒頭の「ネアニスの卵」から見るに、犯人は人間のパーツを集めて、一人の人間――母親を作ろうとしているんだろう。
つまり、胴体・両手足の、最低五人は殺されるはず。
いまは三人目が死んだばかりだから、物語はまだまだはじまったばかりだ。

犯人として一番アヤシイのは、やはり朽木冬子だろうか?
小さな頃の記憶がないとか、千鶴が実の母じゃないっぽいとか、そのあたりに何かありそうな。

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この劇画調な絵柄と時代がかったテキストは、かなり私好みだ。
萌えとはほど遠い、硬派なエロゲー。
最近は軟派な作品ばかりだったから、こういうのに触れると身が引き締まる思いだよ!

……あぁ、硬派なのはトジ子以外ね。
トジ子かわいいよ? 妹の紫ちゃんもかわいいよ!
序盤のハプニングエッチなお風呂はマズいレベルでした。おっぱいがエロすぎたよ!
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ゲーム [★★★★☆]
KARANOSHOJO

殻ノ少女 その2

幾多のバッドエンドを乗り越え、クレジットの流れるエンディングに到達。
今作は「謎解き」が重視されているのか、女の子と恋仲になるような、ギャルゲー的エンディングには未だに出会っていない。
考えてみれば、「カルタグラ」でもちゃんとお付き合いできたのは、初音と和菜くらいだったような気がする。

現状、「殻ノ少女」にまつわる偏執のせいで、やたらと人死にが出るばかり。
西園唯にまつわるバラバラ事件と、卵に入っていた肉片事件の根っこが同じだった展開は気持ちが良い。
まったく関係ない話かと思っていたからね!

織姫はともかく、トジ子の件が不可避っぽいのはかなりヘコむ。
トジ子かわいかったんだけどなぁ。
助手にして事件に当たったりしてみたかったんだけどなぁ!

あのシスマとやらは、具体的にどんな活動をしていたのだろう。
もう少し詳しく説明してほしいな。CG付きで!

結局「殻ノ少女」とはなんだったのだろう。
「ネアニスの卵」で心爾はいろいろなことを語ってくれたけれど、心像の動機が気になるよ。
殻から生まれ出ずるその瞬間に、永遠の少女性を見ることができた、みたいなことだろうか?

ま、いいや、細かいことは全クリしてから考えることにしよう!
ちょっと適当な記事だけど、今のところはこのへんで。

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ゲーム [★★★★☆]
KARANOSHOJO

殻ノ少女 その3(朽木冬子と作中作『殻ノ少女』についての考察)

「私は……自分が判らなくなってしまった」
「逃げて来たんだ――自分から」
「トウコと云う存在は、本当に私自身を示しているのだろうか――」


朽木冬子という名を持つ「殻の少女」。
養子だった彼女は、表面上は何一つ不自由のない生活をしていたものの、どこかに居心地の悪さを感じていた。
――今ここにいる自分は本当の自分ではなく、どこかに自分の生きるべき本当の人生がある
――自分が自分でいるだけで生きていける世界が、どこかにある
冬子の感じていた窮屈さが、自分を縛りつける「殻」となっていた。

この殻は、輪るピングドラムでの「箱」と同じもの。
この中にいるかぎり、何も得られないし、隣の人と分かり合うこともできない。永遠の孤独。

「寂しいよ……先生……」


けれど、殻は弱い雛を守るものでもある。
誰と触れ合うこともできないけれど、誰に傷つけられることもない。

「……時坂さんは強いんだね」
「まだ……強くなんかないよ。掛け替えのない人を亡くした痛みはずっと残っているから。でもそれを言い訳にして、殻に閉じ籠もって居たくはないんだ」
「……やっぱり強いよ。私はずっと殻の中に居るようなものだから」


人間は誰しもが自分の殻の中にいる。
その殻から出て、寂しさを紛らわそうとする人も大勢いる。

例えば、水原透子。
彼女は殻から出て羽ばたく先を、朽木冬子に選んだ。
冬子に自分の理想を見て、冬子になりたいと望んだ。
けれど、バッドエンドで描かれたように、それは叶わぬ夢だった。

冬子にはその結末がわかっていた。
寂しさに敏感なあまり、愛欲に依存してしまえば、望んでいた「本当の自分」にはなれないのだと。

「私たちは弱虫だから――愛に溺れてはならないんだ」
「……ふたりで居れば、離れたとき……もっと弱虫になってしまうよ……」


間宮心像を始め、多くの人々を偏執させた「殻ノ少女」の魅力は、この痛々しいまでの純粋さにあるように思う。
――本当に手に入れたいもののため、殻の中で孤独と戦い続けてきた気高い少女。
――神々しいほどに純真なその存在を、所有する歓び。
――その少女の持つ果てしなく真っ白なキャンバスには、どんな理想を塗りたくることだってできる。

つまり、「殻ノ少女」は永遠の処女性を具現化した作品なのだ。

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「――人は死んだらどうなるのだろうね」
「生まれ変わる? 何に――誰に? 私は……私にだけは生まれ変わりたくない。……絶対に」
「私は……私が嫌いだから」


冬子は弱虫な自分が嫌いだった。
自分の世界に閉じ籠もり、けれど外の世界に憧れている自分が嫌いだった。

けれど、冬子は主人公と交わることで、一枚の絵を完成させる。
自分を縛る殻から飛び立つ、「瑠璃の鳥」。
これは、今ここにいる自分が「本当の自分」でしかない――自分で自分を認めることができた証なのだ。

「……君から受けた依頼は全て完了したよ。随分と君は、数奇な運命を辿っていたようだね」
「でも、それでも――陳腐な言葉になるかもしれないが、君は君――朽木冬子だったよ。それ以上でもそれ以下でもない。君は君でしかないんだ」
「……君は納得しないかもしれないな。でも――親がどうとか、そう云うものじゃないんだ。君は朽木冬子として生きて来たんだろう……?」
「――これからも、何も変わりはしないよ。君はずっと君のままだ」


冬子の身体がどこに行ってしまったのかはわからない。
けれど、彼女はもはや「殻の少女」ではない。
彼女のたましいは、肉体という殻からすらも飛び立ち、自由な大空へと羽ばたいていくのだった。

『君は絵を描くとき、どんな気持ちを其処に込めているんだい?』
『えっ――? ……そうね、考えた事も無かったわ。そうだね……強いて言うとすれば、自由――かな』
彼女は自由を求めていたのか――
自らの殻に閉じ籠もり、それでも自由に憧れ――
「……君はその前から、ずっと自由だったよ」

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ゲーム [★★★★☆]
KARANOSHOJO

殻ノ少女 その4(まとめ)

シナリオ

――自分はどこから来て、どこへ行くのだろう?

この問いに答えようとする少女の物語。
朽木冬子と殻ノ少女については、記事その3で簡単に考察してみたので、そちらを参照されたし。

明確に答えが示されているわけではないものの、この人類普遍とも言える疑問に、彼女なりの答えを導き出せたのだろうということは推察できる。
この手の哲学的な問いについて、きちんと言葉にして回答するのは、とても難しいだろうからね。
だからこそ「殻ノ少女」「瑠璃の鳥」という絵画で表現してきたわけだ。
このやりかたはとても上手いと思う。

起こる事件について。
一見、前半の西園唯関連の事件と、後半のトジ子関連の事件に、関係性はないように思える。
けれど、結末でそれが一つに収束していく様は、とても惹き込まれるものがあった。
「えっ、マジで!?」「これがここで関係してくるのか……!」というオドロキは十分。
この「意表を突く」という制作側の狙いは、間違いなく成功している。

エンディングについて。
このゲームを批判するとき「トゥルーエンドでも大団円にならない」というのがポイントに挙げられることが多い。
その事実は私も認めるものの、このエンディングがもたらす空気感は、マイナス要素を補って余りあるものがあるように思う。
このリアル志向な絵柄に好感を抱くのと同じように、この雰囲気にはとてもリアリティがある気がして、とても心地よかった。

私のお気に入りシーンは、トゥルーエンドでの冬子からの依頼を完了させた主人公の独白が一番。
あの透明感はすごいよ。やろうと思ってできるものじゃない。

次いで、和菜が殺されたときの、秋五を慰めようとして引き留められなかった初音。
カルタグラと比べて大人になった初音が、人生の酸いを噛みしめる様子が、無性に切ないシーンだった。

大穴が、西園唯関連の事件が解決した後の、森夜月「あの時、一つだけ嘘を吐いていました。やっぱり唯のことが好きだったんだと思います」という告白シーン。
大切なものは、いつも失くしてから気づくんだ。

CG

「カルタグラ」に引き続き、絵柄は萌え絵とはほど遠い劇画調。
キャラクターの表情がわかりづらいというデメリットはあるものの、デフォルメの効いた萌えゲーばかりプレイしていると、こういうのがとても新鮮で、嬉しくなってしまうね。
時折入ってくるギャグっぽい表情が光るのも、この絵柄のメリットかも。
初音の(T_T)とかね! かわゆす

絵自体もかなり上手くなっているような気がする。
カルタグラでは、HCGなんかのパースの狂いが気になったけど、今回はまったくそれがなかったもの。
塗りは相変わらずものすごく丁寧。
枚数は、計100枚程度と、普通のボリューム。

グロもそれなりにあったけど、描写はかなりソフト。
血はもっと出てもいいと思うんだよなぁ? 好きな人には物足りないと思う。
裏を返せば、グロ耐性がない人も安心してプレイできるということです!

キャラクター

登場人物はとても多いけれど、キャラはきちんと立っている。
カルタグラから引き続いて参戦の和菜と初音はやはりとてもかわいい。
今回光っていたのは、綴子、紫、そして大穴で佐東歩。

エピローグでの、歩ちゃんの「探偵の助手って募集してないんですか?」にはキュンキュンした。
ローテンションで好意を向けてくる女の子って、とても好きかもしれない。
歩の場合、最初は警戒心バリバリだったところから打ち解けるプロセスがあったのがよかったのかも。

トジ子の死が不可避なのはとても悲しい。
ギャグキャラとして、とても秀逸だったんだけどなぁ!
ちょいちょい入ってくる博多弁がとてもキュートでした。
「だからトジ子じゃなかとよー!!」

しかし、それよりも悲しかったのが、紫とのエッチシーンがなかったところ。
なんで妹が非攻略キャラなんだよ……おかしいだろ……。
エッチしないなら、せめて銃を撃たずに帰ってきた主人公を迎える紫のくだりだけでもほしかったよ。

Hシーン

エッチシーンは少なめ。
一人二役の声優さんが多いようだけれど、片方のキャラでエッチしちゃうと、もう片方ではエッチしてくれないのかも。
織姫/紫のかわりまりのとか、杏子/歩の柚木かなめとか。

シーン自体は薄味だから、実用性は乏しいと思う。
けど、そのヒロインとそういう関係になる過程が見たい。
そう思うのは、私だけではないんじゃないでしょうか。

声優

新人声優を多く使ってきている。
上手ではないけれど、私好みな声が多かったかな。
冬子役・あじ秋刀魚とか、綴子役・日向葵こと水島理音とか。

まりのさんの妹・紫は、以外と新鮮でドキドキしたかも!
織姫のときの声質はお腹いっぱいだったけどさ。

今回の一色ヒカルは、あまり良くなかったなぁ。
夏目さんはかなり好き嫌いがありそうなヒロインではあるけど。
七七ちゃんも出てきてほしかったところではある。

音楽

BGMはやはり秀逸。

しかし、オープニングムービーが存在しないのは、かなり残念。
カルタグラもオープニングはなかったように記憶してるけど、それでも冒頭でクレジットぽいのが流れる演出があったと思うし。
私は「オープニングへの入り方」にかなり期待しちゃう人なので、その要素が存在しないのはかなりガッカリです……。

システム

相変わらず、セーブ枠が少ない。
60個じゃ足りないよ!って人は多そう。
クイックセーブも欲しいところ。

ただ、キャラクター別音量設定は、やはりすばらしい。
カルタグラでもここでしりとりをしてくれたよね!
音量は何も弄らなかったけど、全部聞いてしまいました。楽しい

総評

"サイコミステリィAVG"というジャンル通りな、謎解き推理ものエロゲー。
前作「カルタグラ」は主人公が探偵な割に、プレイヤーに謎を解かせる要素が欠けていたように思う。
今作「殻ノ少女」では、その弱点を補完してきた印象。

ただ、公式HPでは「コマンド総当たり等の作業的な要素を排除し、テンポ良く事件を追及」などと謳われているが、これはウソだろう。
推理要素のみならず、主人公の行動そのものも選択式なのは、難易度が高すぎるよ。
攻略を見ないと、全CG回収は不可能なレベル。
しかし攻略を見ると、推理要素の魅力が弱くなってしまうという諸刃の剣。うぅむ……。

今作は「エロゲー」なのは間違いないのだけれど、「ギャルゲー」に分類してよいのか、やや疑問。
カルタグラは、特定ヒロインと恋仲になって物語が終わる「キャラエンディング」が存在したけれど、殻ノ少女にはそれがない。
正直、初音とエッチしておきながらラブラブエンドにならなかったのにはびっくりだよ!

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今作は、「カルタグラ」を先にプレイしてからのほうが楽しめる。
戦後間もなくな昭和30年代という時代設定は、やはりとても良い雰囲気。
それは、登場人物の言葉の選び方や物腰に反映されている。
「カルタグラ」ほど和服率は高くなくなってしまったものの、それでもちょこちょこ出てくるのは好印象。

普通のギャルゲーに飽きたら、こういう作品はいかが?
ひと味違う世界が、あなたを待っている。

私の評価は、★4つの秀作認定。
続編「虚ノ少女」もプレイ確定です!
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ゲーム [★★★★☆]
KARANOSHOJO

虚ノ少女 その1

"KARANOSHOJO"三部作の二作目、「虚ノ少女」を開始。
「カルタグラ」を引き継いだ前作「殻ノ少女」の続編にあたる作品。
読み方は「うつろのしょうじょ」ではなく、今作も「からのしょうじょ」らしい。

とりあえず、プレイ前に修正パッチを当てましょう。
立ち絵表示のもっさり感がかなり軽減されます。

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今作は「殻ノ少女」のおよそ1年半後のお話。
玲人は朽木冬子を探し続けている。

まずは攻略などを見ずに自力でプレイしてみる。
現状の進捗度は、プレイ時間30時間程度で、エンディング1~8を回収し、タイトル画面が砂月になった。

ENDING NO.01「ヒンナサマの祟り」
年末に人形村を訪れ、由果が殺されたときの推理をミスったときのバッドエンド。
祟りとして玲人が殺される。

ENDING NO.02「冬子を捜しに…」
元旦の早朝、夢に出てきた冬子を捜しに行くエンディング。
紫ちゃんが健気かわいい。

「……止めても無駄なんですよね」
「……行ってらっしゃいませ」


ENDING NO.03「託宣の御子」
雪子が天恵会へ行き、託宣の御子となるエンディング。
行動選択で精力的に雪子に会わないと、このエンドになる模様。
ここから先に進めるのに2時間かかった。
雪子ちゃんてば本当に手がかかる女の子なんだからもう!

ENDING NO.04「消失」
折句で呼び出された雪子を花恋が襲い、それをかばった冬見が死亡。
雪子は記憶が混濁し、真崎は精神を再び病み、何も解決せずに終わるエンディング。

ENDING NO.05「雪緒」
折句で雪子を呼び出した小羽が花恋に殺されるエンディング。
雪子は全てを無かったことにして――幼児退行し、雪緒と一つになる。

ENDING NO.06「花恋」
歩を罠に使わなかった場合のエンディング。
目の前で自殺することで、兄の心をその胸に抱き、煉獄へと旅立つ花恋。結果、真崎は廃人に。
花恋にとっては一番のハッピーエンドなのかもしれない。

ENDING NO.07「二人の紫」
紫を殺すことで取り込んだ雪子が、紫になるエンディング。
孤児院跡に行く際に手間取るとこのエンドになる。

ENDING NO.08「あの日の思い出」
紫を取り込もうとした雪子の罪を、冬見が赦すエンディング。
雪子は死に、冬見が未散を引き取る模様。
現状、このエンドでの話が一番先まで進んでいる。

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ボリュームはかなり多め。過去回想がとにかく長い。
けれど、とても面白いよ、これは。

今作では、様々な登場人物の視点で物語が語られる。
地の文が一人称なのは時坂玲人だけなので、やはり彼が主人公なのだろう。
真崎視点なものも多いが、彼にはあまり感情移入できそうにない。
三人称で語られる且つ、人柄は玲人のほうが私は好みなので。

だというのに、ヒロインが真崎に好意を持っている様子なのがとても気に食わない。
特に紫ちゃんと未散ちゃん。
もし二人のシーンが真崎とのものなら、私は発狂するかもしれません!!
誰かが死ぬよりも、そっちのほうが怖いこのゲーム。

まぁ紫とのシーンは今作もなさそうな気はする。
二人ともそういう関係を望んではいなさそうだし。
ここまで焦らされると、それがキモチヨクなってきてしまいそうだ。
三作目でもシーンがなければ、「よくできた妹」枠でヒロインランキングに入れちゃうかもしれない。

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細かいシナリオについての感想は、次回以降の記事で。
二周目をプレイしてきたいと思います!
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ゲーム [★★★★☆]
KARANOSHOJO

虚ノ少女 その2(NormalEND)

タイトル画面が変わってからの2周目、ENDING NO.09「NormalEND」を回収。

1周目との相違点は、第2オープニングの追加、過去回想でのネタバレ要素の追加、エッチシーンの追加。
追加されたシーンは、「菜々子陵辱(戦前)」「真崎×ぐり子(現代)」「玲人×雪子」「玲人×歩」。
なぜか菜々子さんのはおまけのシーンギャラリーには入らないので、使う際は要セーブ。

雪子はともかく、歩のシーンがあって、私は非常に嬉しい。
CG2枚だけの簡易構成で、実用性には乏しいと思われる。
が、歩への思い入れ補正で、美味しく頂かせてもらいました。ふぅ。

このシリーズでのヒロインランキング、私のなかでは歩ちゃんはかなりの上位。
上背があってクールで無表情っていうカッコ良さと、主人公を慕うがゆえの一途さ、そしてちょっと抜けたところを併せ持つ愛嬌は、とても魅力的。
枠としては「クーデレ」なのだろうな。
「殻ノ少女」での初登場シーンでは好感度マイナススタートだったのに、探偵という仕事を通して主人公に惹かれていくところにも好感が持てる。

今回は「探偵助手あゆむん」のエピソードがあって、とても楽しかった。
トンファーを構えるあゆむんの一枚絵には惚れ惚れしたよ!

……さて、シーンの残り枠は1つなんですが、これは誰のものなのだろうか?
雪子? 紫? 小羽? それとも未散?
紫か未散だと嬉しいのだけれど、相手が気になる。
これで真崎だったりしたら…………。

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ノーマルエンドは、紫エンドと言ってもいいように思う。
孤児院跡で雪子を止めるのが、冬見ではなく紫になる。

雪子は「本当の自分」を探し求めるあまり、間違ったことをしてしまっていた。

「……いつから私は、私を忘れてしまったのでしょう――」


けれど、紫は「それも雪子だ」と受け入れる大きな器を持つ女の子だった。
紫は雪子を赦した。どんな雪子でも、自分の親友だと認めた。
紫は、彼女の孤独を知っていたから。

けれど、雪子には自分の命をもってする他、罪は贖えないと思ってしまう。
損なわれたものは、二度と元通りにはならないのだから。

「いい加減にしてください、雪子っ!」
「私はっ……これ以上、大切な人を喪うのは厭なんです! もうあんな思いはしたくありません……どうして皆、私を置いて逝くのですか……」
「……雪子には生きて欲しいんです。貴女は決して、ひとりなんかじゃありませんから……私たちがついています。だから――」
「……一緒に生きて、笑ったり怒ったり、悲しんだりして欲しいんです。私たちが傍に居ますから……」


いつでも笑顔で「おかえりなさい」と迎えてくれる、よくできた妹。
そんな強い彼女が見せた初めての弱さが、このシーンには詰まっている。
弱さを見せられるのは、本当に信頼している相手だけ。
紫にとって、雪子は掛け替えのない親友だった。
その想いは、確かに雪子にも伝わっていた。

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正直に言って、紫が真崎に惹かれていくエンディングは気に食わない。
未散の「妹を取られて悔しい?」に「そんなわけないだろ」とか答えていたけど、私はとても悔しいよ!
紫ちゃん、考え直して! 今ならまだ間に合うから!

けれど、オーラスの喫茶店での金平糖のシーンは染みた。
「あの日の思い出」エンドでの、「今日も雪が降っている」「それでも空は晴れている」のシーンととても似たような雰囲気。

一時は契りを交わした理人と理子。
二人にはもう違う人生があり、今さら交わることはない。
それでも、二人の指先とくちびるは、幼い頃の甘いときめきを覚えているのだった。
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ゲーム [★★★★☆]
KARANOSHOJO

虚ノ少女 その3(TrueEND+)

ENDING NO.10「TrueEND」と、ENDING NO.11「Paranoia」を回収し、全クリ。
トゥルーに行くポイントは「雪子や歩とエッチしない」「雪子の部屋捜索・小羽に証拠提示でモタつかない」こと。
ノーマルエンドを超え、章が終冠へと移る。

WrongEND「Paranoia」は、事故死した玲人の夢の世界ということなんだろう。
章の名前も「天冠:天国への入口」だったし。
空いていたシーンは、まさかの冬子枠だった。大穴すぎるだろ……。

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「中身がない、空っぽ。……この眼と同じ」「おじさんも……空っぽ?」
「……己はいろいろと考えてる事があるからね、空っぽじゃないと思うよ」
「――それは頭の中。……心の中は?」
「……どうだろうね」


「TrueEND」で語られるのは、トゥルーというよりも、次作へ向けた布石のようなもの。
茅原雪子という「虚ノ少女」の結末は変わらない。
終わるのは、玲人の偏執。
冬子が――彼の心の穴を塞ぐべきものが、見つかる。

どんな形であれ、見つけられさえすればそれでいいと思っていたはずだった。
でも、やっぱり生きて再会したかった。
私は「Paranoia」を見てから「TrueEND」を見たので、余計に玲人の慟哭が染みたよ。

救いは、タイトルバックでの冬子が幸せそうな顔を見せてくれているところ。

もう、私は寂しくないから……


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トゥルーエンド、個人的には、雪子の内面や孤児院での集団自殺について掘り下げたり、真崎が雷鳥の絵を完成させたりするのを期待していた。
孤児院絡みの話は、次作で黒矢尚織について語る際に触れてくるのかもしれない。
雷鳥の絵は、合い言葉と金平糖で代用してきちゃったのかなぁ。少し残念だ。

しかし、初期タイトル画面にいたことから、メインヒロインだと思われていた雪子。
彼女は結局最後まで本当の笑顔を見せてはくれなかったな。
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ゲーム [★★★★☆]
KARANOSHOJO

虚ノ少女 その4(テーマ考察)

わたし、あなたに生まれたかった。
だって、あなたの翅は きっとこの世界を自由に翔べるから
片翅では蝶は翔べない。
だから、もうワタシは空まで届かない。


「殻ノ少女」朽木冬子と、「虚ノ少女」雪子・砂月。
どちらも「本当の自分」を求めているところは変わらない。

雪子と砂月の偏執は、水原透子によく似ている。
「なりたい自分」を外に見て、屈折した憧れが狂気へと至るところとか。

雪子のパラノイアを解放したのは、紫だった。
誰かを取り込んでもその人にはなれない。雪子は雪子でしかないし、それで十分なのだと。
雪子は紫に愛されて、その空虚さを埋めることができた。

紫のセリフは「殻ノ少女」のエピローグの玲人のモノローグとほぼ同じ内容。
玲人はそれを冬子に直接は伝えられなかった。
そういう面では、紫は玲人よりも一段上かもしれないね!

砂月――理子のパラノイアを解放したのは、おそらく皐月と名付けた彼女の娘。
理子にとって、皐月を授かったことが、初めて自分の力で勝ち取った希望だったのだろう。
けれど、それは一人では勝ち得なかったもの。
だから、娘――皐月にそれを与える術を知らず、絶望し、殺してしまいそうになったんじゃないだろうか。

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冬子を含め、彼女たちは寂しがり屋で、愛に飢えていた。
愛されている実感が乏しいから、「本当に愛される自分」を求めていた。
だから、タイトル画面での冬子のモノローグは、こんなに優しいのだろうね。

久しぶりだね。
ずっとあなたに逢いたかった――
また逢えなくなるのは寂しいけど ずっとそばにいるから――
もう、私は寂しくないから……

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虚ノ少女 その5(まとめ)

「カルタグラ」→「殻ノ少女」→「虚ノ少女」のプレイ順を強く推奨します。
「体験版」は本編の前日譚に相当します。本編プレイ前に見ておくことを勧めます。

シナリオ

「KARANOSHOJO」三部作の二作目ということで"繋ぎ"的な位置付けになるのかと思いきや、完成された一つの作品と言えるものに仕上がっている。
この世界観の作り込みかたはすばらしい。
本当にどっぷりとハマることができます。

ただ、これが次回作があるせいなのかは定かではないけれど、回収しきれていない伏線が残っているように思う。
「虚ノ少女」だった雪子についてなんか、もうちょっと掘り下げてくれてもよかったよ。
雪子や小羽、未散のパラノイアが、薬のせいなのか、それとも個々人の資質なのかがよくわからず終い。
未散ちゃんに「視ること」について、もっと語ってもらいたかったかもしれない。

花恋のパラノイアは、玲人と同じく、割と早めに解ってしまう。
ヤンデレ妹花恋ちゃん!は可愛いのだけれど、そのヤンデレ具合が凶行以外に向かなかったのは残念。
もっと真崎相手にヤンデレ具合を発揮してほしかったです。
「花恋」エンドもかなり大人しめだったし。

ボリューム自体は、おそらく30時間ほど。多め、かな。
方向性は今までとほぼかわらない。
普通に「謎解き推理モノ」としてプレイするだけで十分楽しめる。

テキスト

今作では、玲人以外の視点で物語が進むシーンがしばしば発生していた。
過去回想が多かったので、それも仕方のないことかとも思う。
けれど、それを「複数主人公」という形で扱うのは、あまりよろしくない気がする。

「殻ノ少女」からプレイしてきている私たちにとっての主人公は、あくまで時坂玲人しかいない。
だというのに、紫ちゃんが真崎になびきかけるのとか、ギャルゲーとしては禁じ手だと思うよ!
これがNTRゲーとかそういう趣向のゲームならまだいいんだけどさ……。

真崎の、砂月やぐり子相手のシーンなんかは、そもそも玲人の絡む相手ではないから、もやもやしたりはしない。
砂月とのエッチはシナリオ上でも大事だしね。
でも、ぐり子とのシーンを実装するなら、玲人に他のキャラとエッチしてほしかったなぁ。

CG・グラフィック

「カルタグラ」「殻ノ少女」と同じ、杉菜水姫が原画。
殻ノ少女の時点で完成形かと思ったのだけれど、今作はそれをさらに上回っている。
もし「絵がいちばん綺麗なエロゲーを教えて」と言われたら、今までは原画・植田亮の「七つのふしぎの終わるとき」を挙げる私だったけれど、これからは迷わず「虚ノ少女」を挙げようと思います。

絵柄は、やはりリアル志向な劇画調。
デフォルメを極力排除したタッチなのは言わずもがな、特徴的なのは、その塗り。
水彩画のようなほのかな陰影が、世界観と相まって染み入るのです。

今回は枚数もかなり多め。
細かなカットインも合わせれば、おそらく150枚ほどはある。

そして、今回は血糊がかなり増量されている。
過去のイノグレ作品、凄惨な死体でも血があんまり出てないな~~ってちょっと不満だったのだけれど、今回は大満足です!

キャラクター

紫ちゃん健気可愛いよぉぺろぺろ!
非攻略キャラな時坂紫が、「よくできた妹」枠で私の二次元ヒロインランキングに入選しました!
何も聞かず、兄である主人公を影で支え続ける紫ちゃん。
きっといいお嫁さんになること間違いなしです!

ただ、真崎とイイカンジになるのだけは許せない。
私は、妹が他人に取られるのは悔しいです。

紫と双璧を成す萌えキャラ、もう一人は包帯だらけの義眼のメンヘラ少女、白崎未散ちゃん。
未散はトゥルーでもっと重要な役回りになるのかと思っていたのだけれど、出番が少なくてがっかり。
「殻ノ少女」でのステラ的位置付けだったのかもしれない。
これが普通のギャルゲーだったら、未散ルートでブヒれたんだけどなぁ……。

過去編での千鶴さんも、予想以上に可愛らしかった。
クセっ毛の女の子が好きなのかもしれない。お兄ちゃん大好きな妹だしね!

トジ子的にぎやかしキャラが欲しかったような気がする。
未散と夜宵がそのポジションに着けそうだったけれど、いかんせん出番が……。
「あっ、雛神理人さんですか!?」「……うん」のくだりはとても面白かった。

Hシーン

全9シーン。
ヒロインの数が多いせいで、少なく見えてしまう。
カルタグラの時みたく、もっといろんな女の子とエッチしてくれていいと思います。

私は、シーンそのものが見たいわけじゃない。実用性には乏しいし。
女の子とそういう行為に及ぶ過程が見たいのです。
だから、雪子や歩みたいな、唐突な「抱いてください」みたいな尾を引かない展開だと、結構ガッカリです。

声優

今回の声優陣は、割と大人しめ。
この人は上手かったなー!という声優はいなかった。
逆もなかったので、安定といえば安定か。

音楽

今作は、オープニングムービーがきちんと存在する。しかも2つも。
この完成度はすばらしいよ。
エロゲーにまったく興味のない人にも「なにこれ面白そう!」と言わしめるレベル。

個人的には、第1オープニングのほうが好み。
冒頭、暗い背景が一転、真っ白になってタイトルロゴが出る演出にはゾクゾクする。

BGMの作り出す雰囲気と世界観のマッチング具合の素晴らしさも、特筆するレベル。

システム

セーブ枠が100個に増強された。嬉しい。
もっさりしていた立ち絵表示も、パッチを当てることでスムースになる。

前作よりも「捜査」「推理」の難易度は低め。
「行動選択」も2箇所から1箇所に減り、それが出現する日も半減。
ゲーム自体の難易度はかなり下がったように感じる。
なんとか自力でも攻略できるレベルだと思います。

今回の「キャラクター別音量設定」は、今までのしりとりではなく、川柳になっていた。
キャラの性格をも含めた紹介としては、このネタのほうが向いているのかもしれない。
けど、しりとりだと全キャラ聞く気にもなるけど、川柳じゃなぁ……。
私は気になった女の子だけ聞いていました!

総評

このシリーズがエロゲーなのは間違いない。だがギャルゲーなのだろうか?
この疑問は、「殻ノ少女」のプレイ後よりも、ますます強く私を取り込んでくる。

「ジャンル:サイコミステリィAVG」の通り、純粋なノベライズゲームだと解釈するのが妥当そうだ。
つまり、いくらヒロインが可愛かろうと、その子とラブラブなエンディングを迎えることなど望んではいけないのだ。

この作品の持つ独特な世界観は、好きな人は本当に好きだと思う。
かくいう私も、このしっとり感はかなり好みです。

ただ、カルタグラで私を惹き込んだ「和風時代劇もの」という雰囲気は、かなり薄れてしまったと思う。
登場人物の言葉遣いや物腰も、かなり現代チックになってしまった。
その方が多くの人に違和感なく受け入れられるのかもしれないけれど、私としてはやや残念なポイント。

カルタグラから続くこの一連のシリーズは、「エロゲーってどんなものなの? ちょっと興味ある」って私が言われたときは、かなり強めに勧めるタイトルになりました。
今作「虚ノ少女」、名作★4評価です。

さて、次作タイトルは「空ノ少女」で間違いない。賭けてもいいよ!
……で、それはいつ発売でしょうか?
やっぱりあと2年くらいかかるのかな……。
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ゲーム [★★★★☆]
KARANOSHOJO