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FLOWERS -Le volume sur hiver- (冬篇) その2(まとめ)

春篇の感想はこちら、夏篇の感想はこちら、秋篇の感想はこちらから。

シナリオ

ストーリーそのものには、見どころはさほど多くない。
生徒会長になってしまった蘇芳ちゃんは、マユリを探すための謎解きだけに没頭してはいられないようで、お話はたびたび脱線する。
早くマユリと会いたかったり、謎解き要素を期待していたりした諸兄姉には、ややまどろっこしい展開かもしれない。

けれどそれは、今まで蘇芳ちゃんが地道に積み重ねてきたものが結実し、みんなに頼りにされ、慕われるシーンが増えたから。
ちど×えりスキーな私が秋篇の感想で「夏篇のアフターストーリーとして最高」と書いたように、過去3作での蘇芳ちゃんの努力が報われた結果とも言える。
そうして、蘇芳ちゃんが一人での謎解きに煮詰まってしまっていると友人たちが手助けに来てくれて、最後は少年漫画ばりに「みんなの力を合わせて壁を乗り越える」お話になるのだ。
(あんなに頼りなかった蘇芳ちゃんが、こんなに立派になっちゃって……)

こういう熱い展開は、ベタだけど悪くない。
ただ個人的には、春編や夏編での「少女たちの繊細な心のふれあい」が好きだったわけで、すべてのヒロインの好感度MAXでカップルも決まってしまった今作は、そういう意味では物足りなかったかも。
(なので、えりかが怪我したことに逆上しちゃったチドリンとの絡みはGoodでした!)

物語のオチは、ギャルゲーによくある個人主義のお話。
なにかを決断するとき、常識や慣習、あるいは他人の事情を汲み取って自分の気持ちを押さえつけず、「自分の心」に従おう――と。
その是非はともかくとして、今咲いたばかりの少女たちには、その無垢な真っ直ぐさが似合うことは間違いない。
やっぱり蘇芳ちゃんは私のナンバーワン主人公なのです!

グラフィック・ムービー

冬編のOPムービーは、さほど印象に残らない普通のスライドショー形式。
(季節が冬ということで、落ち着いた色彩設計になっているせいかも)
が、過去3作とは違い、すべて描き下ろしのイラストなんだよなぁ。
ゲームクリア後にもう一度見てみると、なかなかに印象深く感じられるから不思議。

そういえば、ネリネがなぜだかショートカットになっていた。
最初に見たときは長いほうがよかったかなーとも思ったけど、ヘアバンドするとけっこうかわいい!

蘇芳ちゃんの眼鏡っ娘な一枚絵もありましたね。
あの美少女っぷりはヤバスギ。マジで図書室の妖精だった……。

音楽・声優・システム

特筆すべき点はなし。秋編以前の評価に準じます。

総評

ジャンル「百合系ミステリィADV」。
だけれど、「ミステリィADV」だけを期待してプレイすると、少しガッカリすることになるかもしれない。
たしかにミステリー要素が屋台骨ではあるけれども、そこだけを評価するなら凡作レベル。
(というか、イノグレのミステリーは毎度わかりづらいんだよなぁ!?)

しかし「百合」要素の完成度はすばらしい。
この点についての評価は春篇の総評を参照していただければ!

四部作の完結編として見れば、十分な出来と言って差し支えないと思われます。
気になるところを上げるなら、細かな伏線が回収されていないあたり。
たとえば、蘇芳ちゃんが蝶が苦手な理由(義母にずいぶん嫌らしいことを言われたようではあるが)とか、譲葉とネリネが義理立てしていた相手とその理由とか、貴船さゆりが自殺した理由とか。
特に、シオンとさゆりについてはもっと掘り下げてくれてもよかった気がするのです。
そうすれば、マユリと蘇芳と立花の関係がもっと鮮やかに浮かび上がってきたような!

私の評価は、★4・傑作評価。
批評空間ベースでは、81点です。
少女たちによってたどたどしく紡がれていく、甘酸っぱい青春の絆をどうぞ!
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ゲーム [★★★★☆]
FLOWERS

FLOWERS -Le volume sur hiver- (冬篇) その1(シナリオレビュー)

冬編をやろうと思っていたら夏になってしまった。
なので、エアコンをガンガンで冬っぽくしてプレイ!

四季4部作の最終章の主人公は、春編と同じく白羽蘇芳。
残された七不思議のふたつ、「真実の女神」「アガペのタルパ」の謎解きを通して、消えてしまった勾坂マユリを追うストーリーとなっている。

この記事では勾坂マユリにスポットを当て、この作品の根幹である七不思議である、「マユリが真実の女神に攫われた理由」を探ってみたいと思う。
なぜ彼女は想いを通じ合わせたはずの蘇芳になにも告げずに去ったのか?
なぜ彼女は「シオン=バスキア」と「勾坂マユリ」の二足のわらじを履かなかったのか?
(たとえばアミティエたちにマザーエルダーのことを打ち明け、淡島家の屋敷から学院に通うことはできなかったのか)

---

結論から言えば、マユリが淡島邸から学院に通うことも不可能ではなかったと思われる。
(学院側からしてみればバスキア家の弱みが明らかにされることは好ましくないだろうが、マユリが口止めされている描写は見当たらなかった)
しかしそれができないのが、マユリの弱さだった。

"言ったでしょう、人は醜いものだと"


この作品群の根底には、秋篇での譲葉も、蘇芳のタルパである義母も言っていたこの思想が根付いている。
そして、マユリにとってもそれは真実だった。

ここでマユリの抱えていた心の傷についておさらいしておく。
マユリの両親は彼女が10歳の頃に離婚し、父親に引き取られた彼女は家政婦に育てられていた。
しかし、どうしても母が恋しくなってしまったマユリは、一人で母に会いに行く。
そこで彼女は離婚の真相――母親の浮気という真実を目の当たりにしてしまう。
そうして心に深い傷を負ったマユリを献身的に癒やしたのが、彼女の育ての親とも言える家政婦だった。
そんな彼女にマユリは恋心を抱くが、その恋が実ることはなく、逃げるようにして全寮制であるアングレカム学院へとやってくる。
そこで知り合ったのが、想い人だった女性を彷彿とさせる少女――花菱立花であった。

あんなに優しくて大好きだった母親が、父と自分を裏切っていた――
幼かったマユリは、真実を追い求めたばかりに人間の醜さを知ってしまったのだ。
彼女にとって真実とは恐ろしいものであり、二心は忌むべき醜さだった。
だが、自分の心の中にもその醜さがたしかにあることを、彼女は知っていた。

立花に想い人だった女性を見ていたこと――
その想いを蘇芳に向けたこと――
そしてなにより、女の子を好きになってしまったこと――
だからこそ彼女は、自分の心の内を明かすことを人一倍恐れていたのだ。

そんなマユリの懊悩すべては、母親に端を発したもの。
すべてを受け入れて愛してくれるはずの存在に拒絶されたトラウマが、彼女を臆病な少女に変えてしまっていた。
蘇芳がどれだけ優しかったとしても、「失恋した」という打ち明け話をするのが限界で、「お母さんがほしい」などという心の弱さは見せられなかった。
だから彼女はアミティエにはなにも告げず、自分の本当に弱い部分は隠したまま、「攫われる」ことを選んだのだ。

マザーエルダーは孫を無条件に愛していたし、マユリは無償の愛を求めていた。
マユリにとって「シオン=バスキアになる」という行為は、「勾坂マユリ」が失ってしまったものを取り戻す行為だったのだ。

---

結局、マユリは最後まで自分の弱さを克服することはできない。
「真実の女神」が消えるそのときまで、彼女は学院には帰ってこないのだから。

人間は醜い存在である。
そんな「本当のマユリ」を知って、それでも蘇芳と立花は温かく迎え入れる。
彼女たちは友人であり、恋人であり、家族であり――アミティエなのだから。
そうして勾坂マユリは、かつて失ってしまったもの、それ以上のなにかを手に入れるのだ。

「わたしたち、三人のアミティエで佳かったわね」
「一人が倒れたとき、アミティエの一人が支えてくれれば佳い。けれど、寄りかかって二人とも倒れてしまったら――」
「わたしが二人とも抱き起こすわ! だからアミティエは三人じゃなくちゃね!」

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ゲーム [★★★★☆]
FLOWERS

こどものじかん 3学期

一応3期に当たるらしい本話は、コミックス付属の1話構成。



こどものなつじかん

夏休み、青木先生の田舎に遊びに行く3人+宝院先生。
先生の妹、千夏ちゃんが初登場。

えっと、これってエロアニメじゃないよね? 大丈夫だよね??
とうとうチクビ描かれちゃってましたけども?
おまたにチュー寸前だったし、っていうかベロチューしてたし、小学生がタンポン入れてたし!
あぁ、まさかアニメで断面図を見る日が来るとは思わなかった……。

時期がお盆ということで、精霊馬を作ったり迎え火を焚いたりする風習をマジメに勉強しようとするりんちゃんの姿がちょっと切ない。
大人になったら、悲しいことだって過去にできる。
でも、まだ小学生の彼女にそれを求めるのはあまりに酷というもの。
なのに、彼女は子供のうちは子供らしくいられないのだ。

とは言え、先生に夜這いをかけようとして、ふと先生のモノの大きさを知ってしまって尻尾を巻いちゃうとか、りんちゃんって意外とそういうとこあるんだよね!?
それは十分子供らしいような気もするんだけど、そもそも子供はそういうことしないんだから、そう、これが思春期ってやつだ!!

まぁそもそも、子供らしくーとか、大人になったらーとか、そういうのは別にいいんじゃないかな!
どんなレッテルを作っても、自分は自分にしかなれないわけだしね!

「大人になれるって、いくつになったら? ハタチ? もっと早い?」

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アニメ [★★★★★]
こどものじかん

こどものじかん 2学期 3話+まとめ

3科目 はざくらのころ

2期最終話。
頑張りすぎてダウンしてしまったりんと、りんのいない4年1組。

2話でりんが黒に言っていた「先生が受け入れてくれた、醜くて弱い自分」について、ようやく理解しました。
これは1期最終話で、千羽鶴を折っていたことだったのだね。
その鶴は母・秋が死ぬまで(死んだ後も)折り続けていたもの。
りんにとってそれは秋を想う行為であり、想い出への依存であり、現実逃避だった。
(助けて、お母さん……)

りんの言う「弱くて醜い私」は、もういない母親に甘えたい気持ちが捨てられない自分のこと。
具合が悪いときって、どうしても後ろ向きになったり甘えたくなったりするもの。
「自分以上の自分」を演じることができなくなったりんは、反動のようにその代償行為を美々に求めたのだ。

「いいんだ、頑張らなくて。無理しないで、そのままのおまえでいいから」
「……ミミちゃんと同じようなこと言って。先生にそれ言われても、ぜーんぜん嬉しくなーい」


---

さて、この2学期のもう一人のヒロイン・美々の「愛される資格」について。

勉強で一番でも、全然嬉しくない……。私はどうしたら幸せになれるんだろう……。


このお話は、1話で美々ちゃんが学級委員長を押し付けられそうになり、りんのサポート役という名目で副委員長になったところに端を発する。
りんが休んだとき、自分はとても彼女のようにはなれない――美々はそれを身をもって痛感してしまったのだ。
彼女にとって、世界が認識する自分の存在意義は「優等生」なだけで、それは「宇佐美々」である必要性が感じられないものだった。
人気者でムードメーカーなりんと、物知りでオシャレな「自分」を持っている黒と……なんでもない自分。

なんか、気が重いな……。りんちゃんは好きだけど、そばにいると自分がみじめで……。


そんな彼女の心の闇に、レイジは自分の幼少期と同じものを感じて、だからレイジは子供の頃の自分が一番必要としていた言葉を与える。
「必ず」だなんて、無責任なようにも思えるかもしれない。
けれど、子供たちが希望を必要としていることを、レイジは知っていたのだ。

「……いつか。いつか必ず、君のことを理解して、愛してくれる人が現れる。だから、それまで頑張るんだよ」


美々はレイジに好きな人がいることを知っているから、レイジに下心を持ったりはしない。
けれど、レイジに会って舞い上がってしまう美々は、なんだかずいぶん幸せそうに見えました。

幸せになりたいという本能は、結局はそういうことなんだろうと思う。
そして誰もが幸せになる権利がある。
それはたぶん、レイジにだって。

いつか必ず理解してくれる人が現れる――
僕にはもう現れた。
彼女は、僕にかけがえのない愛情をくれたというのに――なぜ、それ以上を望んでしまうんだろう……。




まとめ

たった4話だから、ただのアフターストーリーかと思っていたら、全然そんなことなかった。
3人それぞれのエピソードが凝縮されている80分。
見応えがハンパない! なのに萌えアニメ! すごい!!

ギャルゲーで言うところの「シナリオ良し」「ヒロインかわいい」「Hシーンすごい」の三拍子揃っている感じ。
これは久々の★5・神作として認定しちゃいます。

3人のエピソードは、ほんと甲乙つけがたい。
が、りんちゃんパートが頭一つ抜けているかも。
ずっと隠していた弱い自分をさらけ出して、それを受け入れてもらえる。
これだけでも良シナリオなのに、それが授乳シーンになっちゃうんだからね、人間の可能性に感動しました。

弱い自分を隠そうとしたり、好きな人になにかしたくて無理をしていたのが、1期のりんちゃん。
たぶん、だから1期終盤はどこか歪な雰囲気が漂っていたのだろう。
けれど、ようやく彼女は等身大の自分でいられる居場所を見つけることができる。
そんなりんちゃんの本当にしたいことが、先生とのナマチューだったっていう!
この爽やかさは、もはやカタルシス!
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アニメ [★★★★★]
こどものじかん

こどものじかん 2学期 0~2話

1科目 よねんせい

4年生に進級し、学級委員長に立候補したりんちゃん。
あと、「九重にエロい服着せやがって……」vs「このロリコン教師が……」の開幕。なにこれ

アバンからパンモロで入るのはさすがこじかクオリティ。
ロリビッチなりんちゃんも、不意討ちのパンツ丸出しには取り乱さざるを得ないのでした!

でも、小悪魔りんちゃんもやっぱり健在。
先生と目線を合わせるときにネクタイを引っ張っちゃうのがいいですねえ!
りんちゃんに耳たぶ噛まれたい……。噛まれたくない?

「青木のヤツ、マゾから進化してとうとう誘い受け発動ー!?」


すれ違いがあったとしても、ちゃんと謝って、すぐに仲直りできる。
そんな先生とりんちゃんの信頼関係が、やっぱりとっても爽やかなのです!

2科目 たのしいうんどうかい

「がんばりたいの、先生のために」


学級委員長として運動会に向けて頑張るりんちゃん。
クラスをきちんとまとめ上げ、先生をサポートして、友達のミスもフォローして、当日仕事で来られなかったことを悔やむレイジを慰めて。
(パンツの代わりにバンソウコウだけでブルマ履いちゃうロリビッチさは健在ながらも)まるで模範的な学級委員長を務めるりんちゃんなのだけれど……。

言ってしまえば、これは1期OVA「あなたがわたしにくれたもの」の続き。
りんにとって、先生は初めて信じることができた大人で、先生も自分を信じてくれている。
その信頼を裏切りたくはない、だから頑張ろうと思えるのだ。

「おかしいよ、りんちゃん! 学級委員になってから、まるでアイツの家来みたい! そんなのりんちゃんじゃないよ!」
「クロちゃんの思う私って、なに……?」
「え? そ、それは……強くて、カッコよくて、大人の顔色をうかがったりしない――」
「――私は醜くて弱い女の子よ。でも先生は弱い私や醜い私を見ても、逃げないで全部受け止めてくれた、わかろうとしてくれた。だから私も先生を信じる。先生のそばにいる」


そうして、運動会は無事成功に終わる。
仕事で参加できず、父親失格だと自分を責めるレイジにも、3年生の頃の失敗を思い出して「頑張らなくても平気、レイジはそのままでいいんだから」と慰める器量だって見せた。

つかれた……。
がんばらないで……そのままで……。
私、なんかメチャクチャだ……。


---

さて、美々ちゃんが傷ついた、持てる者と持てない者の差。

愛される者は輝いて、よりいっそう愛され……。私はいくら頑張ったって……。


私はこれを「愛される資格」と呼んでいるけれど、自分にその資格がないと思ってしまうと、もうそれ以上努力することができなくなってしまう。
この問題は私も上手な解決法を見つけられていないので、美々ちゃんがうまく解決できることを祈っています!

特別編 くろちゃんとしろちゃん

待望の黒ちゃんエピソード!
1期9話でクールビューティな白井先生にホレてしまった黒ちゃんが、4年生になって白井先生と仲良くなろうとするお話。
時系列的には、1話と2話の間。

よく言えば子供の無邪気さ、悪く言えば距離感ナシで近寄ってくる黒を、白井先生も最初は鬱陶しく思っていた。
けれど、そうやって適当に黒の相手をしているうちに、ふいに傷つけてしまう。
そして、自分も同じ傷を持っていたことを思い出して、自分の過ちに気がつくのだ。

「子供」と一括りにして「鏡黒」を見ていなかったこと。
自分も子供の頃に親に同じことをされ、とても傷付いていたこと。
それでも、黒は「白井紗江」を見ていて、自分のために怒ってくれたこと。

もしもあのとき、あの子が隣りにいたら――
私はどんな人間になっていたのかしら……。


こういう過去のエピソードに絡めた現在の後悔って、私はとても好き。
後ろ向きに見えるかもしれないけど、それでもこれが一番地に足の着いた一歩を踏み出せるチカラだと思うから。

ちなみに、黒ちゃん視点だとりんちゃんがまるで鈍感系主人公みたいになっちゃうんですね!
これは由々しき問題な気がします!?
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こどものじかん

こどものじかん OVA+まとめ

やすみじかん ~あなたがわたしにくれたもの~

TV放送前のコミックの特典OVA。
時系列はTV版の後かな?

青木先生の誕生日プレゼントを考えて、手作りするためにお泊りする3人。
美々ちゃん視点がちょっと新しい。待望のお風呂回でもある。

地上波ではできないネタが詰め込んであるとのことで、確かにいろいろはっちゃけていました。
お風呂シーンとかね、普通に全裸だったからね!
さすがにチクビは描かれてなかったですけども。

そんなラブコメというよりエロコメ寄りのご褒美回でした。
私は黒ちゃんの妄想だって応援してます!



まとめ

ロリビッチな小学3年生とのR15なラブコメ。
ただのエロコメかと思いきや、想像以上に深くコドモのココロに踏み込んでいくあたり、見応えあります。

中盤ぐらいまでの異常な爽やかさは特筆モノ。
これはエピソードを1話にまとめてオチをつけているシナリオの功績。
そして、先生とりんちゃん、あるいは黒ちゃんや美々ちゃんとの間に、信頼や絆というようなキラキラしたものが透けて見えるあたりに秘密があるのかな。

終盤、ちょっとドロドロしてきちゃうあたりの評価には諸説ありそう。
原作よりもずいぶんレイジを悪者にしてしまったとか?
でも、不安定な少女の恋心、そして子供から大人になろうとしていく女の子の心の成長譚として見るなら、十分な出来だと思います!

とにかくEDの「ハナマル☆センセイション」が名曲。
そして、とにかくりんちゃんがカワイイ。

この作品のルートはりんちゃんしかないんでしょうか?
黒ちゃんのエピソードなんかもあっても全然いいと思うんですが!?
ほら、あの子相当なチョロインっぽいし、たぶん1話で全然収まると思うんですよね!(暴言)

私の評価は★4・傑作評価。
親とは絶対に見られない、萌えーな深夜アニメの王道。
地上波でここまでギリギリを攻めるのかよ!? という感動が得たい人は「生徒会役員共」の前に見るといいと思います!
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こどものじかん

こどものじかん 10~12話

10時間目 ひとにやさしく

「先生が私を相手にしてくれるのは、子供だから。先生が私を相手にしてくれないのも、子供だから……」


好きな人を自分だけのものにしたくなってしまったりんちゃん。
ストレートに気持ちを伝えてみたり、イジワルしてみたり、困らせてみたり……。
けれど、先生は自分を子供扱いするばかりで、気持ちに応えてはくれない。
それどころか、怒られるようなことをしたのに、怒ってもくれなかった。

膝小僧を擦りむいたりんちゃんの「なめて」は、今までの小悪魔ロリビッチな誘惑とは違う。
跪いた先生に、足を舐めさせる。
それは、今までの関係を変えようとする行為。この一線を越えられたなら、先生を自分のものにできる――
そんな分水嶺に挑まなければならない、追い詰められた彼女の心が透けて見える切実な愛情表現。

「なぜ目をそらすの? 私を子供だと思ってるなら、こっちを見ても平気なはずよ!
 私の言葉に戸惑うのはなぜ? 下着を見てドキドキするのはなぜ!?
 ――本当はりんのこと、女だと思ってるからでしょ……?」


なにがこの少女をここまで愛情に飢えさせているのか?
ただ親を亡くしただけではない、もっと歪んだ背景が透けて見える彼女の心の奥底。

俺は九重が……怖い……。


11時間目 みんななかよく

宝院先生のアドバイスをきっかけにふっきれたりんと、過去に足を取られたままのレイジ。
ついでに美々ちゃんのS女転向回でもある。

「こんなことしてると先生に嫌われる、先生が離れていく――わかってる、でも試しちゃうの。まだ私のこと好きかなって。それでまた嫌われたかもって。だからまた試しちゃう……」


放課後の体育倉庫に二人で閉じ込められる――なんて、ラブコメではよくあるシチュではある。
けど、先生と児童っていうこのパターンは面倒なことになりそうだなーと思っていたら、本当に面倒なことになってしまった。

静かに壊れていくレイジに、りんはなにも言うことができない。
それが自分のしようとしていたことだったからか。
それとも、彼がされてきたことだったからか。

12時間目 こどものじかん

一学期、最終話。
「りんを守る」ことを命題に暴走するレイジと、そのきっかけが自分にあることに苦悩するりん。

だれかを自分だけのものにしたい――
りんがレイジの暴走に反発しきれなかったのは、りんの弱みでもあり、レイジの弱みでもあったから。
それはレイジが自分にしていることであり、自分が先生にしようとしていたことであり、レイジが親からされてきたことでもあったのだ。

結局、りんはレイジのトラウマを突く形で、レイジの目を覚まさせる。
けれど、りんはレイジを憎むことはできなかった。

りんはずっと大人にならなければならないと思っていた。
それは早くに親を亡くしたせいかもしれないし、先生と対等な関係になりたいからかもしれないし、親代わりのレイジの負担になりたくなかったからかもしれないし、あるいはレイジを守ってあげたいからかもしれない。
だから大人びたカッコをして、大人ぶったことを言って、大人みたいなことをしたがった。
けれど、そんなことをしなくても先生は「九重りん」の話を聞いてくれるし、レイジの助けにだってなれる。
そう気づいた彼女は、子供であることを受け入れて大人になっていく。

「今は間接キスでもいいや。焦らないって決めたんだ!」

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こどものじかん

こどものじかん 7~9話

7時間目 りんかんがっこう

一泊二日の林間学校。
りんちゃんの健全なロリビッチ回。

Aパートがいきなりパンモロから始まるのはどうかと思ったけど、これがこじかクオリティ。
っていうか、黒ちゃんはともかく、りんちゃんはどうしていろいろなことを知ってるワケ?
JS3に痴女プレイされるとか、さすがにヤバイ。

私のお気に入りは、日傘の下でこっそり先生の唇を奪っちゃうりんちゃん。
普段は子供っぽい無邪気さを盾にしてるけど、ときどき見せるオトナ顔負けのあでやかさにはドキッとしますよね!

次点で、さんざんゴネておきながら先生の子守唄で眠っちゃう黒ちゃん。
普段はオトナぶってるけど、やっぱりお子様かわいい!

8時間目 だっこしてぎゅっ

主人公が女子児童とのスキンシップを注意された結果、りんちゃんが拗ねて男装する。
母が死んですぐの頃のりんと、黒と美々との出会いの過去回想。

女の子はそういうこと言わない! からの、男の子かどうか確かめてみる?(スカートたくしあげ)の流れは神。
男装した結果としてはそんなにラブコメっぽいことは起こらなかったけれど、過程での黒ちゃんの自爆には草生えました。

ところで、記憶が定かじゃないんですけど、りんちゃんが泣いてるシーンって初めてですかね?
ずっと気を張ってきた彼女が、自分の弱さを見せてもいいと思ってしまったということでしょうか。
普通の寂しがり屋の女の子としての一面。

「怒られても、叱られても、構ってくれないよりいい……。構ってくれなくちゃ、ヤだ……!」


9時間目 やきもちドリル

「青木先生ってオトナもイケるんだぁ?」


自分は一人の女の子として先生に恋をしているのに、先生は自分を子供としか見てくれない――
そんな恋する乙女の悩みが詰まっている回。
JS3人のお見舞い回でもある。

早熟で賢いからこそ、自分がまだまだ子供であることが理解できてしまう。
オトナみたいなカッコをしたって、オトナにはなれない。
けれど、そんなやり場のないモヤモヤをぶつける先を、彼女はまだ知らないのだ。
たしかにね、お見舞いにポテチはやっぱりちょっと違うかなーって!

白井先生の厳しい授業に反発する3年1組のみんなだけど、一人だけリアクションがおかしかったよね。
実は黒ちゃんが一番のチョロインなんじゃないかっていう。

ところで、りんちゃんのおヘソが眩しすぎる問題が発生しています。
ヘソ出しタンクトップとホットパンツとかヤバスギでしょ!?
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こどものじかん

こどものじかん 4~6話

4時間目 わたしのおかあさん

「先生。私に同情してるの? 優しいのは、かわいそうだったから?
 喜んでた私、バカみたい……」


りんのフクザツな家庭事情と、それを担任教師としてどう扱うか。

りんは「親がいないかわいそうな子」だから選ばれたいわけではなく、「九重りん」だから選ばれたかった。
だから親がいないことを知られたくなかったのだ。

主人公がりんを気にかけるのは、最初は哀れみだったのかもしれない。
けれど、それはそのうち心配へと変わり、親がいなくても温かい家庭があることに安心を覚えるようになる。

「私が心配? なんでよ?」
「九重が――大切だからだ」
「……ほんとに?」
「ああ」
「裏切ったら、許さないんだから!」


りんが優しいお母さんの作文を書いたのも、家のことを隠そうとしただけのはずがない。
けれど、彼女はその事実に向き合っているし、主人公はりんの強さを信頼しているのだ。
そんな心のふれあいが透けて見えるのが、このアニメがいちいち爽やかな理由なんじゃないでしょーか!

5時間目 なつやすみのとも

先生に会えないし、どこにも連れて行ってもらえないし、黒ちゃんと美々ちゃんはそれぞれの家でお出かけしちゃうし、なんだかツマラナイりんちゃんの夏休み。
4話の続き、浮気を許さないりんちゃん回でもある。

っていうか、二人がもうまるで恋人な件について!
まぁそうだよね、女の子のチューには世界を変えるチカラがあるからね、当然だよね?

「私ね、子供の頃は夏休みが終わってしまうのが寂しかったけど、今は夏休みが始まるのが寂しいんです」


6時間目 おもいで

りんの母・秋と従姉弟・レイジについて。
萌えアニメとは思えないウルトラヘビーな過去回想。

母のために生まれたレイジと、母に望まれて生まれたりんの対比が鮮やかすぎて言葉が出ない。
世界中の誰か一人でも自分を望んでくれたのなら、こんな醜い気持ちを抱かなくてもよかったのに――
レイジのそんな絶望を抱きしめるりんは、間違いなく救いだった。
だから、世界中の誰からも望まれなくとも強く生きることを決断した秋の助けになろう、レイジはそう決意したのだ。

タイトルがこれほど秀逸に感じる作品も、そうあるもんじゃない。
レイジにとって、秋がいた記憶すべては子供の時間だったのだから。

「はやく大人になりたい……」

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こどものじかん

こどものじかん 1~3話

EDが名曲すぎたので見たくなったシリーズ

初出は2007年。
局によって放送が中止されたり、3.11でBD-BOXの発売が中止されたり、いろいろといわくつきのアニメらしい。



1時間目 なかよしのいっぽ

新任教師として3年1組の担任となった主人公が、問題児たちと打ち解けるまで。
起きるイベント自体は、GTOとか思い出しちゃうかんじのやつ。

上辺ではそれなりに馴染めそうに見えた主人公だったが、少女たちが隠し持っている心の闇に近付こうとして、鋭く拒絶される。
「大人はわかってくれない」というやつだね。
彼女たちが敵意を向けるのは「大人」におびえているからだということに気がついた主人公は、彼女たちが大切にしているものを同じように大切にすることで、信用を勝ち取る。

――と書けば、なんだかすごいマジメなアニメっぽく見えるけど、中身はヤバい。
信用を勝ち取ったご褒美が、JS3人のスカートたくし上げ(ブルマ着用)だからね!
りんちゃんの習字は「中出し希望」だしね、そりゃ放送禁止になりますよ。
(最近「生徒会役員共」を見ている私には効かなかったけどね!)

2時間目 にこにこのごほうび

主人公の教師としての悩みと、それを陰ながら支えようとするりん。
と、そうやってりんがどんどん先生を好きになっていくことに嫉妬する黒。

面白い授業ができない、クラスがまとめられない、平均点が上がらない。
そんな悩みを追い打ちするように、りんは表立って先生を非難し、騒ぎ立てるクラスメイトたちに不快感を露わにする。

「りんちゃんに助けられて、情けないったら」


りんの好き好きアピールは、大人な男の人に憧れちゃう思春期特有のアレかと思っていたら、もっと深いものだったのかもしれない。
りんはクラスのムードメーカーである自分が必要以上に悪役になることで、逆に先生に同情が集まるように誘導し、クラスをまとめていたのだ。
こんな風に陰ながら支えちゃうなんて、大人にだってできることじゃない。
ただのロリビッチかと思っていたところでのこのギャップ。萌え以外のナニモノでもないんですが!?

「――嫌われたかと思った」
「そんなこと、あるわけないだろ」
「先生にキツいこと言っても? テストでいい点取れなくても? 先生のアレ、見ちゃっても? 先生のアレ、触っちゃっても? 先生のを食べちゃっても? ――前の担任を辞職に追い込んでも?」


3時間目 すくすくそだて

胸が大きくなってきたことに悩む美々。
と、りんに好かれている先生がキライになってきた黒。

中学年の担任はけもの道。
たしかに、ロリ巨乳(ノーブラ)な教え子とか、あぶなくけもの道を進むところでしたよね。
なんとなくGTOと比べちゃうこのアニメだけれど、この思春期になりはじめたカラダの悩みってのは小学生特有のもの。
これはなかなか新鮮なエピソードでした。
りんちゃんの行き過ぎてるように見える好き好きアピールも、心の成長に戸惑っている結果だと思えば微笑ましく思えてきます。
(それが「中出し希望」なのは、やっぱりどうなんだろう……)

今回のお気に入りシーンは、(美々ちゃんの3サイズ測定も悪くなかったけど)りんちゃんとの間接キスを先生に奪われた黒ちゃん。
黒ちゃんはかわいいと思うけど、ときどきファッションセンスが理解できない。
フツーに猫耳つけてたりするし。10年前もそんなファッションなかったよ!?
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