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月に寄りそう乙女の作法 共通ルート+ユルシュールルート

「SHUFFLE!」「俺たちに翼はない」を世に送り出したブランド「Navel」の10周年記念作品「月に寄りそう乙女の作法」が、10月末に発売になっていた。
ネーブルの作品は初めてだけれど、当たり外れが少なくクオリティの高いゲームを作るブランドだという話を聞いたので、手を付けてみることにした。
なんと言っても女装ゲーだし! 私のニッチなツボを押してくれるよね。
……はい、るい智もいつかはやります。すいません

女装ゲーにもいくつか類型があるらしいのだけれど、今作はオーソドックスな女子校潜入系の女装ゲーム。
ちなみに主人公ボイスはなし。

目を惹かれるのは、その学校が「服飾専門学校」だという設定。
主人公とヒロインたちはそこでファッションデザイナーを目指すのだけれど、これはまったく私の知らない世界で、かなり新鮮だった。
けっこう本格的な話も混ざっていたような気がするなぁ。

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共通ルートでは、主人公の複雑な出自と、女装をして桜小路家のメイドとして仕える経緯、そしてフィリア女学院に通いながら女装系男子ならではの苦境を乗り越えていくあたりが描かれる。

正直、湊に男バレしたところで、さっそく湊ルートに入ってしまったかと思ってかなり焦った。
でもあそこでオープニングが流れるのは、かなりいい演出だったと思うよ!

しかし、重度のブラコンである妹のりそなが非攻略キャラなのは悔しい限り。
歯ぎしりしているのは決して私だけではないはず。
決して、私に妹萌え属性があるからではないはず!

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まず攻略したのは、ユーシェことユルシュール・フルール・ジャンメール嬢。
金髪ツインテな、スイス人の直情系ツンデレお嬢さま。
……ツンデレ? なんかちょっと違った気もしたけど、公式ではツンデレってなってるからそういうことにしておこう。

間違って日本語を覚えちゃったいじられキャラなのだけれど、この設定は正直萌えない。
個別に入るとマシになるのだけれど、なんだかとても残念だよ。

ユーシェの声を当てていたのは、五行なずな。
渚一葉(ヨスガノソラ)、天宮雫(死神の接吻は別離の味)、悠木夏海(春季限定ポコ・ア・ポコ!)、木ノ本実咲(恋愛0キロメートル)、三咲爽花(あえて無視するキミとの未来)あたりでお世話になっている。
つやのある声はけっこう好みかも。

ユーシェルートは、自分を天才だと言ってはばからないユーシェの、凡才としての苦悩とルナへのコンプレックスのお話。
自分の才能のなさを自覚し、それを努力でカバーしながら、見栄を張り続けるそれは、ツンデレと言えなくもないのかもしれない。
その見栄が主人公にバレてから、二人で協力していく過程での蕩けっぷりは、たしかにデレだったものね。

年度末のファッションショーへ向けてのストーリーは、起伏があってなかなか楽しかったよ。
ユーシェのデザインが採用されるかと思いきやルナのになってしまい、文化祭でユーシェの衣装も別に作ることが決まり、それで勝負して優勝するのかと思いきや、衣遠のせいで出場が取り消されそうになって。
ショーでのエーデルワイスの演出もよかったしね!
なにより、あのユーシェの一枚絵はインパクトあったよ。
ウィンクには本当にきゅんきゅんしてしまいました。

努力は才能に勝る。
一言で言ってしまえば、こんなシナリオ。
それもただ闇雲な努力ではなく、言ってしまえば愛のある二人三脚ができたからこそ、凡才でも天才に勝つことができた。
そういう結果が出せるのも、ある種の才能なのかもしれないね。

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CGは22枚、うちHCGは8枚。
そういえば、初Hが「失敗」したエロゲーは初めてかもしれない。
ユーシェが痛がりすぎて挿入できなかったっていう。妙にリアル

Hシーン自体はかなり薄味。
だけど、主人公も見た目女の子のままきちんと描かれていたのは評価。
女装ゲーのくせにHシーンのときだけ全裸になって男ぶるゲームとかあるけど、まじで意味わかんないからね。だれも求めてないからそういうの。
その点、このゲームはわかってるね!

…………ところで、アイキャッチのあの猛烈な勢いはなんなの?(震え声)
ダンッ!ってなるたびに吹きそうになってしまうんだけど。
Hシーンに入るところであれは卑怯だよ
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ゲーム [★★★★☆]
月に寄りそう乙女の作法

月に寄りそう乙女の作法 湊ルート

月に寄りそう乙女の作法、略して「つり乙」。
2ルート目は幼馴染みな庶民派系お嬢さま、柳ヶ瀬湊を攻略。
妹のりそな以外、ただ一人主人公の正体を知っているヒロインでもある。

湊の声を当てているのは、森谷実園。
木ノ本華(恋愛0キロメートル)の声優さん。
キャラ崩壊系ギャグをかましてくる湊には、まぁまぁ合っている人なんじゃないかな。
そのギャグもどうにも薄味で、そこまでハマれるのはないんだけども。残念なことに。

ただ、朝日が遊星だと気づいていないときに遊星への恋心を赤裸々に暴露しておいてからの、実は同一人物でした!な展開での湊のテンパりっぷりは、かなり面白い。
好きな人が女装系男子だった!という衝撃の事実にもめげない一途な想いは好印象だよね。

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湊は、4人のヒロイン中、実家がいちばん普通な女の子。
一応社長令嬢ではあるのだけれど、最近大きくなったばかりの会社で、このゲームのキャラクターの中では最も一般人に近い。
湊ルートでは、その脆い足元にスポットが当たる。

セレブなクラスメイトたちに「住む世界が違う」と思われていた湊は、女装を解いた主人公とデートしているところを「リア充死ね」と妬まれ、実家の会社を潰されてしまう。
二人は桜小路の家を出て、自活できる道を探していく。

テーマがいまいちあやふやな湊ルートだけれど、十年来の初恋が叶って幸せそうな彼女を見るのは悪くなかった。
嫌がらせを受ける湊を見るのは、私もはらわたが煮えくりかえる思いをしたし、共感を得やすいシナリオだったのではないかな。
その嫌がらせにスッキリするオチが付かないのはちょっともやっとしたけども。
あと、主人公の身バレ告白も唐突だった気がしたし。あれ必要だったか?

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CGは22枚、うちHCGは9枚。
しかし、Hシーンでの主人公がすべて男として出てきていたのは、大いに不満。
主人公が男にモテモテでメイド喫茶のスカウトを受けて……とかそういう裏地を張るも、湊にもっとカワイイ朝日ちゃんを責めさせてほしかった。騎乗位とかで。

おしゃぶり大好きっ娘として描かれていた湊ちゃんはとても可愛かった。
だけれど、主人公が淡泊すぎるのはどうしたことだ。
もっとエロゲーの主人公であることを自覚して、たぎる性欲をこれでもかとぶつけてきていただきたい。
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ゲーム [★★★★☆]
月に寄りそう乙女の作法

月に寄りそう乙女の作法 瑞穂ルート

つり乙、3ルート目は華族出身の大和撫子なお嬢さま、花之宮瑞穂を攻略。
男性恐怖症なのに、女装系男子な主人公にやたらとグイグイくる、困ったヒロイン。

瑞穂の声を当てているのは、星咲イリア。
「はつゆきさくら」のコノハサクヤの声優さんだ。
「去れよゴースト バニッシュだ」はわろてしまうくらい酷かったけど、今回は割と普通。
あれは棒読みな演技だったのだろうか。

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瑞穂ルートは、女装ゲーとして欠かせない、女だと騙していたという「裏切り」にスポットが当たる。
瑞穂に男性恐怖症という設定がついているあたり、それが鮮明に浮き上がる。

結局は、小倉朝日という女としてとか、大蔵遊星という男としてとかではなく、主人公という人間そのものが好きだったことに気づいて和解、みたいなそんな話だった。
こっちの展開はどうでもよかったけど、主人公が瑞穂に近づきたい異性としての恋心を必死にごまかして、友情として扱っていく健気さは、なかなかよかったなぁ。

しかし男バレするまではかなりグダったよ。半分寝ていたもん。
ただ、他ルートに比べて美妹のりそなたんの出番が多かったのは評価。
りそなルートはよ

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CGは21枚、うちHCGは7枚。
HCGに関して、パースが狂ってる絵が散見されたのと、無駄にアップな絵が多かったのが不満。

というか、主人公も描かれたCGがゼロ。
ユーシェルートのときは「女装男子と女の子のエッチ」という倒錯感がよく出ていたのに、湊ルート・瑞穂ルートと続けてその方向性に乗っていない。
セリフ的には主人公も女の子っぽくなっていたけど、そもそもこのゲームのエロテキストはものすごく薄味なのだから、せめて一枚絵のエロさくらいはほしい。
だってエロゲーだし
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ゲーム [★★★★☆]
月に寄りそう乙女の作法

月に寄りそう乙女の作法 バッドエンド+ルナルート

つり乙、ラスト4ルート目は、メインヒロインな桜小路ルナを攻略して全クリ。
銀髪に透き通るような肌と赤目を持つ、典型的なアルビノな女の子。

ルナの声を当てているのは、卯衣。
「七つのふしぎの終わるとき」のリドリィの声優さんらしい。サブキャラだ。
やや棒読みだけれど、イントネーションに愛嬌がある演技だった。
最初は違和感がすごかったけど、ずっと聞いているとけっこう気に入ってきてしまう不思議

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ルナルートは、主人公がルナに仕えるメイドとして、身を粉にしながら尽くしていく話。
これこそ「ルナに寄りそうメイドの作法」なのだなぁ。

裏切られても傷つかない距離感でしか人と接してこられなかったルナが主人公の献身ぷりに落とされていく過程、そして落とされても「主人と従者」の狭間で悶々とする様子は、見ていてかなりニヤニヤできた。
ただの使用人だといいながらキスしてしまったり、子供じみた独占欲を発揮したり。
うん、とてもかわゆかった。ギャルゲーとはこうあるべきだ。

ファッションショーに向けての、衣遠とルナの鍔迫り合いと男バレの展開は、かなり引き込まれた。
その後のハッピーエンドへの展開は、一度ユーシェルートでやったこともあり、予想の範疇。
けれど、ボーカル曲を使ったショーの演出はとてもよかった。
一枚絵のルナも本当に可愛かったし!

りそなの出番が多かったのも嬉しいところ。
夏休みに兄を取り戻しに来たり、衣遠に怯えながらも精一杯主人公の力になってくれたり。
りそなルートはよ!!

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CGは30枚、うちHCGは8枚。
日常シーンでのCGが多かったね。さすがメインヒロイン。

Hシーンは、ルナに攻略されてしまう分岐があった。
CG3枚構成のシーンで、そのすべてに女装主人公の表情つき。
主人公が「初めて」をルナに捧げてしまう展開。
うん、とてもよかった。これこそ求めていた展開だよ!
……求めていたはず。少なくとも女装ゲーはこのくらいやるべきだ。後悔なんてあるわけない

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ちなみに4ルート終わらせたあとにトゥルーが出てきたりとか、そういう展開はなし。
最近のギャルゲーは、攻略ヒロインが少ない気がするよ。
サクサク終わるのは嬉しいけど、「魅力的な攻略不可能ヒロイン」が出てくるのは痛い。
そうだね、りそなのことだね。

共通でルナルートに行くとみせかけて最後の最後で日和ると、バッドエンドになる。
中身は、八千代に男バレして桜屋敷を叩き出され、何もかもを失った主人公が兄の衣遠に依存するオチ。

……衣遠エンドなんてだれも求めてない。りそなエンドはどこいったんだよ?
バッドエンド扱いでいいから、りそなと少しでもにゃんにゃんしたかった。
CG2枚も使ってる場合じゃないよ、マジで
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ゲーム [★★★★☆]
月に寄りそう乙女の作法

月に寄りそう乙女の作法 まとめ

シナリオ

女子校潜入系女装ゲー。

その学校が服飾専門学校で、ヒロインたちはみんなファッションデザイナーを目指している。
この設定はかなり特徴的だ。
着るならともかく、服を作ることにはまったく興味のなかった私には、かなり新鮮な世界観だった。
きっとシナリオライター自身、実際にこういう道を志したことがあったに違いないよ。

ただ、エロゲー好きとファッション好きはかなり対極的な嗜好なのではないかと思うわけで。
ひょっとして、業界の目指している「女性ファンの獲得」とかいう方向性に沿ったものだったりするのだろうか。

個別シナリオ別評価
  ルナ > ユルシュール >> 湊 ≧ 瑞穂

ストーリーの完成度は、ルートによってややムラがある。
ルナルートは、やはりメインヒロインだけあって、かなり手がかかっていた。
ツンデレな恋愛模様も、ギャルゲーとして楽しかったし。
クライマックスもきちんと盛り上がる演出が凝らされていた。

ユルシュールルートも、評価できる点はルナルートと似たような点になるかな。
クライマックスが盛り上がるかどうかって、やっぱり大事だよ。

大して、湊と瑞穂のルートはいまいち盛り上がりに欠ける。
朝日がCGに出てこないのは、湊・瑞穂と朝日の原画家が別だかららしい。なるほど……。

オススメ攻略順
  (湊 or 瑞穂) → ユルシュール → ルナ

メインヒロインのルナさえ最後に回してくれば、他は気になったヒロイン順でいいかも。
ユーシェは後回し気味のほうが、読後感はよくなりそう。

テキスト

ギャグ的な意味では、さほど評価できない。
滑ってるな~と思うのも多かったし。

独白もちょっとこってり気味で、私はかなり斜め読みで済ませてしまっていた。
セリフの言い回しもあんまり好きじゃなかったり。

キャラクター

キャラは立ってはいるけれど、それが作品の魅力になるかと言われたら、やや微妙。
湊とかかなり不憫なキャラなはずなのに、ちょっと存在感薄かったし。
そういう意味で評価できるのは、ユーシェかなぁ。
普段は強気で見栄っ張りなのに、実はコンプレックスの塊という設定はとてもよかった。

登場人物がみんなハイスペックなのは、ある種の爽快感はある。
しかし、主人公にエロゲ主人公としての自覚が薄かった。
性的にものすごく淡泊なんだよなぁ。
もっと下半身でモノを考えてもよかったと思うんだよ? ドMに目覚めるとかさ。
18禁じゃなければこれでもいいと思うけど、やっぱりエロゲーだしなぁ。

そして、りそながとてもカワイイ。
りそなルートはよ!!!

CG

CGは109枚、うちHCGは35枚程度。
日常シーンでの一枚絵が多い。贅沢に感じるレベル。

HCGでは、デッサン狂ってる絵が散見されたのは残念。
たぶん原画家の片方の人が、あまり絵が上手じゃなかったのではないかと思う。

ファッションを扱っている作品だけあって、女の子の服装はなかなか可愛かったんじゃないかな。
ショーでのドレスはキレイだったしね!
ルナの私服は白よりも黒のほうがよかったよーな気もしないでもない。

Hシーン

薄い。実用性はほとんどない。
ピー音の入るセリフもなし、テキスト的な興奮度もなし。
女装ゲーだとHシーンにけっこう期待してる部分があったから、かなり悔しいかも。
この不完全燃焼感は、女装系抜きゲーを探したくなってしまうレベル。

そして、Hシーンを入れる場所がないからって、分岐で回数稼ぐのはズルい。
回数を重ねて、Hが好きになっていってしまう女の子を見るのも、楽しみのひとつじゃないか。
そのワクワク感を奪おうというのか? 何を考えてるんだ

ただ、ルナに攻略されてしまう展開があったのだけは評価。

声優

気になるくらい下手な人も、お気に入りになってしまう人もいない。ふつう。
強いて言えば、ルナの声優卯衣だけは、他の作品に出てたら意識してしまうかもしれない。

音楽

オープニングムービーは、曲も合わせてふつう。
ただ、湊に男バレしてオープニングが流れる展開はとてもよかった。

他のBGM・ボーカル曲も、特に気になるものはなかったかな。

システム

アイキャッチの勢いが異常。
どうしたのあれ。面白かったけど!

それ以外、特にコメントすることはありません。

総評

「Navel」10周年記念作品とのことだけれど、良作には一歩及ばず。
エロゲーとしてのアクが薄いのが残念だった。
ハイスペックなヒロインに身も心も奉仕したい!という願望がある人にはオススメできる。
私の評価は、凡作★2個です。
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ゲーム [★★★★☆]
月に寄りそう乙女の作法

乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris- りそなルート

「じゃあ最初は名前登録から。僕は小倉朝日。職業はメイド。一度登録したら二度と変更はできませんが、よろしいですか?」
「妹、『はい』を選んであげます。
 ではこちらも兄に倣って登録します。名前はそのまま大蔵りそな。職業はお姫様。一度登録したら二度と変更はできませんが、よろしいですか?」
「学生じゃなくてお姫様なんだ」
「よろしいですか?」
「『はい』。今日から私は貴方にお仕えいたします、姫。そして――
 ――私のご主人様」


ということで、2016年5月発売枠に「乙女理論とその後の周辺」を充てるための「乙女理論とその周辺」です。
月に寄りそう乙女の作法」、略して「つり乙」シリーズ2作目になります。

物語の世界線は、つり乙におけるバッドエンド――すなわち、朝日が男バレして桜屋敷から追放され、衣遠兄様に飼われることになったエンディングの続き。
妹・りそなと再会した主人公は、二人の願いを叶えるため、兄の元から逃げ、フィリア女学院パリ本校へと留学することになるお話。

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まず攻略したのは、つり乙の感想において私が個別ルートを切望していた、妹・りそなから。
余談だけれど、りそなの発掘した一人称「妹」の魅力ったら、もうね! これは歴史だ。間違いない

そんなりそな嬢のお話は、メインヒロインルートらしく、彼女と彼女の家族、ひいては主人公である彼女の兄についての問題すべてを解決する、いわばグランドエンドを迎えるシナリオ。
この記事で彼女を取り巻くそれぞれに触れることはしないでおこうと思います。ものすごく長くなりそうだし。
けれど、それらすべての問題が、フィリアコレクションという二人の晴れ舞台に集約される構成はすばらしい。

「ここには夢と希望と未来の全てがあるんだ。僕がりそなを支えてみせる。
 僕たちの新しい生活を始めよう」


自己を実現する手段、愛する人と共に歩むことができる道、そして仲の良い家族――
夢と、希望と、未来と――そのすべてを手に入れた二人こそが、花の都にふさわしいパリジェンヌなのでした!

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さて、シナリオの山場まで持っていく行程も、挿入歌の流れる舞台の演出もなかなかよかったのだけれど、その後の物語の畳みかたがどうにも拙速に感じられる。
パレードする二人を見ただけで、リリアーヌは己の罪を悔い、母は改心し、祖父は「家督を譲る」と言う。
たしかに予定調和な未来ではあるのだけれど、うーん、ちょっと雑すぎやしませんかね?

私のお気に入りは、遊星だと知っていながら朝日を口説く上の従兄弟・駿河。
もう彼こそがこの作品一番のピュアハートの持ち主な気がしてならない。
主人公は言わずもがなのピュアピュアハートだけれど、天然な主人公に比べ、駿河のそれは酸いも甘いも噛み分けた上での純粋さだからね。
危なく落とされそうになりました。マジであぶなかった!
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ゲーム [★★★★☆]
月に寄りそう乙女の作法

乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris- メリルルート

乙りろ、2ルート目には、純粋培養なほわほわ系天才少女、メリル・リンチを攻略しました。

メリルルートは、フランス人と日本人のハーフなアメリカ人――という彼女の出自にスポットが当たる。
というか、もうこの設定の時点で「ん?」とはなっていたんだけどね。
そして、りそなルートと比して、こちらのルートが「衣遠が大蔵家総裁と敵対した場合」にあたる。

総裁は衣遠を血族としては認めず、次回の晩餐会にて追放する決意を固める。
りそなルートと違い、遊星りそなと衣遠との間の溝は埋まっていないので、遊星(あるいはりそな)が当主になった後に衣遠に譲渡する――という筋書きは書けない。
なので衣遠は、遊星りそなに対してはパリでの生活を人質に傘下につけ、大蔵本家に対してはメリルというもう一人の血族を切り札として対抗するつもりだった。
とは言え、駿河もアンソニーも遊星メリルの人柄にほだされ、本家に味方する姿勢を取らなかったため、そこまでキナ臭い話にはなりませんでした――というエンディング。

メリルの放逐に、リリアーヌも噛んでいるのかなぁと思っていたら、そんなことはなかったみたい。
本当に、大蔵の当主争いから「メリル」姓の人間を遠ざけるため――という理由だけだったようだ。
りそなルートのときのリリアーヌなら、完全に便乗してメリルの衣装を使わせないようにすると思ったんだけどな。
制作もなんだかするするっと進んで、するするっと本番がきて、あっという間にグランプリを受賞していた。
このへんのご都合主義は、やはりりそなルートと同じ雰囲気。

とは言え、駿河さんと衣遠兄様のキャラは、やっぱりすばらしい。
駿河さんのピュアリズムもきらめいてるし、鋼の心の持ち主かと思われていた衣遠兄様の才能に対する純粋な想いも垣間見えた。
いいよね、こういうの!

しかし、ヒロインであるメリルがあまりにピュアピュアすぎて、女装のネタバレがドスルーされてしまった。
まぁこれも倒錯じみていて悪くはないのだけれど、もしそれを推すのなら、やっぱりHシーンで本領を発揮しなければいけないはず。
なのにこのゲームは、Hシーンまでがピュアピュア~なのでした。
いいんだけどね、もう期待してないし!
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ゲーム [★★★★☆]
月に寄りそう乙女の作法

乙女理論とその後の周辺 -Belle Epoque- Another/エッテ(リベンジ)ルート

2016年5月発売枠には、「月に寄りそう乙女の作法」の続編「乙女理論とその周辺」のファンディスクな「乙女理論とその後の周辺」をチョイス。
便宜上、今作は「乙りろ2」と呼ぼうと思います。

一応「Another」とは冠してあるけれど、前作・乙りろでのエッテルートがくそみそに酷評されたので、書きなおしちゃいました! がこのリベンジルートらしい。
ちなみに、私は前作でのエッテルートは未攻略。
すなわち、このシナリオで初めてエッテと仲良くなったということです!

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エッテリベンジルートは、「遊星りそなと衣遠が敵対した場合」のお話。
衣遠の脅威が現実となり、対抗策としてりそなが提示した「次男家と取引する」案までもを現実とせざるを得なくなる。

表向き、駿河には晩餐会に出席しないことを条件に、これからの生活の保証を要求していた。
その実、アンソニーを騙して晩餐会に出席し、その席で衣遠を支持することで、兄との溝を埋めるつもりだった。
とは言え、現代の聖人である遊星が「人を騙して利用する」なんてことができるはずもなく、アンソニーとわかりあうことで「仲間」になる道を選ぶのだ。

あれ、これってアンソニールートだっけ? と思うくらい、アンソニーがいい人すぎて難儀した。
騙すのでもなく、懐柔するのでもなく、二人で善い道を歩むための仲間となる。
昨日の敵は今日の友。少年漫画みたいだけど、やっぱりこういうのってアツいですよね!

そして、シナリオも今までは「発表会で優勝すれば大団円!」なスタンスだったけど、今回は違う。
というか、まだ大きな問題が残ってる。次期総裁の件と、衣遠兄様との確執の件ね。
この辺りはアフターで回収してくれるのだろうから、そっちで触れることにします。

しかし、サブキャラ――というか、ほとんどモブ扱いのカリンが輝きすぎてはいませんか。
エッテルートなのにカリンちゃんも攻略したい。難儀ですね?

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今までのつり乙シリーズは、「エロゲー」として成立していなかった。
シナリオにも絡むわけでもなく、ヒロイン(あるいは主人公)の魅力を増すわけでもなく、使えもしない。
そんな儀式みたいに挿入されるHシーンに、何の価値があるというのか。

でも、このエッテルートは完全にエロゲーだった。もうびっくりした。
たしかに、このエッテルートのHシーンも、変わらず実用性には乏しい。というかギャグだし。
そんなおフザケにすら見えるHシーンに、しかしエッテの女の子としての魅力が詰まっているのだ。

乙りろシリーズに何度も出てくる「ノブレス・オブリージュ」という言葉が、彼女そのもの。
エッテが両親から反対されながらもメリルを付き人とし、学院に通わせているのは、大好きなメリルの才能を、誰もが認めるほどに磨くため。
もはや無償ですらない、自らの血でもって奉仕するに等しい行為なのだ。
(もちろん、好きな子の一番近くにいたいという彼女の恋愛脳もあっただろうが……)

彼女の魅力は、そんな上から「与えている」はずの行為(私がしてあげる!)が、実は「尽くす」行為(私にさせてくれると嬉しい……)だったという点に尽きる。
お互いに初体験なのに、不甲斐ない息子のために乳首責め+手コキしてくれて、騎乗位で挿れてくれて、三擦り半で出ちゃっても「気持ちよくなってくれて嬉しい」って笑ってくれる。
これが奉仕じゃなかったらなんだというのか。
エッテは遊星をマゾ扱いしようとしていたけど、そんなこと言うなら、むしろ私はエッテのほうがマゾなんじゃないかって思いはじめるよ?

そんな彼女は間違いなくエロゲーヒロインで、このゲームは間違いなくエロゲーでした。
というか、エッテマジ天使。やばい。かわいい。

人と人との交わりかたには、色々な形がある。
でも、彼女の理想こそが、人間の一つのあるべき姿だと、私は思う。

「良かった。そういう風になりたかった。好きなひとのために、なにかできる自分に憧れてた」
「そんな私にさせてくれてありがとう」

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ゲーム [★★★★☆]
月に寄りそう乙女の作法

乙女理論とその後の周辺 -Belle Epoque- りそなルートアフター

りそなアフターは、目に見えていた壁を乗り越えて「人生イージーモード」(りそな談)に突入したように見えた彼女たちに振りかかる、どこにでもある困難についてのお話。
中身は「りそな、スランプのワケ」と「初めての晩餐会ホスト」の二本立て。

とは言ったものの、ゴスロリ服がいきなり完売しちゃうのは、やっぱり人生イージーモードっぽい?
好意的に見れば、人見知りだった彼女が、あえて他人と交わることで成長しました! というエピソードなんだろうけど。
デザイナーとしてのりそなの未来が明るいことを示唆するなら、完売までさせる必要はなかったよーな。
それより、ミリロリンデ様が全然悪くなかったと思いますので、そっち方面で「仲間」になるようなエピソードのほうが明るそうです!

クリスマスコレクションのくだりは、うん、悪くない。
一枚絵があるのはりそなだけなんだろーなーと思っていたら、みんなの分あったからね!
でも、もうちょっとじっくり見たかったような? ちょっともったいない使い方かも。
ちなみに、個人的な好みですが、私はルナ様のデザインが一番好きです!

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あんなに小さかった妹が、こんなに大きくなっちゃって……という兄心をくすぐるアフターストーリーとしては、十分なクオリティ。
乙りろグランドエンドにふさわしい、盛りだくさんな内容だったと思います。
衣遠兄様と駿我さんの確執とかとか、まだまだ問題はあるけれど、それもうまくいきそうな気配をほのめかして終わる。
少なくとも、本編りそなルートのようなご都合主義感はかなり薄くなっていました!
りそなアフターを個別評価するなら、☆3つくらいはいけそうです!
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ゲーム [★★★★☆]
月に寄りそう乙女の作法

乙女理論とその後の周辺 -Belle Epoque- メリルルートアフター

メリルアフターは、町のお洋服屋さんになりかかっていた彼女が、オートクチュールのトップデザイナーを目指すようになるお話。
とは言え、私にはどっちがいいのかよくわかりません。
「パリコレ」で画像検索したとき、理解できる衣装が一枚も見当たらなかったので!

とは言え、それは隣人の立場であり、恋人の立場に立ったのなら、やっぱり好きな女の子にはいつでも綺麗であってほしいもの。
それなら、メリルちゃんがモデルを務めちゃうこのシナリオも悪くないよーな気もする。
でも全然恋人っぽくなかったよーな。エッチするとき「肉体関係しましょう」って言うのは面白かったけど。
あれ、ってゆーか、遊星とメリルが付き合ってるの知ってるのって、衣遠兄様以外にいるんだっけ??

そんなことより、「大蔵一族孫連合」のシーンのほうが面白かったです。
やっぱり大蔵家絡みのアレコレが楽しいんですね、このゲームは。
衣遠兄様と駿我さんの鍔迫り合いとかね!
でも、二人とも気軽に登場しすぎっぽかったけどね? お化粧シーンのアトリエとか。
なに、みんな暇なの?
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ゲーム [★★★★☆]
月に寄りそう乙女の作法